ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

ビルボード 全米 Top40 1986年8月2日付 ケニー・ロギンス Kenny Loggins - Danger Zone

2022-07-31 21:01:19 | 1986年ビルボードTop40
1986年8月2日付ビルボード All American Top40、この週も1位の交代です、5位から上がっていきなりの1位はPeter Ceteraの"Glory of Love"。映画『The Karate Kid Part II』のテーマです。Peter Ceteraですが、もちろんChicagoのオリジナルメンバーで、メインボーカリスト。この前年の85年にバンドを抜けてソロ活動を開始、この曲がソロ初めてのヒットでもちろん初めてのNo.1です。Chicagoでは、この時点で、2曲のNo.1ヒットを含め9曲のTop5ヒットを持っています。

2位は1週のみの1位からダウン、Peter Gabrielの"Sledgehammer"。Peter Gabrielですが、Genesisの初代ボーカリスト。Genesisには結成から1975年まで在籍していました。そのGenesisを蹴落として1位に上がりましたが、1週のみでダウンしました。Genesis時代にはシングルのTop40ヒットはありませんでしたが、ソロになってからは、82年に"Shock the Monkey"が最高位29位、この曲が2曲目のTop40ヒットで、もちろん初めてのNo.1ヒットです。
3位は1週のみの2位からダウン、残念ながら1位にはなれませんでした、Kenny Logginsの"Danger Zone"。大ヒット映画『Top Gun』サウンドトラック収録曲です。Kenny Logginsですが、1984年のNo.1ヒットで、これも映画音楽の"Footloose"を含め、この曲で12曲目のTop40ヒットで、3曲目のTop5ヒット、2曲目のTop3ヒットです。
4位は6位からアップ、Madonnaの"Papa Don't Preach"。Madonnaですが、もちろん皆さんご存知のスーパースター。83年に"Holiday"が初めてのTop40ヒット、それからたった3年ですが、この曲で10曲目のTop40ヒットで、3曲のNo.1ヒットを含め、なんと8曲目のTop5ヒットです。
5位は3位からダウン、Genesisの"Invisible Touch"。Genesisですが、グループとしては最高位23位の初のTop40ヒット"Follow You Follow Me"から、この曲で8曲目のTop40ヒットで、初のTop5ヒット、もちろん初のNo.1です。メンバーのソロでは、Phil CollinsにMike + the Mechanics、Peter Gabriel と、特にこの80年代半ばから、大ヒットを連発しています。

この週1週のみの2位からダウンして3位はKenny Logginsの"Danger Zone"。最高位は1週間の2位、年間チャートは42位。84年に3週間の1位で年間チャート4位を記録した"Footloose"に次ぐ大ヒットになりました。

Kenny Logginsですが、音楽活動を始めたのは60年代ですが、71年に、ポコで活躍していたJim Messinaと出会い、ロックポップデュオLoggins and Messina結成してから、本格的に音楽シーンに登場します。
72年にリリースした2枚目のアルバム『Loggins and Messina』からのシングル"Your Mama Don't Dance" 「ママはダンスを踊らない」が最高位4位を記録、他にも2曲のTop40ヒットを出します。日本でも人気がありましたね。

Loggins and Messinaは76年に活動を停止、Kenny Logginsは77年からソロ活動を始めます。
ソロでの初めてのヒットは、Stevie Nicksとの共演"Whenever I Call You 'Friend'"でした。この曲はいい曲でしたね。最高位5位を記録する大ヒットになります。
その後、ソロアルバム、シングルとも、ヒットを積み重ねていきますが、他のアーチストとの共演でも、いくつかのヒット曲を出していきます。
The Doobie Brothersの1979年のNo.1ヒット"What a Fool Believes"は、Michael McDonaldとKenny Logginsの共作ですが、元々は、Kenny Logginsの2枚目のアルバム『Nightwatch』に収録されていた曲です。
最高位11位を記録したKenny Logginsのソロヒット"This Is It"も、Michael McDonaldとKenny Logginsの共作です。
他にも、82年に最高位17位を記録した"Don't Fight It" はジャーニーのSteve Perrytの競演であり、共作でした。

