俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

劣化

2010-09-10 14:42:03 | Weblog
 安静にしていると足の筋肉は1週間で20%、2週間で40%、3週間で60%衰えるそうだ。
 日本人で最長期間の163日間宇宙空間に滞在した野口聡一氏は今でもリハビリに励んでいるそうだ。筋力の低下を防ぐために宇宙船内でのトレーニングを欠かさなかったにも関わらず大きな後遺症に苦しんでいるのだから、そういう自覚を欠いて筋肉を劣化させた人が筋力を取り戻すことは極めて困難だろう。
 私は多くの慢性病は病気というよりは内臓の劣化ではないかと考えている。良からぬ生活習慣のために内臓の機能が劣化して生活習慣病となっているのではないだろうか。
 内臓の劣化にどう対応すべきか。方法は次の2つのどちらかだろう。①内臓のリハビリを図る②低下した機能を薬で補う。
 現在の日本の生活習慣病対策は②に偏っている。内臓が劣化して不足する分泌物を薬で補っている。
 しかしこんなことをしていれば内蔵は益々劣化するだろう。分泌する必要性が薬の補助によって薄まれば内臓は更に一層働かなくなる。これではまるで足の筋肉の衰えた人に安静を強いるようなものだ。
 急性の病気には薬が有効だ。しかし慢性の病気に対応するためには薬ではなく内臓のリハビリが必要なのではないだろうか。回復が不可能なら諦めるしかないが、回復の可能性が少しでもある限りはリハビリに励むべきだろう。

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