[実際施工]
1.丁張りはレベル出し、直角出しともなかなか手間取った。
レベルは散水用のビニールホースの先にガラス管をつけて,バケツの水で水盛りをしたが、バケツの水の量に対して散水用ビニールホースでは管径が太いのか、2度目にチェックしたら、最初のレベル位置と少しずれていた。これはマズイ。大切な水準測量なので、ビニールホースを細い透明ホースに変えると、ズレはほとんどなくなった。
ホースの先に試験管の底を抜いたガラス管を取り付けてある
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直角出しはチェックをピタゴラスの定理でするため、巻尺での距離測定が必要となる。「一人で建てる家」と言いながら、この時ばかりはもう一人助手がどうしても必要だった。悔しながら妻・ひろに手伝ってもらう。
風が吹くとすぐに2~3mmの誤差が出るので、じっくりと風が止むのを待たねばならなかった。妻・ひろは、「3mmぐらい、いいやん~」と言うが説得、説得。
2.床堀はツルハシとスコップと鍬で行った。基礎砕石は省略した。
ただし路床は自作のタコを使って充分に締め固め整正をした。
タコ突きは慣れぬ体の使い方なので、腰にひびいた。
自作のタコ:防風林のスギとみかん園の傍に生えていたコナラの木で作った
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3.石積みは根気の作業だった。下段に大きな石を使い、上に行くに従って小さな石を積んだ。購入した割栗石はホルンフェルスの硬い石だったので、積み石は割って形を整えることはせず、そのままで石の形を見ながらうまくかみ合うように積んでいった。そのため石をくるくる回しては合わせ、合わなければ他の石を探すという風にとても時間がかかった。
一段積んでは手練りコンクリートを流し込み、翌日に二段目を積んだ。上段にいくに従い石が小さくなるので、コンクリートを流し込むと積んだ石が押されて動いた。
中腰の作業は腰が痛く、途中からは地べたに座り込んでの作業だった。
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コンクリートの練り板は、ブリキ板の看板を利用している
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4.手練りコンクリートは石積みの隙間へ入り込み易いように、スランプを柔らかめに骨材を25mm以下とした。それでもなかなか入りにくく、最初は空積み風にしたかったので、目地を考えていなかったが、強度のことを考えてモルタル目地を入れることとした。結構隙間が多いので、指先や棒でモルタルを押し込んだ。裏面は見えないので大雑把に、表面は丁寧に水とスポンジで洗った。
5,アンカーボルトは正確性を期すため、石やブロックを積みながら設置するのではなく、スリーブ管を入れておいて、積み上がった時点でまとめて設置することにした。スリーブ管は紙製ボイドを使用するのが標準であるが、今回は青竹があったので、代用した。節を抜いて少し割って置くと、取り外し易かったと思う。
スリーブ管の青竹
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6.天端レベリングは、大変苦労した。ブロック積みの方は、ブロックを板ではさみ込んで、板のレベルに合わせてモルタルを塗ればよいのだが、石積の方はそうはいかない。試行錯誤のあげく結局水糸を2本張って、それに合わせてモルタルを塗ることにした。水糸がモルタルに付着して、とてもやり辛かったが、まあ何とかそれなりに仕上がった。
石積みと同じ栗石を使った束石
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付記;妻・ひろより
夫にとっては、測量での誤差の2,3mmが、とても重要なことらしい。
たったの2~3mmが
もしかして、風ではなくて、私のせいかもしれないのに・・・
『私の巻尺の持ち方は、いい加減で、その時々で違っていたかもしれない』
タコのスギは、1年以上前、
みかん畑の防風スギを十数本、切り倒した時のものである。
風通しと陽当たり良くして、みかんが病気にならない為である。
その時も、夫は、太い重いスギ丸太を、きっちりと並べて、整理した。
「適当に、積んでおいたらいいやん」と言うのに。
しかし、あの時のスギ丸太が何かと重宝している。
2005年1月末 10m近いスギを、手鋸で徐々に伐採した
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1.丁張りはレベル出し、直角出しともなかなか手間取った。
レベルは散水用のビニールホースの先にガラス管をつけて,バケツの水で水盛りをしたが、バケツの水の量に対して散水用ビニールホースでは管径が太いのか、2度目にチェックしたら、最初のレベル位置と少しずれていた。これはマズイ。大切な水準測量なので、ビニールホースを細い透明ホースに変えると、ズレはほとんどなくなった。
ホースの先に試験管の底を抜いたガラス管を取り付けてある
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直角出しはチェックをピタゴラスの定理でするため、巻尺での距離測定が必要となる。「一人で建てる家」と言いながら、この時ばかりはもう一人助手がどうしても必要だった。悔しながら妻・ひろに手伝ってもらう。
風が吹くとすぐに2~3mmの誤差が出るので、じっくりと風が止むのを待たねばならなかった。妻・ひろは、「3mmぐらい、いいやん~」と言うが説得、説得。
2.床堀はツルハシとスコップと鍬で行った。基礎砕石は省略した。