映画『Footloose』サウンドトラックの大ヒットの後、5枚目のソロアルバム『Vox Humana』は2曲のTop40ヒットはあったものの、アルバムのセールス的にはいまいちでした。
そのアルバムに続いて出したのがこのシングル"Danger Zone"で、映画『Top Gun』では、オープニングの空母から離陸する場面、重要なシーンで使われた曲でした。
曲の作者はGiorgio Moroder、プロデュースもGiorgio Moroderです。作詞はTom Whitlock。Giorgio MoroderはDonna Summerなどのプロデューサーで有名ですね。私のブログにも何度も出てきています。

この曲は、そもそもカッコイイ曲でしたし、映画のシーンでもいい場面で使われていました。この曲を聞くと、映画のシーンが思い浮かびます。
1位になれなくて残念でした。絶対1位になると思っていたのですが、わからないものです。
現在放映中の続編「トップガン マーヴェリック」でも使われ、サウンドトラックにも収録されています。


今週 先週 song / artist
1 5 GLORY OF LOVE(THEME FROM "THE KARATE KID PART Ⅱ) / PETER CETERA
2 1 SLEDGEHAMMER / PETER GABRIEL
3 2 DANGER ZONE / KENNY LOGGINS
4 6 PAPA DON'T PREACH / MADONNA
5 3 INVISIBLE TOUCH / GENESIS
6 8 MAD ABOUT YOU / BELINDA CARLISLE
7 7 LOVE TOUCH(THEME FROM "LEGAL EAGLES") / ROD STEWART
8 4 NASTY / JANET JACKSON
9 12 WE DON'T HAVE TO TAKE OUR CLOTHERS OFF / JERMAINE STEWART
10 11 OPPORTUNITIES(LET'S MAKE LOTS OF MONEY) / PET SHOP BOYS
11 10 MODERN WOMAN(FROM "RUTHLESS PEOPLE") / BILLY JOEL
12 18 HIGHER LOVE / STEVE WINWOOD
13 20 RUMORS / TIMEX SOCIAL CLUB
14 15 DIGGING YOUR SCENE / THE BLOW MONKEYS
15 23 VENUS / BANANARAMA
16 22 THE EDGE OF HEAVEN / WHAM!
17 21 YOU SHOULD BE MINE / JEFFREY OSBORNE
18 24 SWEET FREEDOM / MICHAEL MCDONALD
19 33 DANCING ON THE CEILING / LIONEL RICHIE
20 13 YOUR WILDEST DREAMS / MOODY BLUES
21 27 SUZANNE / JOURNEY
22 9 HOLDING BACK THE YEARS / SIMPLY RED
23 32 TAKE MY BREATH AWAY / BERLIN
24 26 TAKE IT EASY / ANDY TAYLOR
25 19 SECRET SEPARATION / THE FIXX
26 30 ALL THE LOVE IN THE WORLD / OUTFIELD
27 14 WHO'S JOHNNY("SHORT CIRCUIT" THEME) / EL DEBARGE
28 31 ONE STEP CLOSER TO YOU / GAVIN CHISTOPHER
29 16 THERE'LL BE SAD SONGS(TO MAKE YOU CRY) / BILLY OCEAN
30 34 BABY LOVE / REGINA
31 41 FRIENDS AND LOVERS / CARL ANDERSON & GLORIA LORING
32 17 WHEN THE HEART RULES THE MIND / GTR
33 37 WORDS GET IN THE WAY / MIAMI SOUND MACHINE
34 40 YANKEE ROSE / DAVID LEE ROTH
35 45 RUMBLESEAT / JOHN COUGAR MELLENCAMP
36 46 THAT WAS THEN, THIS IS NOW / THE MONKEES
37 25 NO ONE IS TO BLAME / HOWARD JONES
38 43 TAKEN IN / MIKE + THE MECHANICS
39 42 HANGING ON A HEART ATTACK / DEVICE
40 47 MAN SIZE LOVE / KLYMAXX
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ムーディー・ブルース The Moody Blues - Your Wildest Dreams(1986年の洋楽 Part29)

