俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

合宿と洗脳

2009-11-10 16:22:06 | Weblog
 脳の機能を低下させる方法は沢山ある。
 アルコールなどの薬物を使えば脳の機能が低下することは日常的に見られるし、もっと簡単な方法は睡眠不足だろう。
 時代劇やスパイ映画などで残酷な拷問のシーンがあるが、時間的余裕さえあれば、こんな残酷で傷の残る方法を使わなくても、眠らせなければそれだけで充分だ。そんな状態になれば知力は低下するし人格は崩壊して意志の力も大幅に衰える。簡単に白状してしまうだろう。
 オウム真理教の犯罪が暴かれた時に、主要な信者が理科系の高学歴者だったことに多くの人が驚いた。なぜこんな人達が洗脳されたのか様々な議論がなされた。
 私は合宿の効果が大きいと思う。合宿は余計な情報から隔離するとか連帯感を増すとかいった効果以外に睡眠時間を制約することができるからだ。「修行」と称して睡眠時間を削り知力を低下させた状態に追いやれば刷り込みは簡単だ。一旦、根拠も無く刷り込まれた信念を合理的な思考によって覆すことは難しい。
 オウムに限らず多くの宗教団体は出家と合宿という生活形態を奨励する。合宿は浮世から離れるという意義だけではなく、洗脳するための最高のシステムだからだろう。

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