ただし路床は自作のタコを使って充分に締め固め整正をした。
タコ突きは慣れぬ体の使い方なので、腰にひびいた。
自作のタコ:防風林のスギとみかん園の傍に生えていたコナラの木で作った
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3.石積みは根気の作業だった。下段に大きな石を使い、上に行くに従って小さな石を積んだ。購入した割栗石はホルンフェルスの硬い石だったので、積み石は割って形を整えることはせず、そのままで石の形を見ながらうまくかみ合うように積んでいった。そのため石をくるくる回しては合わせ、合わなければ他の石を探すという風にとても時間がかかった。
一段積んでは手練りコンクリートを流し込み、翌日に二段目を積んだ。上段にいくに従い石が小さくなるので、コンクリートを流し込むと積んだ石が押されて動いた。
中腰の作業は腰が痛く、途中からは地べたに座り込んでの作業だった。
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コンクリートの練り板は、ブリキ板の看板を利用している
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4.手練りコンクリートは石積みの隙間へ入り込み易いように、スランプを柔らかめに骨材を25mm以下とした。それでもなかなか入りにくく、最初は空積み風にしたかったので、目地を考えていなかったが、強度のことを考えてモルタル目地を入れることとした。結構隙間が多いので、指先や棒でモルタルを押し込んだ。裏面は見えないので大雑把に、表面は丁寧に水とスポンジで洗った。
5,アンカーボルトは正確性を期すため、石やブロックを積みながら設置するのではなく、スリーブ管を入れておいて、積み上がった時点でまとめて設置することにした。スリーブ管は紙製ボイドを使用するのが標準であるが、今回は青竹があったので、代用した。節を抜いて少し割って置くと、取り外し易かったと思う。
スリーブ管の青竹
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6.天端レベリングは、大変苦労した。ブロック積みの方は、ブロックを板ではさみ込んで、板のレベルに合わせてモルタルを塗ればよいのだが、石積の方はそうはいかない。試行錯誤のあげく結局水糸を2本張って、それに合わせてモルタルを塗ることにした。水糸がモルタルに付着して、とてもやり辛かったが、まあ何とかそれなりに仕上がった。
石積みと同じ栗石を使った束石
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付記;妻・ひろより
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夫にとっては、測量での誤差の2,3mmが、とても重要なことらしい。
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たったの2~3mmが
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もしかして、風ではなくて、私のせいかもしれないのに・・・
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『私の巻尺の持ち方は、いい加減で、その時々で違っていたかもしれない』
タコのスギは、1年以上前、
みかん畑の防風スギを十数本、切り倒した時のものである。
風通しと陽当たり良くして、みかんが病気にならない為である。
その時も、夫は、太い重いスギ丸太を、きっちりと並べて、整理した。
「適当に、積んでおいたらいいやん」と言うのに。
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しかし、あの時のスギ丸太が何かと重宝している。
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2005年1月末 10m近いスギを、手鋸で徐々に伐採した
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2日間の撮影は楽しかったです。スタッフの皆様はお変わりありませんか。
家作りは、ブログで進行状況を紹介していくつもりですので、時々覗いてみてください。
先日お電話させていただいた中村です。
家作り、進んでいますね!
すごい工法ですね、、、、
ブログ、また拝見します。
近所の人からも、「根気があるのう」と誉めてもらいました。ただ、この人は、残念ながら、根気だけしか誉めてくれませんでしたが・・・・
モノ作りをしていて、出来上がったモノが、自分の満足のいくものかどうかは、製作過程でどの程度の誤差を許容したかによりますね。
基礎の段階でへたに妥協すると、次へ進む自身が生まれてきませんね。
根気との戦いだったのでしょうね、すごい!
「関心」があれば「感心」もできるから
まあー いいかと 思いましたが
2~3mm.の誤差を妥協出来ない精神に
敬意を払って追記します。
栗石
石積は大津の日吉大社に行く時に
穴太積を見ながら何時も関心しています。
タコは懐かしい。
青竹のスリーブ管の発想に驚いています。
2~3mm.の誤差は 宿六も妥協出来ないことです。
20年先50年先にはその誤差は
数百倍 数千倍になるかも知れません。
もし ご主人が 大工の棟梁でしたら
こんな親方に家を建てて貰いたいですね。
しかし もう こんな建築現場の知識を持った施主も いないでしょうね
自分の家を注文建築している様な気分になります。