イコンのもとに


在宅介護16年が終了後、やっと自分のために生きられる。イコンも描いてます。ブログは書いたり書かなかったり、気分で。

大雨

2015年04月08日 | 岡山
外は大雨で、
今年の桜も終わってしまいました。

この間の日曜日に、後楽園の外苑を車で通ったときの写真。
動く車中からの撮影なのでブレブレです。

昨晩、気象予報士がたくさん出ていて
今年は雨や台風の多い夏になるのだそうです。
防災意識を忘れないようにしようと思いました。






















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不変の金

2015年04月06日 | イコン
病院のつきそいで、病室内で描いていますと
臨機応変に描けるものが必要で、
同時進行で何枚か描くようにしました。

昨日は、これ、金箔を病室内で貼りました。





金箔は一度貼りつくと、丈夫なもので、
さらに金属用のスプレーをしっかりかけておきますと
持ち歩いていても剥がれたりはしません。
私のは二重貼りです。
イコンを持ち歩くときには、
大判のハンカチや、古いスカーフや風呂敷で包んで
画面上で結ぶと絵の部分が守られて
さらにプチプチの緩衝材で簡単な袋を作り
それに包んだイコンを入れて持ち歩いています。





このウラジーミルの聖母は、
マリアとイエスの顔部分が、もとのオリジナルで
あとの身体や手は後の加筆だそうです。
聖像破壊運動がありましたから、
顔部分だけでも残っていたのは幸いだったと
加筆した画家も思っていたに違いないと考えます。

聖ルカの顔や手ですが、
このベースの色まで描けば、
あとはハッチングをするだけです。
イコンは下にくるベースの色さえしっかりできていれば
ほとんど完成に近いのです。
つまり、色の組み立てが日本画と似ていて
原始的な描画方法ですから、難しい手法はありません。
そうでなければ、
脈々とイコンが受け継がれてはこなかったと思っています。
一度覚えてしまえば、
単純な作業、単純な描画方法、
そうでなければ、
千年近くも描き方が受け継がれてはこないと思います。

ほとんど素人がイコンを描く場合には
黄金背景が必須条件ですから
洋金箔でなく、純金箔を必ず貼る。
洋金箔より純金箔が価格が高くても
純金箔の方が絵が立派に見えますから
自分の絵のまずさを純金箔がカバーしてくれます。
その場合、鏡面にこだわらない。
鏡面にこだわり過ぎて、
描くのが嫌になる方がこまりますから
鏡面はプロのイコン画家がこだわればよく、
素人は金箔がまずなんとか貼れた状態でいいのではないかと思っています。
多少、シワになろうが、破れようが、
全くこだわらないことにしています。
金箔貼りは時間が問題で、勢いをつけてさっさと貼ります。
風さえなければ、私はどこでも貼れます。
病室は乾燥していますから
非常に作業しやすい環境でした。

純金箔は変色しない。
不変の世界を表すのが金箔ですから
だからイコンや仏画は黄金背景なのです。
それを、白石孝子さんのイコン教室では
すぐに変色する洋金箔、
しかも洋金箔シールを使ったので
私は非常に違和感を持ちました。
すぐに、洋金箔シールを使うのは辞めて
自分で純金箔を貼りました。

イコン教室というのは、
まず金箔貼りの指導からするものだと思っていましたが
全く違う指導で、浅い指導方法だなと思ったわけです。
仏画の指導は金箔押し、金箔貼りは必ずありますから。
オリエント美術館のイコン教室で
洋金箔シールを使うなんて、
子供だましのような指導だと思いました。
黄金背景を知っているはずの
プロのイコン画家が純金箔押しの指導をしなかったわけですから
さらに、教室内で洋金箔シールの独占販売を自慢していましたから、
それだけでも、信用はなくなります。

少しの純金箔など、たいした金額ではありません。
みんなで分ければ、純金箔は1枚300円ほどで
小さなイコンの光背のみなら、ひとつのイコンは貼れます。
純金箔は虫やカビを防ぐ効果もあると私は思います。
洋金箔は純金箔の代わりにはなりません。
洋金箔は変わるものですから
不変のイコンに使うなんて考えられません。
洋金箔を使うイコン画家は、ケチだとしか思えませんね。
仏画家で洋金箔を使っている画家に
まだ出会ったことはありません。
シワになっても、破れても
純金箔は黄金背景です。
黄金背景は純金箔に決まっています。

