俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

使い捨て文化

2009-04-07 13:12:31 | Weblog
 日本の文化は本来「使い捨て」を嫌っていた。何でも再利用しようとするのが日本の文化だった。紙コップとカップヌードルが日本人の意識を狂わせたのかも知れない。
 かつては鋳掛屋という商売もあったし、服のツギ当ては当たり前のことだった。今では故障した家電は修理するほうが高くつくので買い替えられる。
 この傾向は雇用にまで及んでいる。派遣労働者だけではなく正規雇用労働者まで使い捨てにしようとしている。
 これは考えてみれば奇妙なことだ。社内で経験を積んだ人材がなぜお荷物になるのだろうか。確かに体力では若い人には敵わない。しかし精神的には成熟しているのではないだろうか。
 今、手元にある物を大切にするより買い換えれば良いとうい風潮はどこまで進むのだろうか。
 民間企業が高齢の労働者を姥捨て山に捨てれば、捨てられた労働者は納税者から社会的弱者へと激変する。企業による労働者の使い捨ては税収を減らして社会保障費を増やすという両面で社会の負担を増やすことになる。

コメントを投稿