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日記や趣味、エッセイなどで描く日々

ナースログ

2021年02月19日 15時25分50秒 | エッセイ
     「やせがまん」を通します
       「ぶりっ子」に徹します
        「おせっかい」を努めます
         「ユーモア」を磨きます
          「老婆心」を発揮します
           「笑顔」で輝きます
             ぐちをやめて潔く生きます
              「ありがとう」を歌います

賢人会議所なる団体の「賢人『掟』八則」というものだ。
思わず笑いが出てしまいそうな「掟」なのだが、
そもそも、どういった団体なのか、おおよそ見当がつかれるだろう。
そう、高齢者の、高齢者たる団体だ。
「永年の間家庭を支え、地域を支え、そして社会を支えてきた中で培われた
     知恵、知識、経験等を活かして、次世代を創るために
          提言・行動し、汗を流す」
これこそが高齢者の役割。そんな意気込みで設立されたものだ。
東京に「日本賢人会議所」があり、会長を橋本龍太郎・元首相(故人)夫人の
橋本久美子さんが務められている。


    
    その地方組織とも言うべきものが福岡にある「九州賢人会議所」。
    各界、特に経済界の方々で、今はもう経営の第一線を退かれた
    相談役や顧問といった人たちが主メンバーとなっている。
    知恵、知識、経験を身につけた高齢者こそ「賢人」であるとし、
   「少子化によって生産年齢人口は減少の一途という時代にあって、
    高齢者という人的資源を活用しないというのは、大いなる損失だ」
    そう鼻息が荒い。
    さらに「高齢者が社会から支えられる側から、
    新たに社会を支える側に立ち、再び社会の担い手になり、
    長寿社会をリードしよう」と意気込むのだ。

それには、自らも努力が必要とし7項目の努力目標を掲げている。
   ①出来ることは自分でします
    ②人の役に立つことをします
     ③健康で過ごせるよう努めます
      ④聴く耳を持ち社会より学びます
       ⑤人の温かさを大事にします
        ⑥輝く笑顔で謙虚に生きます
         ⑦感謝の気持ちを声に出します
──子供みたいだと笑っちゃいけない。
「賢人」であっても、高齢者にはなかなか難しいことばかり。
だからこその努力目標なのだ。

    森の倒壊木を「ナースログ」と呼ぶことがある。
    寿命を終えて倒れた木であっても、
    それで役割を終えたわけではない。
    倒壊木の周囲には適度の湿り気が宿り、
    そこは小さな虫たちが集まる場となる。
    それをついばみにやってきた鳥たちによって
    草や木の種が地面に落とされ、
    いつしか若い樹木として芽吹く時を迎えるのである。
    「ナースログ」とは、まさに「森を癒す木」なのだ。

     僕ら年寄りは、そんなふうにありたいと思っている。



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