今回、
イコンって、ささっと描いた方がいいなと思いました。
自分の感情を深く込めて描かない方が
絵の技術としては成功します。
感情を込めるのは、そのイコンを所有する人物であって
描き手が感情を入れ込まない方がいいのです。

ですから
「イコンを生活の糧に金に変えてはならない」と言われているのは
聖像画を売るようなことはしたらいけない、
イコン=金銭ではない、と言う意味と
生活のあらゆる俗物的な欲とイコンは同じではない、
人間の欲とイコンは同じ場所には全くない、
つまり「イコンは天国の窓である」と言われていることと同じ、
と言う意味があるのではないかとわかりました。

描いてみないと理解できないことがありますね。
私はイコン画家でもなく、
仏画も好きですし、
自分の絵も描きますから
非常に不良のクリスチャンですが、
絵描きの眼差しから見た信仰のあり方は理解できると思います。

仏画ももう一度、勉強のしなおしをせねばなりません。
祖母の言っていた「絵描きは絵だけ描いていればよい」は
祖母の大師匠の鏑木清方の考えでもありますから、
私もそれに従おうと思います。

「絵描きは絵だけ描いていればよい」には続きがありまして、
それは、
「絵描きは絵だけ描いていればよい。
政治、宗教に口出しするな」なのです。
政治は政治家に
宗教は宗教家にまかせればよく、
絵描きは絵を描くだけをしなさい、ということです。

イコン画家は千年前からしてきたことをすればいいだけです。
独占販売を自慢した洋金箔シールを生徒に買わせて使わせるなんて、
自分勝手な判断をするイコン画家だと思いました。
今でも、あの画家の指導ほど 低レベルなものはないと思っています。

できましたら、
イコンや仏画を描くときには
純金箔を使ってくださいね。
箔貼りは覚えてしまうと案外簡単なものです。
自分の貼り方を身につけるといいのです。
金の持つパワーで聖像も仏像も
うまく描けるように私は思います。
画家は画材に助けてもらえばいいのです。
画材があるから、
絵を描くのを後押ししてくれます。
画材は画家の生命です。


















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偶像化するときの画家の構え

2015年04月03日 | イコン
わたくし、

プーさん実写化にショックを受けております、、、。

まだ、シンデレラは許された、、、。

プーさんの原作者の気持ちは、どうなるのでしょうか?

(。-_-。)

もとの意味を破壊するような気持ちがして、怖いのですが。

と、言いましても
私が今描いているイコンも
それぞれの聖人たちの
イメージを私が破壊しているのかもしれません。

昔は、神やキリストを絵で表すことさえ
畏れ多かったわけですから。
ですから、やはり、
宗教を絵に描く画家は
金儲けに宗教画を利用したり、
自分の名誉を欲したりしては
決してならないのだと思います。
ムスリムの方々の崇拝されている方を
けなすような絵など、
とんでもないと私は思っています。

人間が歌うことも、絵を描くことも、
古代は神様や自然に捧げたわけですから
その気持ちを芸術家は忘れたら
ダメになるんだと私は思っています。

セントルクス、聖ルカに金箔を貼りました。

ルカも男前ですね!
聖人は理想の男性像、女性像を描いたのですね。
もちろん、いちばんの男前はキリストです。





黄金背景にする場合、
光背のみ金箔にして、
まわりは額縁用のラウニーのゴールドフィンガーを塗る予定です。
レオナルド・キイのテンペラの本に書いてあったのを見て思いつきました。
また、塗ったら写真を載せます。

私のは聖なるイコンではなく
ただの絵ですが、
描かれている人物は聖なるルカ、
医者であり、画家であり、
初めてマリアとイエスを描いたセントルクスです。
きっと仏画もそうです。
その気持ちの持ち方が理解できて
描いていないといけないんだと思います。
自分の絵ではあるが、
自分の絵ではないことの理解。