2022-07-28 20:52:23 | '86年洋楽
1986年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart29はThe Moody Bluesの”Your Wildest Dreams”。最高位は7月12日と19日の2週間の9位。年間チャートは91位。The Moody Bluesとしては、1972年に最高位2位を記録した"Nights in White Satin"「サテンの夜」以来、なんと14年ぶりとなるTop10ヒットとなりました。

The Moody Bluesですが、バンドの歴史は古くデビューは1964年にまで遡ります。
キング・クリムゾン、ピンク・フロイド、イエス、ジェネシスと並んで60年代から活躍するプログレッシブロックバンドの草分け的なバンドです。私のブログでも、ジェネシス3連発に続けて持ってくる曲は、やっぱり伝統のこのグループ、ムーディー・ブルースしかないでしょう。

デビューアルバムのリリースは、1965年、『The Magnificent Moodies』で、そのアルバムからのシングル"Go Now!"がアメリカでいきなり10位を記録するヒットとなります。ただ、この時はまだプログレッシブバンドではなく、名前のとおりブルースバンドでした。

66年になって、長くバンドの中心として活躍することになるJustin HaywardとJohn Lodgeが加入、音楽性も大きく変わり、プログレッシブロックバンドとして、セカンドアルバム『Days of Future Passed』を発表、シングル"Tuesday Afternoon"も24位を記録するヒットとなります。

その後、プログレッシブロックバンドとしては珍しく、シングルでもTop40ヒットを続け、1972年になってから、セカンドアルバムに入っていた"Nights in White Satin"「サテンの夜」が突然チャートを駆け上がり、最高位2位を記録する大ヒットになります。なお、この曲、キャッシュボックスではNo.1を記録しました。アルバムも大ヒットし、セカンドの『Days of Future Passed』が第3位、そして72年にリリースした8枚目のアルバム『Seventh Sojourn』はついにアルバムチャートNo.1を記録しました。

その後しばらく活動が停滞し、アルバムを出さない時期が続きましたが、1978年には、"Steppin' In A Slide Zone"が最高位39位の小ヒットになり、78年にはイエスからPatrick Morazが加入、ポップに変身し、1981年に発表されたアルバム「Long Distance Voyager(魂の叫び)」が大ヒット、アルバムチャートではNo.1を記録し、再ブレイクを果たします。
このアルバムに収録された"Gemini Dream"も最高位12位を記録、久しぶりの大ヒットになりました。こちらをご覧ください→→→

続く11枚目のアルバム『The Present』はいまいちのヒットに終わりましたが、12枚目のアルバム『The Other Side of Life』からのファーストシングルがこの曲”Your Wildest Dreams”です。曲の作者はJustin Hayward。プロデューサーはTony Visconti。Tony Viscontiは、60年代から活躍するプロデューサーで、David BowieやT. Rexのプロデュースで有名です。

”Your Wildest Dreams”ですが、シンセ・ポップ・ロックの分野には入るのでしょうけれども、独特の流れるようなメロディに、重厚なサウンド、コーラスが加わる曲、これぞ80年代のムーディー・ブルース、と言っていいでしょう。アルバムも、最高位9位の大ヒットアルバムとなりました。
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ビルボード 全米 Top40 1986年7月26日付 ピーター・ガブリエル Peter Gabriel - Sledgehammer

2022-07-24 21:40:20 | 1986年ビルボードTop40
1986年7月26日付ビルボード All American Top40、またまたこの週も1位の交代がありました、2位から上がって1位はPeter Gabrielの"Sledgehammer"。Peter Gabrielですが、Genesisの初代ボーカリスト。Genesisには結成から1975年まで在籍していました。そのGenesisを蹴落として1位に上がってきました。Genesis時代にはシングルのTop40ヒットはありませんでしたが、ソロになってからは、82年に"Shock the Monkey"が最高位29位、この曲が2曲目のTop40ヒットで、もちろん初めてのNo.1ヒットです。

