俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

少数者のための政党

2010-01-09 16:02:28 | Weblog
 現代の日本は相対価値の時代だ。絶対価値は認められず、それぞれが自分の正義を主張し、それを相互に認め合うことによって社会的に共存している。
 相対価値は多元論の世界だ。多元論に基づけば「正義」は無数にある。当然「政治的理想」も無数になる。
 こういう社会には小党分立が相応しい。十人十色であるように十人十党となっても当然だろう。何しろ絶対価値が存在しないのだから。
 最悪は一党独裁だ。これは候補者を党が先に決めてしまうから国民には選挙権が無いのと同じことだ。党に逆らうことは不可能だ。
 次に悪いのは2大政党制だ。アメリカとイギリスの2大政党制がしばしば模範とされるがこの2国は国際的には例外的存在だ。多くの先進国では小党が共存して連立政権を作っている。
 2大政党制では仮に3つ以上の選択肢があっても、大衆受けする上位2つをそれぞれの党が政策として採用し、第3位以下の政策は葬られる。これでは牛丼とカレーしかないファストフード店のようなものだ。
 多数者が少数者の存在を無視すれば多数決一辺倒の衆愚政治に陥る。小党の存在こそ少数意見を無視しないという民主主義の精神を実現するものだ。
 但し、小選挙区制のもとでは小党は駆逐されてしまう。かつて衆議院が「良識の府」と呼ばれた古き良き時代には全国区に「緑風会」という文化人を中心とした団体があった。その後、全国区はタレント議員の票田に堕してしまったが、それも良かろう。芸能人が票を集めれば集めるほどボーダーラインが下がり、少数者を代表する小党が日の目を見る可能性は高まる。
 負け犬の遠吠えでしかないが・・・・小選挙区制反対!!!

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