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焼岳に行くはずが

2月27日(金)午後から雪
あしたは晴れだ
焼岳に登ってみよう
冬の積雪期の2,000m級は登ったことがないのだ

ばたばた準備して、「登山のコンパス」から登山届けを出して
18時には家を出ていた

断続的な雪
1シーズン目のICE NAVI ZEAⅡはまったく信用ならんので
高速道路は走らない
白い道を延々とドライブするのなんて何年ぶりだろう
21時半、高山のすき家で牛丼(並み)+とん汁おしんこセット
行程最後のセブンイレブンでパンなどを購入

23時、中尾温泉に到着
登山者駐車場とそこまでの道は除雪されているものの
駐車場前で一旦停止したらもうだめ
タイヤがグリップ取り戻すところまで
ずーーーっとバックで戻って
勢いつけて駐車場に飛び込んだ
やっぱFFではきついわ
後から来るクルマのスペースを考えながら
脱出できる場所を確保
エンジンを切って寝る
外気温はマイナス8℃



2月28日(土)晴れ
4時、起床
車内は意外に暖かく、0.8℃
よく眠れた
すぐにエンジンをかけて
お湯を沸かしたり
サンドイッチを食ったり
コンタクトレンズを目ん玉に入れたり
着替えたり
靴を履いたり
しかしなんで俺はこーゆーことに時間がかかるんだろう

外に出る
到着してからは雪が降らなかったようだ
数センチの新雪の下はカチカチ
これってアイゼンだけで行けるんでは?
その場でアイゼンを履いて
念のためにとワカンとストックをザックにくっつける

5時24分、出発



5時49分、登山口
登山口見つけるのにちょっとだけ迷った
そういえばなぜか攻略法をまったく考えてこなかった
行けばなんとかなるだろうなんて・・・
土曜の早朝、トレースなどない
地図も持ってきてない

山に入るときのう降り積もった雪がそれなりにある
すぐに硬くなるだろうとアイゼンで押し通した

6時55分、白水の滝展望台
滝は凍っている
なにも疑問に思わずにひたすら尾根を登った
次々にあらわれる雪の下の空洞に悩まされる

がぼった足を引き上げるときに
アイゼンでパンツに穴を開けた
ワカンに替えようかなと思うけど
締まったところもあるし
がぼっても膝まではないし

秀綱神社で一息入れようと思ったがもう限界
10時31分、1,930mで休憩
パンにはさまれた飛騨牛乳クリームが固形化してる
おにぎりはやめておいて正解だった
おしっこをしてまもなく
男女3人ずつのパーティーが追いついてきた
「トレースありがとうございますっ」とのあいさつ
いやーこれで助かったーっと内心よろこぶ
リーダー格の人がいうには
尾根をまっすぐ登ってるので
夏道を大きく外れて中尾峠よりかなり北の方へ出てしまいます
・・・・・・・
すんませーん!

5人がワカン、1人がスノーシュー
その6人を見送って
10時48分、出発

新雪はより深くなり傾斜もきびしさを増してくる
6人に追いついたとき
最後尾の人が落とした凍った雪の塊がデコを直撃
痛っ
帽子をかぶってなかったのがいけなかった
距離をもっと開けなければ

ますます傾斜がきつくなる

せっかく6人がつけてくれたトレースも
アイゼンでは崩れるばかり
転んだ拍子にあーーーっ
右のスパッツを大きく切り裂いた
年末に爪を研いだのが効いていた
実にいい切れ味だ

12時5分、荷物を下ろせるところでスパッツの応急処置
ワカンに履き替え
ストックをピッケルに持ち替える
ダクトテープを貼り付けてみたものの
濡れている(もう氷点下ではなくなったようだ)
のでとてももちそうにない
iPhoneの電源を入れてみる
低温のためだろうか起動できない
懐で暖めて再度電源オン
今度は大丈夫
DIY GPSで現在地を確認
稜線まであと120〜130m
なら頑張って登ろう

ワカンで登坂力大幅アップ
なんでもっと早く
もっともっと早く替えなかったのかな
遊山行O田さんの「まいどあり〜」な笑顔が目に浮かぶ 
スパッツは継当てて使うでー

13時27分、2,220mの稜線にでた



先行してくれた6人は宴たけなわ



わしはひとりで昼飯
女人の声がいいおかずになります・・



女人が生クリームみたーいと声をあげていた不思議な雪庇
巨大なマシュマロにも見える



好天無風、いや素晴らしい



登るつもりだった焼岳はずーっとあっち





西穂、奥穂、前穂、明神、あっちの世界は夢のまた夢



ひとりでは途中であきらめていただろう
今にして思えば
焼岳を正しく目指していても頂上まで届くはずもなく
2,000m越えの稜線に立てたのは怪我の功名といえるだろう

14時58分、もういいだろう
ヘルメットかぶって
笠ヶ岳を見ながら下山開始

2,105m付近でMSRのスノーシューを見つける
なんでこんなとこにデポしてるの?
しばし考えたが降りることにする
13m降りたところで閃いた!?
落としていったんだ

なんか今日はおかしい
なんでこんなあたりまえのことをすぐに思いつかないのか
彼らに追いつけないかもしれないけど
駐車場でしばらく待ってくれてる可能性もあるかも
戻ってスノーシューをザックのサイドに取り付ける
どっこいしょ、あ 重いわ
これも目標違いに導いた罪滅ぼしよ・・

ありがたいことにわずか10分ほどで
スノーシュー捜索隊に出会えた

その後休憩中の6人に追いつき
あらためてきょうの礼を述べた
みなさんのおかげでいい日になりました

7人の足跡を辿っての下山はなんとも安心

17時10分、駐車場に到着

愛知三重連合軍はワンボックスカー1台で来ていた

駐車場を出るとき彼らの姿が見えた
クラクションをプププっと軽く鳴らしてご挨拶

ひとっ風呂浴びようと「ひがくの湯」に立ち寄るも
なんと冬季休業中・・・
そーかーもうスキー場もないしね
誰もこないわな
橋の下の露天風呂もやってなさそう
きょうは疲れたよ



反省することしきり
ひとりってのは思い込みが怖いなー
それにしてもリボン1本見かけなかったし
中尾峠に至るルートは谷を2本トラバースしなくてはならず
こっちからの焼岳はかなり難しいように思う
そんなこと行く前に考えろ〜







 


 

 







 







 





 

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