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ぎりぎり槍ヶ岳

台風接近の報に接したのが15日9時頃、槍ヶ岳山荘を発して2時間が過ぎていた
折しも雨脚が強くなり、アタマはぐるぐるパニック寸前・・・


1ヶ月前、飛騨山脈からの眺めに
「いつかは槍ヶ岳 」の思いを強くしたものだけど
どこを間違ったか「今度は槍ヶ岳」になってしまっていた

9月13日(金)、好天には恵まれそうもないけど
とにかく行ってみよう

9月14日(土)、5時間くらいは眠れた
4時30分、新穂高無料駐車場を出発
あたりはまだ真っ暗
右俣林道をひたすらすすむ 


6時5分、林道終点の白出沢
渡渉すると登山道がはじまる 


7時51分、槍平小屋
冷たーい水を無料でいただける
ここまでの道中は勾配も緩くハイキング気分
ここからは苦手な標高2,000mオーバー
勾配もどんどんきつくなっていく


標高2,250m付近
最後の水場
やや濁ってるような気がしたので飲まなかった


千丈乗越への分岐
特大の救急箱が設置してある


いい天気である
しかしもうしんどさはピークに達している
このときは気がつかなかったが
左の尖りはどうも槍ではないか


振り返れば、お盆に歩いた稜線がみえる


槍がはっきり見えてきた


やっほー


12時、槍ヶ岳山荘
チェックインして
水とカメラと一口羊羹と貴重品だけ・・もって外へでる
もう少し休んでからと思っていたのに
吸い寄せられるように槍にとりつく


取り付く場所をまちがったけど
12時45分、約15分で頂上
ガスで西側は見えなくなってしまった
不慣れな自分には
東側に見える山々が何の山なのかさっぱりわからない
一口羊羹のほかに地図も持ってくるべきだったのぉ


ガスがかかったり晴れたり
日が射したり陰ったり
めまぐるしく表情が変わる


今夜から雨みたいだけど


下に見えるのは殺生ヒュッテ
写真中央付近が、ヒュッテ大槍

缶ビールを飲みながらぼんやり槍を眺めていたら寒くなってしまった、うう

しかし暇、昼寝して
17時、夕食
そして暇
20時30分、消灯
かなり大勢が泊ってるようなのだけど
さすがは収容人員650名の山荘だ
8人寝の寝台に2人だけ
大いに眠れた



9月15日(土)
4時、ほぼ一斉にガサゴソしだす
朝食は5時から
自分は5時40分の第2回目にありつく

玄関は色とりどりのカッパで溢れている

現在のところ雨は止んでいる
きのうの考えは
雨が降っていたら、来た路を戻る
雨が降っていなければ、南岳まで縦走して南岳新道から下りる
よし、南岳まで行こう


上高地のほうへ下りる人たち


ときどき強い風が吹く
こんなのに槍の頂上に向かってる人もちらほら


6時45分
さぁて、行きますか


風の中での撤収は大変そう


雲が槍のかたちに


ここにもはしごが


360度、なーんも見えません
断続的に雨が降ります


遠目にギョッとしましたが
落ちてもケガですみそうです


8時26分、天狗原への分岐


さっきの荷物の主たちですね
南岳まで行ってきたのでしょう


 

8時45分、展望が素晴らしいと聞いていた南岳に到着
なーんも見えません
雨の降りも強くなってきました

すれ違う人から「どこまでいきますか?」と聞かれ
「南岳新道で槍平、新穂高」と応えると
雨で谷川が増水して橋が流されるかもしれない
そうなると槍平に足止めをくらうことになる
南岳小屋で聞いた話なので、確認とってみてください
礼をいって別れたけれど
・・・・・
心中穏やかではないですわな
 

その南岳小屋に到着
バイトの女の子に聞いても要領を得ない
奥から出てきたおにいさんに話を聞いてみる

台風がこちらに向かってきている
右俣谷へ流れ込んでる沢はあっという間に溢れ出す
渡渉個所に渡してある木製の橋はすぐに流される
それに関わる死亡事故も夏に起きている
もし橋が流されたら
槍平小屋に2泊は足止めされることになる

もうネガティブ情報満載である
お先真っ暗
濁流に行く手を阻まれ風雨の中に立ち尽くす自分の姿がみてとれる
いかん、恐怖のスパイラルに落ち込みそうだ

ミネラルウォーターを買いもとめ
小屋の外に出るとそこは
ひとっこひとりいない標高3,000m地点だ
ううっ、急に寒さを覚える

落ち着け落ち着け落ち着け
歩きながら考える
今朝チェックした予報では
長野県大町の雨量は時間1ミリか2ミリ
安曇野でもそんなもん
しかしここは3,000m
下界の常識は通用しないのかも
山小屋に2泊するカネ残ってたかな
要交渉やね
ダメっていわれたら
ツェルトでビバークやね
台風やで
食い物あとどんだけ
パン類が4個
あめちゃん少し
じぇじぇじぇ


谷川の流れが白く見える
橋が流されるほどなら茶色になってるはず
大丈夫だ。
いまのところ


南岳新道もはしごの箇所があったりなかなか
下りるほどに足下が滑りやすくなってくる


おっきい救急箱がこっちにもあった


11時7分、槍平小屋で水を補給
歩き出すと狐の嫁入り
このあとすっかり雨は止んだ


全然増水してません


流されていません


こんなんだから簡単に持っていかれるわけだ
暑いからカッパを脱ぐ


この橋を渡れば右俣林道
南岳小屋のあんちゃん
大袈裟なこといいおって~
しかし、そーゆーリスクのあるルートだということは
肝に銘じておきますよ

それにしても林道に出てからが長い
きのうの早朝、颯爽とここを歩いていた自分と
今の自分は別人である

14時53分、駐車場に到着
ひがくの湯で汗を流して
クルマでもう1泊するつもりだったけど
道路が寸断されたらかなわんから
しぶしぶ帰ることに


1泊以上する場合はラジオを持って登らないといけないな
槍ヶ岳山荘にも気象情報と注意事項が張り出されていたそうだ
見てないし・・・


気象とルートに対する情報収集はしっかりやらなあかんです
とりあえずいっちゃおう・・・では
 

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無事です

こちらは台風の被害もなく峠を越えたようです。
ご心配いただきまして、ありがとうございます。 
みなさんのところは大丈夫ですか? 

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