土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

法雲禅寺、黄檗宗の禅刹でツツジのお寺です。

2017年04月18日 | 大阪の古寺巡り




(2017.04.16訪問)


迷車大和路号のアホナビはやっぱりアホでした。
目指す堺の寺々を表示しないのです。今日訪ねた法雲禅寺の修行僧にその話をすると「殆どの方はナビでおいでになりますよ」との
こと。日本有数、超有名メーカーのナビシステムを搭載している迷車大和路号、なんでや。
それに反して堺の警察の親切なこと、三人の方がよってたかってマップで説明、おかげで無事着きました。ありがとう黒山警察署の
みなさん。困ったことがあったら警察ですよ皆さん!




▼一目で黄檗寺院と分りますネ、この山門。
 桁行三間、梁間二間、切妻造段違、本瓦葺。貞享四年 (1687年) 建立。

       




[ 法雲禅寺 ]
●山号 大寳山 (だいほうざん)
●寺号 法雲禅寺 (ほううんぜんじ)
●宗派 黄檗宗 (おうばくしゅう)
●開山 慧極道明禅師 (えごくどうみょう)
●創建 寛文十二年 (1672年) 
●本尊 釈迦如来坐像 
▲大阪府堺市美原区今井192 Tel. 072-361-4419
▲拝観料 境内自由 ご朱印300円
▲時間 09:30~16:30
▲http://www.oubaku.org/houun/frame.htm
▲近鉄南大阪線「河内松原駅」下車、さつき野方面行きバスに乗り「今井バス停」下車、西へ徒歩5分。
 南海高野線「初芝駅」下車、美原区役所行きバスに乗り「今井南バス停」下車、目前。




            ▼禅刹専用。






法雲禅寺縁起 (法雲禅寺HPから抄出)
黄檗三傑の一人、慧極道明禅師によって寛文十二年に開山され黄檗宗の中本山格の寺であります。山門、天王殿、大殿、開山堂、耀
先殿など、黄檗様式の建物群としてのまとまりと、全てではないものの建築当初の伽藍構成を今に残しており、寺伝によれば、法雲
禅寺の前身は弘法大師の開基で神福山長安寺と称する真言宗の巨刹でありましたが、元和年間に西除川の氾濫によって流失しました。
その後変転をかさね、寛文十一年、曹洞宗の僧宗月が霊夢によって地中より観音像を掘り出して草庵に安置し、翌年、宗月は慧極禅
師に来住を乞い、寺を委ねたということです。





▼山門扁額。アクリカバーがしてあります。せっかくの書が帳消しになっていますよ。






▼山門から参道が。







▼もう一度山門を見て……、







▼短いですが参道を行きます。七福神の幟が目立ち過ぎ!







▼左に折れると手水舎。







▼正面に天王殿。桁行三間、梁間二間、一重入母屋造、桟瓦葺。 宝永元年 (1704年)建立。
 黄檗宗独特のお堂で、正面に布袋尊が安置。最初に布袋尊にお参りすることによって、その大きなお腹に人間の持っている煩悩や、
 欲望を取り払って戴きます。その後、他のお堂に参り、帰りにもう一度参ると、手に持った布袋から「徳」を与えて下さるという
 言い伝えがあり、ここに安置しています。(法雲禅寺HPから抄出)













▼天王殿扁額。







▼本尊布袋さん。尊名は「弥勒菩薩」となってます。布袋さんは弥勒さんの変化神と云われているそうです。七福神一号。
 このお寺、七福神のお寺として著名で、境内各所にお祀りしており後で出てきます。







▼福与かです。そう云えば本山萬福寺天王殿にも布袋さんがトップに出てきますネ。







▼大殿(大雄宝殿、本堂)。桁行五間、梁間四間、一重寄棟造、本瓦葺。貞享元年(1684年)建立。
 本尊釈迦如来坐像、左右に薬師如来と阿弥陀如来をお祀りしていますが、この二尊は確認出来ませんでした。







▼大殿の正面。







▼大殿扁額。







▼大殿須弥壇。中央が本尊釈迦如来坐像、左右に小さな菩薩像と中尊三体合わせて三千三百三十三仏が祀られています。近くで拝す
 ることが出来たらさぞや大迫力でしょう。広大無辺の三千世界を表現してるそうです。






            ▼本尊釈迦如来坐像。左右の小さい菩薩像分ります? ガードネットが無けりゃいいんですけど。






▼大殿。樹木に埋もれるように各お堂が配されています。






            ▼厄除け大観音。大殿の斜め横にお立ちです。
             像高10m。偉容ですがこの境内では場違いな感じが……。
             曹洞宗の僧、宗月が掘り出した秘仏「堀出観世音菩薩」の徳を讃え、人々の繁栄と災除を祈願し建立。
             ちなみに法雲禅寺は河内西国第六番霊場です。






▼樹木に埋もれた境内。







▼廻廊。







▼相当使い込まれていますネ。







▼ 耀先殿。檀越狭山藩主北条家の位牌を祀る位牌堂。







▼開山堂。桁行三間、梁間四間、一重入母屋造、本瓦葺、背面祠堂付。元禄十四年 (1701年)建立。
 開山慧極禅師の古希を祝って建てられ、禅師の像が安置。前の松の動き、何かに飛びかかってるように見えました。







▼開山堂扁額。







▼方丈。桁行五間、梁間四間、一重入母屋造、本瓦葺。元禄十五年 (1702年)建立。







▼方丈扁額。







▼あわてん坊。このお寺ツツジの名所で4月後半から五月の満開のときは日に1000人は訪れるそうで、「花咲けばツツジの海」とい
 われるほど豪華絢爛だそうですよ。







▼変化に富んだお庭でしょ。







▼鐘楼らしくない鐘楼。







▼鐘楼に扁額があるのも珍しい。







▼これ全部ツツジです。







▼放生池。かわいいお地蔵さんがお立ちです。







▼六角堂。納骨堂です。







▼六角堂扁額です。







▼須弥壇には三尊が祀られています。尊名の表記が無く不祥です。






            ▼この銀杏も秋になれば凄いことになりそう。






▼こんな一角もあります。






            ▼十三重石塔。






            七福神小径の七福神、石像の五体が並んでます。取り敢えず三尊を。

            ▼毘沙門天。






            ▼恵比寿さん。






            ▼福禄寿じいさん。



            あと寿老人と大国さんがおられます。そうそう、弁天さんも弁天堂におられるんですが、
            故あって写真カットです。




▼境内南東の端に鋭意建造中の裏門。竜宮造りのかわいい門です。







▼山号扁額は完成してます。







▼ご朱印です。






黄檗禅刹は、歴史は新しいものの所在やお寺の大小に関わらず堂塔伽藍、お庭の手入れや管理がものの見事になされ、総てが修行に
通ずるとはいえ鮮やかなものです。
我が家から僅か三十分ほどの地にこれだけのお寺が残る堺は、かつて豪商が闊歩し商人の力が発揮された地、寺社が残りそれに伴う
町域の発展は、旺盛な精神の繫がりがあってのこそ、大阪に住みながらボクの知らない堺の町とお寺をもう少し知ってみようかなと
今日の法雲禅寺訪問で思いました。





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