【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

立ち乗り電車/『ねむりウサギ』

2009-08-04 07:02:49 | Weblog
 先日久しぶりに山手線の電車に乗ってびっくりしました。座席がありません。あるのですがたたまれています。まるで家畜運搬車のような国電だと思いました。おっと、国電って今は言わないんでしたね。えっと、省電……だとさらに古くなったからちょっと新しくしましょう。E電……って、誰も云わないか。

【ただいま読書中】
ねむりウサギ』星新一 著、 和田誠 絵、理論社、2002年、1200円(税別)

 ちょっとした空き時間に、さっとショートショートをひとつふたつ読んで何も考えずに「あはは」で終わる、のは、星新一の場合にはちと無理です。必ずどこかに小さなしかけや毒が仕込んであって、そこで「ふ~む」とうなったり「やられた!」と叫ぶことになるのですから。

「ねむりウサギ」……ウサギとカメの競争のお話ですが、なんとも奇妙な話です。ショートショートなのにあらすじが紹介しにくい、というか、書き始めたらこの話をそのまま丸写しすることになってしまいそうです。
「思わぬ効果」……アレルギーを治すだけではなくて、人工的にアレルギーを引き起こすことができる装置、というへんてこなものが発明されました。なんでまたそんなけったいなものを、と思いますが、星新一ワールドですから、がその答えです。で、その顛末を知って、こちらは脱力します。
「服を着たゾウ」……ババールじゃありませんが、ゾウが服を着て「わたしは人間です」と言葉を喋り、本を読み、会社を経営したら……いや、これも読みようによっては深い話です。……ということは、ババールも深く読めるのかな?

 本書には「洋三」とか「道子」とかの「固有名詞」がところどころに登場します。「F氏」や「N博士」に慣れている身にはそれだけで一瞬のオドロキでした。