昔は「適齢期」と言えば結婚だったのに、今は出産適齢期という、女性にだけターゲットを絞った言葉が日本で通用しているのだそうです。これは「18~26歳」で、つまりは「卵子が若い内に」ということなのでしょう。だけどたとえば皆さんや親戚の娘が18歳で「出産する」と言ったら、ほとんどの人は「まだ若すぎる」と反対しません?
【ただいま読書中】『ルーシーは爆薬持って空に浮かぶ』河野典生 著、 集英社、1981年、980円
タイトルを見て吹き出したので、私の“負け”ということで読むことにしました。ビートルズのヒット曲の「ダイヤモンド」を「ダイナマイト」に変えただけなんですけどね。そういえば「ルーシー」は、原人発掘でも大活躍でしたっけ(エチオピアのアウストラロピテクスの発掘で、ビートルズの曲にちなんで「ルーシー」と名付けられた化石があります)。
で、13篇が収められた短編集なのですが、ちょっと内容の説明が難しい。いろいろ頭を絞ってみたのですが、いろんな曲の楽譜を日本語に翻訳したらこんな短編になりました、と言うのが近いかな。著者はそれぞれの作品を「名曲」を作曲・演奏したミュージシャンに捧げています。たとえば「エアー」(ダラー・ブランドのバンブー・フルート・ソロ)、「トロイメライ」(死を目前にしたロベルト・シューマンが頭の中で演奏したもの)、「いま・春?」(古澤良治郎とリー・オスカー)、「モンスター」(ピンク・レディ)、「「トランジスタラジオ」(RCサクセション)……もちろん「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンド」(ザ・ビートルズ)と「ドント・レット・ミー・ダウン」(ジョン・レノン)もございます。