瞑想と精神世界

瞑想や精神世界を中心とする覚書

静けさの次元で聴く

2009年05月10日 | 瞑想日記
エックハルト・トール『世界でいちばん古くて大切なスピリチュアルの教え』)の中のから、「誰を貴い客人として迎え、それぞれの人が、あるがままのその人であることを認めること」や「思考を超えた静けさの次元から相手の話を聴くこと」の大切さに触れた章句を引用した。

エックハルト・トールの新著『ニュー・アース -意識が変わる 世界が変わる-』の中には、これに関連してエックハルト・トール自身の貴重な体験が掲載されている。以前から「覚醒・至高体験事例集」に収録したいと思っていた体験である。まずこのブログで何回かにわけて紹介した上で、事例集に掲載しようと思っている。

「私がその種の目覚めを体験したのは、もう何年も前のことだ。夜中の十一時に玄関のベルが鳴った。インターフォンから聞こえたのは隣のエセルの不安に怯えた声だった。『どうしてもお話ししなくてはならないことがあるんです。とても大事なことなの。すみませんけど、開けてください。』 エセルは教養ある知的な中年女性だった。同時に強いエゴと重いペインボディの持ち主でもあった。彼女は思春期にナチス・ドイツから逃れてきたのだが、家族の多くを強制収容所で失っていた。

入ってきたエセルは興奮したようすでソファに腰を下ろし、もってきたファイルから手紙や書類を出して震える手でソファや床に広げた。とたんに私は、自分の身体のなかで調光器の目盛りが大きく動いてパワーが最大になったという不思議な感覚を覚えた。とにかくオープンな姿勢でできるだけ観察力を働かせつつ、しっかりと――身体の全細胞をあげて――「いまに在る」しなかかった。」

このときエックハルト・トールは、まさにエセルを、「貴い客人として迎え、彼女がが、あるがままのその人であることを認め」、「思考を超えた静けさの次元から相手の話を聴いた」のであろう。 ロジャーズ派のカウンセリング(クライエント中心療法)最も重要な三つの条件が「自己一致」「無条件の肯定的配慮」「共感的理解」だと言われるが、それが理想的な形で起こるとどうなるのか。トールの体験の中にその印象的な事例を見たような気がした。(続く)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« コメントへの応答 | トップ | 静けさの次元で聴く(2) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

瞑想日記」カテゴリの最新記事