【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

理不尽な乗物

2012-05-27 18:26:13 | Weblog

 気球が浮かぶのはわかります。だけど、空気より重い飛行機がどうして空を飛べるのでしょう。
 木が水に浮かぶのだから木造船が浮くのはわかります。だけど、鉄でできた船がどうして水に浮かぶのでしょう。
 三輪車や四輪車が走れるのはわかります。だけど、二輪車はどうして安定して走れるのでしょう。まして、一輪車は、私にはまったく理解できません。乗っている人がいるから、その存在は(しぶしぶ)認めますが、やはり、納得できませ~ん。

【ただいま読書中】『一輪車 はじめてのれた!』(社)日本一輪車協会 編、三木たかし・秋山健司 著、 川上政男 画、国土社、2000年、2500円(税別)

 竹馬だと動きが誇張されてわかりやすくなりますが、「人が歩く」動きは「一本の足に体重をかけて倒れかけて、その倒れる方向に別の足を出してまた倒れかける」の連続です。一輪車も同様で、常に倒れようとするその方向に走ることでバランスを保っています。
 一輪車には「前後の区別」があります。サドルの幅が前の方が後ろより少し狭く、サドルの高さや向きを調整するクイックレバーはシートピラーの後ろ側についています。また、ペダルのねじが右側は右ねじ・左側は左ねじになっていて、ふつうにこぐと外れないようになっています。
 本書では最初に「降りる練習」から始めます。乗れないのにどうやって降りるのかと言えば、「のりこえ」です。車輪をはどめで動かないようにしておいて、地面に立った状態でサドルを股ではさんで片足をペダルにのせてぐっと踏ん張って一輪車の上を通って前に降りる、という動作です。
 つぎは「たちどまり」。まだ走りません。左右のペダルを同じ高さにして、その上にまっすぐ立つ練習です。その時片手で手すりなどをつかんで体を支えますが、慣れると指一本で支えることができるようになるそうです。
 やっと動けます。まずは介助者についてもらって手を引いてもらいます。これも慣れると手を握らなくても手が触れ合う程度で支えることができるようになるそうです。
 次は「一歩ずつ」。一輪車の「一歩」は、車輪が半分回ることだそうです。なるほど、歩くのと同じ数え方ですね。そして降りる練習。体を下に降ろそうとすると一輪車は反動で逃げますからほとんど真下に降りるような感覚で地面に立てるそうです。そしてついに手放しで。
 本書を読んでいると、なんだか私でも一輪車に乗れそうな気持ちになってきました。
 いやいや、あんな不安定な「乗物」の存在なんか、やっぱり私は認めないぞっと。