2位は4位からアップ、Kenny Logginsの"Danger Zone"。大ヒット映画『Top Gun』からのヒットです。Kenny Logginsですが、1984年のNo.1ヒットで、これも映画音楽の"Footloose"を含め、この曲で12曲目のTop40ヒットで、3曲目のTop5ヒット、2曲目のTop3ヒットです。
3位は1週のみの1位からダウン、Genesisの"Invisible Touch"。Genesisですが、グループとしては最高位23位の初のTop40ヒット"Follow You Follow Me"から、この曲で8曲目のTop40ヒットで、初のTop5ヒット、もちろん初のNo.1です。もちろん、メンバーのソロでは、Phil CollinsにMike + the Mechanics、Peter Gabriel と、特にこの80年代半ばから、大ヒットを連発しています。
4位は1週のみの3位からダウン、Janet Jacksonの"Nasty"。Janet Jacksonですが、もちろんJacksonファミリーの末っ子。最高位4位を記録した"What Have You Done for Me Lately"に続き、2曲目のTop40ヒットで、2曲目のTop5ヒット、初めて3位まで上がりました。
5位は7位からアップ、Peter Ceteraの"Glory of Love"。映画『The Karate Kid Part II』のテーマです。Peter Ceteraですが、もちろんChicagoのオリジナルメンバーで、メインボーカリスト。この前年の85年にバンドを抜けてソロ活動を開始、この曲がソロ初めてのヒットでもちろん初めてのTop5ヒットです。Chicagoでは、この時点で、2曲のNo.1ヒットを含め9曲のTop5ヒットを持っています。

この週1位はPeter Gabrielの"Sledgehammer"。1位はこの1週のみ。年間チャートは23位。Peter Gabrielの2曲目のTop40ヒットで、大ヒットになりました。

Peter Gabrielですが、Genesisの初代ボーカリスト。Genesisには結成から1975年まで在籍していました。この80年代半ば、アメリカのヒットチャートでは、Phil Collinsを筆頭に、Genesis、Genesisのメンバー・元メンバーによる、Genesis旋風という状況でした。私のブログでは、予定どおり、Genesis→GTR→Peter Gabrielと、Genesis・元Genesisの3連発となったところです。

Peter Gabrielですが、ソロとしては、77年に『Peter Gabriel 1』をリリース、そこから、82年までに4枚のソロアルバムを出しています。シングルとしては、4枚目のアルバム『Peter Gabriel 4』からのシングル"Shock the Monkey"が最高位29位を記録しています。"Shock the Monkey"について、そしてPeter Gabrielについては、こちらをご覧ください→→→

4年のブランクの後、ライブアルバムを挟んで、86年に5枚目のアルバム『So』をリリースします。それまでの4枚のアルバム名は、『Peter Gabriel+ナンバー』でしたが、この5枚目で初めてアルバム名が付きました、が、この「So」は、数字をやめて、ド、レ、ミ、ファ、ソの「ソ」にしただけ、らしいです。アルバムもヒットし、アルバムチャートで2位を記録しました。1位を阻んだのは『Top Gun』サントラでした。

"Sledgehammer"ですが、曲の作者はPeter Gabriel自身、プロデュースはPeter GabrielとDaniel Lanois。Daniel Lanoisは、AcadieやU2、Bob Dylanなどを手掛けることになる、有能プロデューサーです。
この"Sledgehammer"は、ロックに、ソウル、ダンスミュージックが融合した、名曲じゃあないでしょうか。もちろん、Genesisの勢いに乗っただけのヒット曲ではないです。尺八やフルートの音も聞こえる、と思ったら、シンセサイザーの「Emulator」を使って音を出しているようです。


