瞑想と精神世界

瞑想や精神世界を中心とする覚書

プロセスの展開

2006年09月19日 | 読書日誌
プロセス思考心理学の方法とヴィパッサナー瞑想の方法には明確な違いもある。

気づいていなかった側面が自覚にもたらされると、それ自身で展開し、成長し、解決する創造的なプロセスが生まれる。ミンデルは、「丁寧に観察しながらプロセスに従う」ことを重視し、さらにそのプロセスを意識的に増幅する方法を用いる。ワークの実際場面で言えば、「起こりつつあること」がそのプロセスを全うできるようサポートする。見落とされている「起こりつつあること」を十分に自覚して関われば、 症状や対人関係、身体感覚や動作などとの関係が深まり、統合され、症状が役割を終えて消失することも起こるという。

ヴィパッサナー瞑想は、自覚にともなうプロセスの展開については強調していない気がする。少なくとも、それを増幅するような意図的な方法はとらない。身体症状なりイメージなりが意識の中心を占めるようになれば、サティして自覚化するし、中心から外れていくなら、それを追い続けることはない。しかし、意識に働きかけてくるものには、必ずサティをするので、「深さの次元(ドリームボディ)」からのかすかな働きかけをも自覚しやすい。また、自我の働きがある程度制御されているから、自我の干渉なしにプロセスが展開しやすい。

「あなたが明晰さの訓練をすると、目覚めてもドリーミング・プロセスが続くことに気づくだろう。‥‥あなたが明晰ならば、そして日常生活に展開していくセンシェントな体験を 忍耐強く追いかけるならば、『あなた』のドリーミングがあなたを目覚めさせ、生活の場面にはいりこんでくることに気づくだろう。」

「あなたは一日中目覚めのプロセスが起こっていることを感じることができる。あなたがしなければならないのは、ドリーミングを認識し、センシェントな体験、知覚の神秘に注意を払い、人生が開示し、展開し、創造されていくプロセスに気づくことである。」

「プロセスワークの重要な考え方は、怒り、嫉妬、どん欲などを含む、どんな感情でも、それを受け入れ、そのプロセスに従うことによって、そこからいのちをよみがえらせる可能性が現れてくる、ということです。」

もちろん、ヴィパッサナー瞑想ではこういう表現の仕方はしない。しかし、ミンデルの考え方は、ヴィパッサナー瞑想の修行において実際に起っていることを理解するうえできわめて有効だと感じる。

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