玉を欠く かひをあつめて ゆふぐれの 後宮を編む 夢のあとさき
*これはかなり最近の作ですね。きれいだが、中に魂はない美女の正体を、彼があなたがたに見せたときの歌です。
どうですか。ショックだったでしょう。知らなかったときにはとてもきれいに見えていた。それは、ああしたアンドロイドのような人間は、複数の人間の霊で管理するので、普通よりきれいにできるからです。
そういうのを彼は傀儡(くぐつ)と言いましたが、探して見ればたくさんいたでしょう。ほとんどは、標準以上の美女だ。モデル並みの美貌の女性もたくさんいたでしょう。
馬鹿な人間には、ああいうのがとてもよいように見えるのです。魂を感じないからです。
霊魂のある本当の美女は、好きになっても拒否されるような気がするのです。いろんな勉強をして、高くなっていますから、甘い男では太刀打ちできない。馬鹿な男はそれがいやなのですよ。だから、霊魂を感じる美人は徹底的に否定する。どんなにきれいな女性でも、いやなことをして全否定しようとする。
思い通りにできないからです。
美人は必ず自分より馬鹿であってほしい。いやなことをするちびであってほしいのです。それなら勝つことができるのです。馬鹿にして、セックスをするだけで捨てても、別にいいことにできる。女が馬鹿だからいいのだということにできる。
だが、霊魂を有する本当の美女というのは、甘くはない。全然別の存在なのですよ。高いことがわかっている。痛いところからすべてを見ている。そして自分を律している。
妨害されても耐えられるくらいの、いいものを持っている。いやなことをすれば跳ね返るほどの、高い徳を持っている者もいる。
馬鹿な男はそんなことなど、まるごと否定したいのだ。嫌なのです。自分のほうが負けてしまうからだ。
好きになっても、ああいう女性は絶対に自分を好きにならないからです。
こんなことは今までに何度も言われているでしょうがね、何度も言われるのは、全然あなたがたが成長しないからですよ。自分を変えていかない限り、また同じことを言われるでしょう。
玉を欠いた貝というのはもちろん、魂のない美女という意味だ。そんなものを集めて、夕暮れの後宮を作る。夕暮れというのは、正しいことに反している意味を帯びた表現です。要するにハレムですね。セックスのために男が飼い殺しにした女性が住むところです。そういうところを作った男はいました。でも幸せになったものはいない。
そんな女など、誰も男を愛しはしないからです。