今週 先週 song / artist
1 2 SLEDGEHAMMER / PETER GABRIEL
2 4 DANGER ZONE / KENNY LOGGINS
3 1 INVISIBLE TOUCH / GENESIS
4 3 NASTY / JANET JACKSON
5 7 GLORY OF LOVE(THEME FROM "THE KARATE KID PART Ⅱ) / PETER CETERA
6 12 PAPA DON'T PREACH / MADONNA
7 10 LOVE TOUCH(THEME FROM "LEGAL EAGLES") / ROD STEWART
8 11 MAD ABOUT YOU / BELINDA CARLISLE
9 5 HOLDING BACK THE YEARS / SIMPLY RED
10 15 MODERN WOMAN(FROM "RUTHLESS PEOPLE") / BILLY JOEL
11 13 OPPORTUNITIES(LET'S MAKE LOTS OF MONEY) / PET SHOP BOYS
12 17 WE DON'T HAVE TO / JERMAINE STEWART
13 9 YOUR WILDEST DREAMS / MOODY BLUES
14 6 WHO'S JOHNNY("SHORT CIRCUIT" THEME) / EL DEBARGE
15 18 DIGGING YOUR SCENE / THE BLOW MONKEYS
16 8 THERE'LL BE SAD SONGS(TO MAKE YOU CRY) / BILLY OCEAN
17 14 WHEN THE HEART RULES THE MIND / GTR
18 27 HIGHER LOVE / STEVE WINWOOD
19 21 SECRET SEPARATION / FIXX
20 28 RUMORS / TIMEX SOCIAL CLUB
21 25 YOU SHOULD BE MINE / JEFFREY OSBORNE
22 31 THE EDGE OF HEAVEN / WHAM!
23 34 VENUS / BANANARAMA
24 32 SWEET FREEDOM / MICHAEL MCDONALD
25 19 NO ONE IS TO BLAME / HOWARD JONES
26 29 TAKE IT EASY / ANDY TAYLOR
27 30 SUZANNE / JOURNEY
28 16 LIKE A ROCK / BOB SEGER & THE SILVER BULLET BAND
29 20 TUFF ENUFF / THE FABULOUS THUNDERBIRDS
30 35 ALL THE LOVE IN THE WORLD / OUTFIELD
31 36 ONE STEP CLOSER TO YOU / GAVIN CHISTOPHER
32 38 TAKE MY BREATH AWAY / BERLIN
33 40 DANCING ON THE CEILING / LIONEL RICHIE
34 39 BABY LOVE / REGINA
35 33 HYPERACTIVE / ROBERT PALMER
36 24 CRUSH ON YOU / JETS
37 42 WORDS GET IN THE WAY / MIAMI SOUND MACHINE
38 22 DREAMS / VAN HALEN
39 23 ON MY OWN / PATTI LABELLE & MICHAEL MCDONALD
40 47 YANKEE ROSE / DAVID LEE ROTH
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GTR - When The Heart Rules The Mind(1986年の洋楽 Part28)

2022-07-21 21:45:02 | '86年洋楽
1986年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart28はGTRの”When The Heart Rules The Mind”。最高位は7月12日付と19日付の第14位。年間チャートは残念ながら圏外でした。

GTRですが、元ジェネシスのスティーヴ・ハケットと、元イエスでエイジアのスティーヴ・ハウ、この時点ですでにレジェンドギタリストと言ってもいいでしょう、二人のプログレッシブロック界の人気ギタリストが中心となって結成したロックバンド。フォリナーや、エイジア、パワーステーションなどの「スーパーグループ」の一つです。

その二人のギタリストに、若手のボーカリスト、ベーシスト、ドラマーが加わって、1985年に結成されました。
グループ名のGTRは、そのものずばり「GUITAR」。
曲を聞く前に、名前の由来を聞いただけでワクワクするグループですね。

”When The Heart Rules The Mind”の曲の作者は、そのスティーヴ・ハケットとスティーヴ・ハウの二人の共作。
プロデューサーは、なんとジェフ・ダウンズ。ジェフ・ダウンズは、もちろんご存じですね、バングルズからエイジアに加入したキーボードプレイヤーです。

”When The Heart Rules The Mind”ですが、さすがです、冒頭からカッコいいギターのイントロで始まります。が、全体的にはギターのテクニックをひけらかすような曲ではなく、メロディアスなロック、ボーカルのマックス・ベーコンの声も、澄んだ聞き心地の良いボーカルです。ジェフ・ダウンズのプロデュースということもあり、エイジアっぽいところもあるでしょうか。ただ、エイジアのようなキーボードはなく、ギターシンセサイザーを使っているようです。やっぱりギターにはこだわっていますね。
残念ながら最高位は14位。もっと大ヒットしてほしかった曲でした。

