土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

家原寺、高僧行基さん誕生の地です。

2017年04月21日 | 大阪の古寺巡り





(2017.04.19訪問)


阿倍野からお使いの帰り、地下鉄に乗ろうとフト気付くとJR阪和線のホームに、フトフト気付くと津久野駅前で付近ガイドマップの
前に立っていたんです。そうなんです、いい天気に誘われて北へ帰らず、足は南を向いていたんですネ。堺市探求心がこの日、行基
さんのお寺家原寺を訪ねることにしたんです。行基さんの凄い経歴はどなたもがご存知でしょう。中でも行基さんが作ったと伝わる
智慧の文珠さんとして著名な日本初の文殊菩薩騎獅像、厚かましいお願いは止めてせめてお顔だけでもと家原寺を訪ねました。




▼南大門。家原寺で最も古い建造物。建立時期不詳。






[ 家原寺 ]
●山号 一乗山 (いちじょうざん)
●院号 清涼院 (せいりょういん)
●寺号 家原寺 (えばらじ)
●宗派 高野山真言宗 (こうやさんしんごんしゅう) 別格本山
●開山 行基 (ぎょうき)
●創建 慶雲元年 (704年) 
●本尊 文殊菩薩騎獅像 
▲大阪府堺市西区家原町1-8-20 Tel. 072-271-1505
▲拝観料 200円 ご朱印300円
▲時間 09:30~17:00
▲http://www.chiemonjyuebaraji.jp/
▲ JR阪和線「津久野駅」から徒歩10分




▼南大門金剛力士阿形像。 (家原寺HPから抄出)
この仁王像は明治期に近郊のお寺から移設されたもので、本来安置されていた仁王像は運慶、快慶の作で、廃仏毀釈ののち明治時代
にフランス人の美術商に売却され、現在は米国ワシントンのフーリエ博物館に収蔵されている。






家原寺縁起 (家原寺HPから抄出)
家原寺は行基菩薩が誕生した所で、行基三十七歳の時、もとの生家を掃き清めて仏閣となすと行基年譜に記される。行基建立寺院の
第一号であるが、いわゆる行基建立四十九院には含まれず特別扱いされている。叡尊が寛元三年(1245年)再興。家原寺は智恵の文殊
様を本尊とし、境内には池を配置、堂塔伽藍十数伽藍を形成している。境内地は二万坪に及ぶ。明治初年の廃仏毀釈で荒廃し、また
大戦後の農地解放で敷地や農地を失い現在にいたっている。昭和に入って本坊の復興や、山門の修理、本堂の解体修理、三重塔の再
建等復興に努力して現在にいたっている。




▼南大門金剛力士吽形像。







▼お寺の境内とはとても思えない環境、街中寺院の悲哀なのか、不動堂です。







▼大きな放生池です。奥の石橋が中央に架かり本堂へと通じています。













▼釣鐘堂。







▼地蔵堂。






            ▼ヘタな水のかけ方をしました。なにか悪さしたみたい、お地蔵さんごめん!






▼一枚岩の手水鉢。







▼開山堂。堂内には高僧お三方がお祀りしているはずなんですが……、
 扉には、右弘法大師、中央行基菩薩、左興正菩薩と書かれています。







▼シンプルな堂内、お二人しかおられませんネ。







▼さてこのお二人は何方と何方? 当然右は空海さんですよネ。左は?







▼開山堂の横に行基さん誕生塚が造成中でした。






            ▼小山の中央に古い基壇があり六角堂が建てられています。
             中に行基さんの絵像がかけられています。重みのない軽々しいお堂の感じがします。






            ▼ボケよけ観音菩薩坐像。お顔はインド婦人そのもの、ひょっとしてインド製?
             これがまた凄い細工の像ですが金銅ではなく鉄製像ではないでしょうか。






▼知恵の文殊さんが本尊の本堂。桁裄五間、入母屋造、本瓦葺、一間向拝付。慶安元年 (1468年) 再建。













▼本堂扁額。「行基菩薩誕生出地」と書かれているようです。ダブルネットでガード、まさか盗難予防じゃないでしょうネ。







▼本堂外陣の様子。なんでもアリの堂内。



















▼内陣に知恵の文殊さんが祀られています。






            ▼本尊文殊菩薩騎獅像。例により日本三文殊の一つと云われています。
             所違えばまた別の三文殊がいらっしゃる不思議!






            ▼脇仏が、さて何方でしょう。






▼家原寺名物ハンカチ祈願。時期的にこれは合格御礼のハンカチでした。
 合格祈願のあのスゴイ量のハンカチに比べて、お礼が少なくないですか、さては。







▼本堂。







▼本堂背面です。







▼経堂。







▼小高い丘に建つ中院。周辺は掘り返し鋭意整地中で迂回して、門からは入れません。






            ▼堂前の子安観音菩薩像。この像も先のボケよけ観音菩薩像と同じ印象です。






▼堂側面にズラリお地蔵さん。






            ▼三重塔。初層内陣には大日如来が祀られているそうです。平成元年 (1989年) 建立。   











            ▼三重塔相輪です。






▼中院の外塀に並んでいる石仏。意味有りげですネ、並べ方。







▼ご朱印です。






行基さん建立第一号のお寺がこの家原寺、千三百年以上の歴史を擁する古刹には、今のお寺を見る限り感じることは出来ません。街
中寺の運命なのか境界フェンスの外、道を隔ててすぐ、住民の生活圏が取り巻いています。周辺開発に取り残された一角にお寺が在
ると云う印象。それに加えて現在境内整備事業のまっただ中、今は境内の体をなしてません。堂塔伽藍の規模を見ればかっての大寺
院を偲べるので、境内整備事業の早期完成を期待して……、事務所に帰るとするか。





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