写真は載せませんが
イコン画家にもらった私の洗礼時のイコンの光背が変色しました。
例のイコン画家が独占販売した洋金箔シールだったからです。
これでは、いくら聖人がよくてもだいなしだと思いました。
日本画家が仏画を描いたら、洋金箔なんか使いません。
まして、人様に贈るものに洋金箔だなんて。
洋金箔はすぐに変色します。
シールでも同じです。
ですから、箔屋がイコン画家に安く売ったのです。
洋金箔の変色したイコンは安物に見えます。

使うなら純金箔に限ります。
高いけど、高くはない、というのは
こういうことです。

金箔はツルツルでなくても構わないと私は思っています。
光背は主役ではないからです。
主役は聖人だからです。
でも、やはり光背は純金箔に限ります。






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聖路加

2015年04月02日 | イコン
家族の入院中に
どうしても描いておきたいイコンがあります。

聖使徒福音書記者ルカ。
医者であり、画家です。



右の私の骨描きは、今の父に似ています。



お手本は、エフラム・ヨンの本から切り取りました。
4人の福音書記者が全てアップで掲載されています。

このルカは
体格も大きく、バイタリティのある人だったそうです。
このお手本のイコンのルカも
首が太く、パワーのありそうな男性です。
今の病院のお医者様たちを見ていると
体力がないと、
とても務まらない仕事だと思います。
ルカは画家でもありましたから、
後のレオナルド・ダ・ヴィンチも、
きっとルカを尊敬していたのではないかと思います。

私の母が、聖路加看護学校の出身ですから、
ルカはどんな人なのか?
小学校のときに図書館で調べたことがありました。
「ルカは、医者でもあり、画家でもあった」と書いてあって
画家だったんだ!とうれしくなったのを覚えています。

画家として、マリアとキリストを描いているルカのイコンもありますが、
こちらのルカは福音書記者としてのルカで、
また、医者のルカだと私は思っています。

画家も医者も、
人間の観察、物事の見極めが重要です。
病院内でルカを描くことの意味もあるかと思えます。

このルカを持って帰り、
金箔を貼ってきたいと思います。


病院でアクリル画を描いていますから、
筆洗の水はトイレに流し、
パレットも筆も洗わずに
ビニール袋に入れて持って帰っています。

画家って、
筆、絵具、支持体さえあれば
どこでも描けるから便利です。


森麻季さんの朧月夜を聞きながら
イコンを描いています。









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聖家族続き

2015年04月02日 | イコン
昨日はここまで



今朝、4時起きで
台所で朝ご飯の味噌汁を作る横で
金箔を貼りました。

金箔は、金箔を置く、とか、
金箔を押す、というのだそうですが、
私のは台所の隅で煮炊きをしながらの
すごく適当なやり方ですから
金箔を貼る、でいいのです。





ちょこっと下地、塗ってみました。





こちらは、イコン用のアクリル絵具。
他に、ホルベインやクサカベやゼッキの顔料も大量にあります。



こんなイコンは、
金がかかるのは金箔だけで、
絵を描いている者なら
筆やら絵具はあるわけで
あとはたいした材料代はかからないんだから
本当に必要な方に渡るべきだと考えています。

オリジナルデザインなどほとんどなくて、
大昔から脈々と伝承された絵であるので、
素直に描いて、
必要な方とご縁のある方が
描いている私もいいのだと思います。

こんなものも出てきました。



2年間、スノーボードの横にほったらかしておいた。

白石孝子さんに
「年寄りなんか見ていないでイコンを描きなさい」と言われて
つくづく嫌になって、
イコン教室を辞めて
2年前の8月からほったらかしでした。

出してみたら、
みな、非常に暗い顔をしていたから、
当時の私の落胆ぶりがわかります。

今、病室でイコンを描いていて、
年寄りを見ながらイコンを描いていて
本当によかったと思いました。

この2年間でいろいろなことが理解できましたし、
また日本画を始めたら、
日本画絵具の扱いに慣れてきたら
なんと、アクリルとか顔料とは
扱いの簡単なものかと思いました。
粒子の大きさの問題は全くありませんから
こんなに扱いやすいものか!と驚いたのです。
日本画を経験していると、
他の水溶性の画材の扱いは楽なものだと思いました。

どんどん描いていこう!


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花時計