GTRですが、アルバムを出した後、ライブ・ツアーは行ったようですが、2年程度で活動を停止。残念ながらアルバムはこの一枚で解散してしまいます。シングルもTop40ヒットはこの曲のみ。アルバムからはもう1曲シングルが出ましたが、最高位は80位台でヒットには至りませんでした。
スティーヴ・ハケットとスティーヴ・ハウですが、その後も、ソロや様々なプロジェクトで演奏を続け、今でもツアーなどで活躍しているようです。
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ビルボード 全米 Top40 1986年7月19日付 ジェネシス Genesis - Invisible Touch

2022-07-17 22:39:40 | 1986年ビルボードTop40
1986年7月19日付ビルボード All American Top40、この週も1位の交代がありました、2位から上がって1位はGenesisの"Invisible Touch"。Genesisですが、グループとしては最高位23位の初のTop40ヒット"Follow You Follow Me"から、この曲で8曲目のTop40ヒットで、初のTop5ヒット、もちろん初のNo.1です。もちろん、メンバーのソロでは、Phil CollinsにMike + the Mechanics、Peter Gabriel と、特にこの80年代半ばから、大ヒットを連発しています。この時点でのNo.1ヒットはPhil Collinsが4曲持っています。

2位は6位からアップ、Peter Gabrielの"Sledgehammer"。Peter Gabrielですが、この週1位のGenesisの初代ボーカリスト。Genesisには結成から1975年まで在籍していました。Genesis、元Genesisのワン、ツー、フィニッシュです。Genesis時代にはシングルのTop40ヒットはありませんでしたが、ソロになってからは、82年に"Shock the Monkey"が最高位29位、この曲が2曲目のTop40ヒットで2位まで上がってきました。
3位は4位からアップ、Janet Jacksonの"Nasty"。Janet Jacksonですが、もちろんJacksonファミリーの末っ子。最高位4位を記録した"What Have You Done for Me Lately"に続き、2曲目のTop40ヒットで、2曲目のTop5ヒット、初めて3位まで上がってきました。
4位は7位からアップ、Kenny Logginsの"Danger Zone"。大ヒット映画『Top Gun』からのヒットです。Kenny Logginsですが、1984年のNo.1ヒットで、これも映画音楽の"Footloose"を含め、この曲で12曲目のTop40ヒットで、3曲目のTop5ヒットです。
5位は1週のみの1位からダウン、Simply Redの"Holding Back The Years"。Simply Redですが、85年にデビューアルバムを発表、そのアルバムからこの曲は3曲目のシングルですが、初めてのTop40ヒットで、もちろん初めてのNo.1です。

この週1位はGenesisの"Invisible Touch"。1位はこの1週のみでダウンしてしまい、年間チャートは54位。最終的にはTop40に12週、Hot100には17週と、短いヒットで、No.1ヒットにもかかわらず、年間チャートは50位以下になってしまいました。

Genesisですが、結成は60年代後半にまでさかのぼります。ロックファンの皆様ならご存知、イギリスのロックバンドです。結成当時のメンバーは、ピーター・ガブリエルを中心に、トニー・バンクス、マイク・ラザフォード、アンソニー・フィリップスなどで結成。

71年にリリースされた3作目から、中心メンバーのアンソニー・フィリップスが抜け、代わりに、スティーヴ・ハケット、さらにはフィル・コリンズが加入しました。この頃から、世界的なプログレッシブロックグループとしての人気を確立します。

78年の5作目の『...And Then There Were Three...』から、ピーター・ガブリエル、スティーヴ・ハケットが抜け、フィル・コリンズ、トニー・バンクス、マイク・ラザフォードの3人組となり、ポップス色も強めました。それで、そのアルバムからのシングル"Follow You Follow Me"が初めてのTop40ヒットとなり、23位を記録しました。

