ドイツでは「85」を「5と80」と数えます。
アメリカではいまだにメートル法ではなくてポンド/ヤード法です。
日本語では主語が不要です。
みんなちがって、みんないい(金子みすゞ)?
【ただいま読書中】『鼻』(『鼻/外套/査察官』収載)ゴーゴリ 著、 浦雅春 訳、 光文社古典新訳文庫、2006年、648円(税別)
八等官のコワリョフが目覚めると、鼻がなくなっていました。
『狐と踊れ』(神林長平)では胃袋が逃げ出しますが、こちらでは鼻が脱走(あるいは紛失、逃亡、盗難)です。これは困りますわね。コワリョフは鼻を探し回ります。すると、五等官の格好をしている「自分の鼻」に出くわしてしまうではありませんか。
このシュールな世界は、一体何ですか?
いろいろあって、コワリョフはやっと鼻を取り戻しますが、顔にくっついてくれません。医者にも処置を拒否されます。だけど……
最後まで読んで私はやっとわかりました。この作品は、要するに「落語」なのです。ロシアの落語。だから筋が通らなくても、いいのです。わははは、と明るく笑って、お終いにしましょう。