「私」へのサティ

最近、日常生活の中のサティが復活しつつある。その中でもとくに大切なのは、駅から職場まで往復４０分ほどの歩行時だ。昨日の帰宅時は、疲れていたせいかほとんどサティにならなかったが、今日は行き帰りともそれなりに充実していた。

この数日感じるのは、これまでなら見過ごしていたようなかすかな気分の変化に気づくことだ。ふと不安感がよぎる。かすかな憂鬱を感じる等々。その原因が、忘れていた誰それとの会話だったり、欠席している生徒への気がかりだったりする。

感覚対象にサティを入れている中で、もちろんしばしば思考がやってくる。そんなとき「思考する私」とサティすることも多い。これは、最近読みなおしているラマナ・マハルシの影響である。

「私」という働きは、実感しようと思えばどのような場面でも実感できる。「私」の思考や「私」という働きをサティしたとき、「私」（という想念）の根拠のなさを確認するようにしている。別の言葉でいえば、その実体のなさ、はかなさ、不安的さ、虚構性などである。

「私」という想念。「私」という働き。言葉で書くのはかんたんだが、もし、それを日常生活のなかでたとえ断続的にでもサティし続けることができたら、他の知覚対象へのサティも深まるだろう。「私」という現象、「私」という思い込みを常に対象化していく作業である。

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