その後、バンドとしての活動と、各メンバーのソロ活動を並行しながら続けていきます。特に、このブログでも何度も登場していますが、フィル・コリンズの活躍は素晴らしく、その人気も影響しているのでしょう、Genesisのグループとしての人気も急上昇していき、彼らの12枚目のアルバム『Genesis』からのシングル"That's All"が初のTop10ヒットとなり、最高位6位を記録する大ヒットになります。こちらをご覧ください→→→

アルバム『Genesis』から、2年間のソロ活動の時期を経てリリーされたのが13枚目のアルバム『Invisible Touch』で、このアルバムからのファーストシングルがこの曲"Invisible Touch"。グループとして初のNo.1ヒットになります。

"Invisible Touch"の曲の作者はTony Banks、Phil Collins、Mike Rutherfordのバンドメンバー3人の共作、プロデュースもバンドの3人と、Hugh Padghamが務めています。Hugh Padghamは、Phil Collinsの大ヒット曲など、多数手がける人気プロデューサーですね。
この曲、PVを見てもわかりますが、3人のメンバーが、実に楽しそうに演奏し、歌っています。そこがこの曲の一番良いところでしょう。
この週、Genesisと、元Genesisで、ワン、ツー、を独占していますが、Genesisとそのメンバー、Peter Gabrielの大活躍が、まだまだ、90年代初めにかけて、しばらく続くことになります。


今週 先週 song / artist
1 2 INVISIBLE TOUCH / GENESIS
2 6 SLEDGEHAMMER / PETER GABRIEL
3 4 NASTY / JANET JACKSON
4 7 DANGER ZONE / KENNY LOGGINS
5 1 HOLDING BACK THE YEARS / SIMPLY RED
6 5 WHO'S JOHNNY("SHORT CIRCUIT" THEME) / EL DEBARGE
7 11 GLORY OF LOVE(THEME FROM "THE KARATE KID PART Ⅱ) / PETER CETERA
8 3 THERE'LL BE SAD SONGS(TO MAKE YOU CRY) / BILLY OCEAN
9 9 YOUR WILDEST DREAMS / MOODY BLUES
10 17 LOVE TOUCH(THEME FROM "LEGAL EAGLES") / ROD STEWART
11 18 MAD ABOUT YOU / BELINDA CARLISLE
12 24 PAPA DON'T PREACH / MADONNA
13 16 OPPORTUNITIES(LET'S MAKE LOTS OF MONEY) / PET SHOP BOYS
14 14 WHEN THE HEART RULES THE MIND / GTR
15 19 MODERN WOMAN(FROM "RUTHLESS PEOPLE") / BILLY JOEL
16 12 LIKE A ROCK / BOB SEGER & THE SILVER BULLET BAND
17 22 WE DON'T HAVE TO / JERMAINE STEWART
18 21 DIGGING YOUR SCENE / BLOW MONKEYS
19 8 NO ONE IS TO BLAME / HOWARD JONES
20 10 TUFF ENUFF / THE FABULOUS THUNDERBIRDS
21 26 SECRET SEPARATION / FIXX
22 23 DREAMS / VAN HALEN
23 13 ON MY OWN / PATTI LABELLE & MICHAEL MCDONALD
24 15 CRUSH ON YOU / JETS
25 30 YOU SHOULD BE MINE / JEFFREY OSBORNE
26 20 LIKE NO OTHER NIGHT / 38 SPECIAL
27 34 HIGHER LOVE / STEVE WINWOOD
28 33 RUMORS / TIMEX SOCIAL CLUB
29 35 TAKE IT EASY / ANDY TAYLOR
30 37 SUZANNE / JOURNEY
31 41 THE EDGE OF HEAVEN / WHAM!
32 39 SWEET FREEDOM / MICHAEL MCDONALD
33 36 HYPERACTIVE / ROBERT PALMER
34 43 VENUS / BANANARAMA
35 40 ALL THE LOVE IN THE WORLD / OUTFIELD
36 38 ONE STEP CLOSER TO YOU / GAVIN CHISTOPHER
37 25 MOUNTAINS / PRINCE & THE REVOLUTION
38 48 TAKE MY BREATH AWAY / BERLIN
39 47 BABY LOVE / REGINA
40 - DANCING ON THE CEILING / LIONEL RICHIE
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