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独放射線防護庁職員「おもちゃ」⇒ベラルーシ製椅子型WBCで那須町の子供を計測する意味はありません。

2014-10-28 11:30:00 | 福島第一原発と放射能

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栃木県那須町でWBC、ホールボディカウンターで小学生に2年ぶりに計測させているという記事を読みました。

一見、まともなことをしているように見えなくもありません。おそらく地元自治体はせっかく買った機械を眠らせておくのも忍びないし、自分達の回避策で子ども達が大丈夫と言いたいのだろうと思います。

しかし、このブログの過去記事でも散々伝えていますが、そもそも閉架式密閉型のWBC(ホールボディカウンター)であっても、人体には、空間、水分、骨、筋肉、脂肪など密度の違う状態が存在していて、余程高濃度に放射性物質が存在し、放射線を大量に出している状態でないときちんとした計測は難しいです。

ベルリンで、精度の高い閉架式の放射線防護庁にあるWBC(ホールボディカウンター)25Bq/body検出された女性は、フランスのある専門家には、最大推定で10倍程度、体内に存在する可能性があるから、半年は妊娠を回避しろと言われています。

しかもこれは2011年の夏におこなわれている計測です。時期的にも初期被曝の影響も含めて、計測の意味が大きい話です。

よろしいでしょうか、人体にある放射性物質を計測する場合は、一定条件が整っていて、なおかつ精度がきちんとしていないと、話になりません。

政府側のおこなっているWBC検査が、精度が出せる機械を使っていても、効率面を優先して300Bq/body以上の下限、短時間計測になっている実態はこのブログでもお伝えしました。

しかし、この那須町のWBCは、更に問題が大きいです。

ベラルーシ、ATOMTEX社WBC(ホールボディカウンター)を使っています。

この会社のAT1320という測定機は安価ということもあって、市民測定所が食品や土壌などの検査目的で、こぞって納入しましたが、実際はセシウム134が他核種と識別することがほぼできない性能のNAIシンチレーションです。

まともな測定所は、この機械でセシウム134の数値は出しません。

これと同様のシステムであるのが、ATOMTEX社WBC(ホールボディカウンター)であることは間違いありません。

だから、子供たちの体内にあるかもしれないセシウム134はまず測定できません。

引用する新聞記事がセシウム137が出なくて大丈夫となっているのはこのためと思います。

このようなWBCで、下限値の300Bq/bodyを検出されるということは、体内にそれより遥かに残存していなければなりません。そんなことは、考えにくいです。検査の少し前に、キノコを大量に食べるとか、獣肉を大量に食べない限り(地のものばかり食べ続けている高齢者を計測したほうが遥かに意味があると思います)。しかも、そもそも大人と子どもの差もありますから、機械下限が子どもで同様なのかもかなり微妙です。

こんな安心は何の役にも立ちません。

それよりも、土壌のBq/kgで、万単位となるセシウム汚染がある那須(他の核種も当然あります)では、全ての子どもの血液検査を細かくおこない続けるとか、医療面での検査システムを作るほうが、三年半以上経過している現在では、遥かに意味があります。

予算を使って、買ってしまったWBCを使う実績を作ることよりも、被曝影響による身体不調が出ていないかを、子どもたちにきちんとチェックする状態を作るほうが、行政当局がおこなうべき話です。

こうした椅子型のWBCはベラルーシでも、ウクライナでも何種類も存在しています。いくつもの会社が競って作っています。

しかし、ベルリンの放射線防護庁の職員は、「おもちゃ」と表現していました。

「おもちゃ」と呼ばれる機械で、検査していると胸を張っているのが、栃木県那須町の現状です。

こうしたことを何回書いても、3年半以上も経過して伝わらない日本。絶望的感覚は強くなる一方です。

以下は下野新聞 http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20141028/1760205

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『2年ぶり、学校単位で被ばく検査 1786人を対象に 那須町』

【那須】町は27日から、町内の小中学生を対象に簡易型ホールボディーカウンター(全身測定装置、WBC)による内部被ばく検査を「ゆめプラザ・那須」内で開始した。学校単位での検査は2年ぶり。

 町は2012年度、町内の小中学生を対象に同様の検査を実施。1908人を測定した結果、検出下限値(300ベクレル)を超えるセシウム137が検出された児童生徒はいなかった。

 「放射能の影響は長期的に見ていく必要がある」(町保健福祉課)として2年ぶりの実施を決めた。

 対象は小学校10校、中学校4校の児童生徒計1786人。保護者の同意を得て検査を行う。期間は来年2月3日までで、検査実日数は44日。検査結果は学校を通じて保護者へ通知する。

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13:30~15:30  (開場:12:45) 

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■申込先&詳細⇒http://kokucheese.com/event/index/229860/

メール申し込めます⇒genkimatsuri2014@gmail.com 

申込注意事項は主催HP http://e129.dgblog.dreamgate.gr.jp/e114479.html or こくちーずで必ず御確認下さい。

■主催:元気まつりプロジェクト事務局  

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