蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

私の演劇観~ざっくり~

2012年03月24日 16時21分44秒 | 日記
今月は、賛助会員リーフレットとDVD2本分の
ジャケット・ラベル画像製作で随分時間を費やしてしまった。
何とか年度末までにDVDを販売できる運びになり
やっと一息…という感じだが、のんびりしてはいられない。

オープンエアと本公演の構想を
4月中には練り上げねばならない。

方向性は決まっているので、あとは
下調べを重ねて閃きが訪れるのを待つだけ…

この一週間、私の演劇観のまとめをしようと
時間を見つけては、あれこれ調べていたんだけど
調べを進めるうちに、興味が別の方向に飛び始め…

  台本に早く着手したい!

という気持ちがあるからなんだよねぇ。

なので、つい、調査中に巡り合う内容が
次回の台本とリンクしそうだと
そちらに考えが飛んで行ってしまう。

そうはいっても、現時点での演劇観を
まとめようとしていたわけで
放置も出来ないから、ざっくりと整理しておこう。

◆座標空間:上演会場
◆座標軸
 X:役者のエネルギー(テンション)  正→高  ±0→ニュートラル  負→低(平静より落ち込んでいる状態)
 Y:役者の向かう方向  正→観客・共演者   ±0→共演者のみ  負→自分
 Z:観客の心の振れ幅  正→大  ±0→ニュートラル(日常の平静状態) 負→大(落ち込み)

上記の座標軸XYは、敢えて「役者」にしたけど
これは「演出」が「役者」を導くための座標軸である。

このX・Y・Z軸の高次な点で交わる舞台が
私の目指す舞台である。

演劇はライブである。
観客と、同じ空間、同じ時間を共有するからこそ
成立するのが演劇空間だと、私は思っている。

私の演劇観において、観客不在の劇を演劇とは呼べない。

観客不在劇とは、簡単に言うと

  自己満足
  自己陶酔
  欲求の垂れ流し

と思える芝居である。

表現には二通りある。

  ①他者への伝達優先の表現
  ②自分の欲求優先の表現

前回、ベクトルとスカラーのメモを記載したが

  ①→ベクトル(向きのある量)
  ②→スカラー(向きのない量)

だと、思ったんだよね。

②のほうが芸術的だといういう人もいるかもしれないが
私は、向きがないように見える作品でも
後世に残るような芸術は、他者や社会や国家
あるいは宇宙レベル(神)に対するベクトルを
持っているんじゃないかと思うし
それを外界に発信したい欲求があって
生まれた作品じゃないかと思う。

表現というジャンルには、上記二つがあるとして
演劇は、他者と同空間・同時間を共有する以上
①のエネルギーである必要があるんじゃないかと
観客への意識を持ち創作するものではないかと
私は思っていまる。

とはいえ、創作側が観客を意識しながらつくっても
観客にそう思って頂けないケースもある。
人間は好みで見方が左右するものだし
キャストの中に、観客や共演者への意識が
不足している人がいれば
観客に伝わらないシーンもあるだろう。
スタッフにしても同様のことが言える。

ただ少なくとも、創作側が観客を意識しながら
生み出した作品であれば、上記のような評価は少ないはず。

私は、正の感情(喜・楽)にしろ負の感情(怒・哀)にしろ
観客の感情を揺さぶる作品を創りたい。

Z軸の「落ち込み」というのは
例えば、テーマがドカン心に響いて
それが原因で落ち込むと言うようなことではなく
嫌な気分に襲われる状態をさす。
但し、好みを超越したところの…と補足しておきたい。

ホラー映画は、嫌いな人が観れば嫌な気分になるが
好きな人は、気分が高揚するものだから。

だから観客は、事前にチラシ等で情報を入手し
観たい芝居を観に行く、これは当然のこと。

観たいと思って来て下さった方に
出来るだけ嫌な思いをさせたくはないよね。

嫌な思いをさせたい人は、いないと思うけど
結果的になってしまうケースがある。

主催者や創作側が、チラシや公演情報に
作品内容がイメージできる情報を掲載せず
観客層を想定していなかった場合や
上記の座標軸において、観客への意識が
0点以下のシーンが多い場合などが、そのケース。

まあね。。。
私も、上記のようなことを考えながら創作しているが
まだまだ未熟なところがあり
行きつけていないところが多々あるので
ひたすら精進するのみ、です!

現時点での「私の演劇観」
ざっくりとした“まとめ”でした。