蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

一期一会

2015年03月29日 01時54分36秒 | 日記
昨夜は、朝から明かり合わせ。
照明Qを一つずつ確認していく地道な作業。
途中、一時間ほど稽古をしたけれど
ほぼ昼間は、照明作りで終わった。

お陰様で今回も美しい照明になったと思います。
こだわりの照明は、火のシーン。
2シーンあって、両方とも異なる燃え方を
照明デザインをしてくださるY氏に依頼。
このシーンは、両方とも重要なシーン。
そのうち1シーンは、高台上だけが燃えだすイメージのため
酒井さんにお願いして、高台に細工を施した。
その細工効果もバッチリ決まり
とてもインパクトのある照明を作ってくださった。

ありがとうございます!
長時間、お疲れ様でした。

夜は通し稽古。

昨年は、通し稽古のつもりが
いつの間にか照明直しになってしまい
結果的に通し稽古が出来なかった。
なので、今回は何があろうと一切止めずに
通そうと決めていた。

そして私もちゃんと通し稽古をする!

去年は、ゲネプロもきちんと出来ず
本番は度胸だけで乗り切ったのでした。

だから今年こそは…と。

バイオリンの牧さんとパーカッションの波田野さんは
しっかり自分のやるべきことを仕上げてきていて

 短期間にもかかわらず流石だなぁ…

と。

お陰様で、途中止めることなく通し稽古ができ

 これなら大丈夫…

と安心することが出来た。

衣装さんは、まつろわぬ民の衣装の補修で
ずっとチクチク縫製作業。
研修生の数人がお手伝いに来てくれている。
受付をお手伝いくださるSさんも
駆けつけてくださり、受付担当陣と打ち合わせ。
昨日からトウコさんが、小屋にはりついて
衣装・装置・ドロップ・受付など
色々な作業をコツコツと続けてくれている。
感謝!

終了後、ざっくり片付けて、文芸座の外で
役者陣にダメだし。
私は坊主頭のまま(笑)

最後の注入って、大事なんだよね。
一気に変わる可能性だって秘めているのだ。

キャスト陣は、相当疲れているだろうけど
真摯に耳を傾けてくれて感謝。

帰宅したのは11:00過ぎ。

それから、主役にダメだしとアドバイス。
お風呂に入ったら、既に午前3時を回っている。

3時間位、寝れそうだ…
オープンエアは30分しか仮眠できなかったもんね。
それよりはマシだ。

翌朝は、いよいよ本番日!
8:00集合、9:00からゲネプロ開始。

私は坊主頭を家で装着して小屋入り。
ゲネプロは、本番通り行うのが基本である。
メイクもしっかりして、いざ開始。

なんか…これまでで一番良いのではないかい?

あまりに良い出来で、少々不安になって来た。

今回の舞台も体力を非常に消耗する運動量。

昼夜2回の公演、このクオリティを落とさずに
役者陣が演じきれるのか…

午前中から研修生とボランティアスタッフさんが
受付準備を行ってくれている。

今回は開場前から並んでいるお客様に
整理券を配布し、そのまま地下のスペースへ
ご案内して舞台DVDをご覧いただくことに。

色々と工夫してくれていて有難い。

昨年は近隣のセントラルスクエア駐車場が使えたが
今年はご開帳イベントの関係で
使用出来ないことが判明したのが
ナント、本番一週間前(汗)

お客様にご迷惑をおかけしてはなりません。
ガンちゃんが、駐車場前にて
夢幻の昇り旗を持ちサンドイッチマン姿で
セントラルスクエァ前に立って
お客様を近隣の空き駐車場へ誘導。

康平君が、自転車で有料駐車場の空き状況を
確認して回ってくれたそうだ。

申し訳ない。
事前調査不足でした。
本当にありがとう。

お昼をはさんで、13:15、舞台前に集合し
みんなで公演前の気合いを入れる。

今回は、殆ど不安はなかった。

心配なのはキャスト陣の体力だが
何とか乗り切ってくれるだろう…と。

昼の部が始まり、大きなミスもなく進んでいく。
舞台ソデから見る照明は実に美しかった。
エンディング曲が終わると万雷の拍手。
こんな大きな拍手は、初めての経験だった。

温かいお客様の拍手につつまれ、カーテンコール。

その後、ロビーへ出てお客様のお見送り。

演技&歌&身体表現&生演奏
舞台装置&照明&音響

どれも好評♪
ご感想の中に「総合芸術」という
ワードがあり、嬉しかった。

これまで演劇は総合芸術である…と言い
それを目指して来たけれど
ご覧いただいた直後のお客様のご感想で
総合芸術というワードをいただいたのは
初めてかもしれない。

信大プロ・ゼミ仲間数人と教授も
満足してくれた様子だった。

何人も見知らぬ方からも声をかけられ

 良かったわよ~

と。

有難いことですね。

長男がTさんと一緒に東京から駆けつけてくれた。
終演後の集合写真撮影の後、感想を詳しく聞いた。

あんまり長く喋り過ぎて、休憩時間が…

慌てて夕飯を食べ、すぐに本番準備。

みんなの声と体が気になるが…
3か月間の集大成、きっとやりきってくれる…

19:05、5分押しで夜の部の幕が上がった。

オープニング…声が出ていない…かすれてる…
高音が出なくなってしまったのか…
歌は大丈夫だろうか…

私はソデで見守るしかない。

疲れからか、揃うべきところで
ミスするメンバーも…

いよいよオープニングの歌が始まった。
体は動いている、声も何とか大丈夫か…

最後まで集中力を持続し頑張って…
祈りながらソデでひたすら見守る。

間延びしてるなぁ…

と時々思いつつも、大きなミスがなく
幕が下りるように、祈り続ける。

若干のアクシデントとミスもあったが
温かいお客様に見守っていただき、無事終演。

夜の部もたくさんの笑顔と出会えました。
楽しんでいただけたご様子で、ホッ。

 良かった…

と思う反面、私としてはいくつかの
アクシデントが脳裏にこびりついていて
心が晴れなかった。

完成度が高ければ、もっと楽しんでいただけたのに…

…お客様とは一期一会
…同じ時間、同じ空間を共にした人間だけが共有できるライブ

言い訳しても始まらない…
どんなに良い舞台を創ろうと
キャストもスタッフも人間で
体力と集中力には限界がある…
環境を整えなければ同じことの繰り返し…

勿論、限界値を上げて行くことも大切だが。

今は、悔しさと罪悪感にも似た
この気持ちをしっかりと覚えておこう…

と自分に釘を打つ。

ご来場をいただきました皆様
誠にありがとうございました!

お見送りを終えて、ホール内に入ると
スタッフとボランティアスタッフさんが
既にバラシに入っていてくれた。

一度手を止めてもらって、締めの挨拶。

そして本格的なバラシ作業に突入。

午前0時過ぎ―

舞台上に何もなくなった―

終わった―

祭りの後の静けさ―

キャスト、奏者のお二人
スタッフ、ボランティアスタッフの皆さん
そして研修生の皆さん、お疲れさまでした!

皆さんのお力添えのおかげで
本当に良い舞台になったと思います。

僅か一日で終わらすには
あまりにも勿体ない舞台だった。

と、毎回言ってるように思うが…

ロングランで上演できるようになるには
集客だけの問題ではなく、キャストや
スタッフのスケジュールの問題もある。

夢のまた夢か…

夢を夢のまま終わらせず実現するには―

思考がずっと動き続けていた―