ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

高丘

2017-07-20 04:19:54 | 短歌





草を負へ 草を集めよ をのこらよ 高丘目指し いざ群集へ






*これは読めばわかる人もいるでしょう。前に別館のつぶやきでも紹介されていましたが、アルタイルの歌です。彼はこういう感じの人だ。技巧に凝るということが愚かに思えるほど、単純でまっすぐに詠む。それがとてもいい。

歌というものは、ほかのことでもそうですが、自分らしいということが、一番いいものですよ。この作品には、すっぽ抜けてしまうほど明るい、アルタイルの心がよく表れている。

わたしたちが愛してやまない、あの好漢の心が見える。

あの人はこういう風に、芯から明るい素直な心で、男たちを導いてやろうとしているのです。男の誠というものを、信じ切っている。そしてその男というものを、美しくしていくために、全霊をかけて行動して、後悔したこともない。馬鹿にされてもされても、何度でもやってくれる。

情熱というよりは、そうすることしかできない存在の、愛そのものというべきでしょう。


したたり止まぬ日のひかり
うつうつまはる水ぐるま


これは室生犀星の「寂しき春」ですが、彼の心はまさにこんな感じなのだ。人間の心が寂しく感じるほど、単純で愛らしい愛なのです。

もっといやらしいことでもやってほしいのに、そんなことなど絶対にやってくれない。ただ愛してくれる。ほかには何もない。それだけでも満ち足りることはできるが、人間というものは、そういう愛の前に、時々寂しさも感じるのです。彼は美しすぎて、人間の陰には触れてはくれないからだ。

まだたくさんの陰をひきずっている人間には、そういう影をきつくいじってくれる、アンタレスのような愛が心地いい。そういう感じもあるでしょう。

だが、アルタイルほど、まっすぐに人間を愛してくれる男はいない。真芯から、人間を信じてくれる天使もいません。一番痛い時には、この人が必ず最も大事なことをしてくれるのです。

やらねばならないことをやらねば、痛いことになりすぎるというときに、真っ向から来てくれる。

愛とは。

あらゆる羽があるものだ。

あなたがたは、あまりに豊かな世界に生きているのですよ。







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