俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

援助交際

2010-01-12 16:25:53 | Weblog
 最近、援助交際に関するニュースを余り見聞きしなくなった。一時期と比べれば随分減っているとそうだ。
 なぜ減ったのか。中高生に尋ねると「カッコ悪いから」という答えが多いらしい。
 私は援助交際は難問だと思っていた。「他人に迷惑をかける訳ではない(相手には喜ばれる)」「手軽に大金が手に入る」「自分の体をどう使おうと本人の勝手だ」などの理屈に一々納得し、厳罰化する以外にこの問題を解決する方法は無いのではないかと考えていた。
 ところが意外な解決策があった。「みんな」がカッコ悪いと認めるだけで問題は解決された。何と偉大なる「恥の文化」だろうか!
 行動の基準は善悪や損得ではなかった。周囲の人間がそれをどう評価するかということだった。芸能やスポーツのように周囲が「カッコ良い」と認めるならそれは好ましい行動で、「カッコ悪い」ことは慎むべき行動とされる。
 絶対価値を持たない日本人は必然的に相対価値の世界に生きねばならないが、こんな「周囲の評価」主義は危険だ。援助交際に関してはたまたま(私にとって)好ましい方向に向かったが、周囲の評価はたった1つの事件をきっかけにしてある日突然劇的に変わることもある。周囲の評価を信じて2階に上がって梯子を外されたら余りにも悲惨だ。

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