奈良のむし探検

奈良に引っ越しました。これまでの「廊下のむし探検」に倣って「奈良のむし探検」としましたが、動物・植物なんでも調べます。

梅雨の合間にちょっと観察

2021-05-21 16:16:29 | 奈良散策
奈良散策 第95弾


近畿地方は5月16日に梅雨入りしました。私の住む大和郡山市も梅雨に入ってから雨がずっと続いています。17日の午後、たまらず雨の止んだ合間にカメラを持って家の近くを歩いてみました。でも、ちょっとだけ収穫がありました。







出かけてすぐに、ちょっと湿地になったところでハラビロトンボを見つけました。一見、♀なのですが、未熟な♂も同じ模様なので、写真をよく見ると腹部末端の構造から、この2匹はいずれも♀だと思われます。(追記2021/05/22:一番上と一番下は違う時間に撮ったものだったのですが、同じ場所なので、きっと同じ個体でしょう。従って、「この2匹」が正しいです



こちらは♂の個体です。ハラビロトンボは奈良に来てから初めてです。



これはヤマトシジミ。この写真だと分からないのですが、横から撮った写真から判定しました。ちょっとぼけていたので、載せませんでした。





これはゼニアオイ





そして、これはセイタカハハコグサ





それに、ウラジロチチコグサ



これはハエトリグモの仲間です。文一総合出版の「日本のクモ」によると、マミジロハエトリとマミクロハエトリは♀では外見上ほとんど区別できないが、マミクロハエトリ♂では頭胸部全面に白色毛がなく、腹部中央に白色の縦条があることから区別できるそうです。従って、これはマミクロハエトリ♂ということになります。

接写を持って花と虫を撮りに4

2021-05-21 10:45:28 | 奈良散策
奈良散策 第94弾


5月14日の午後に花と虫を撮りに行った時の続きです。今回が最後です。



最初は先日トウグミだろうと思った木になっていた実を接写で撮ってみました。









次はカキノキです。カキノキは雌雄同株で、今回写したのは雄花のようです。





これはアオモンイトトンボ。「日本産トンボ幼虫・成虫検索図説」で検索をし直しました。たぶん、大丈夫だと思います。









これはコフキトンボ♂です。私にとっては珍しいトンボに出会えました。以前住んでいた大阪北部でも見られることは見られたのですが、私の知る限り猪名川で一か所だけでした。







これは溝に生えていたメリケンガヤツリです。





そして、コフキトンボ♀です。これはまったく別の場所だったので、結構、普遍的に分布しているようです。







これは葉の形からコヒルガオだと思われます。



それにヤグルマギク



最後はイシミカワでした。この日は2時間ほど歩いたのですが、虫も植物も、結構、収穫はありました。

雑談)写真が溜まりに溜まっていたのですが、毎日雨で散歩に行けないので、その間に片づけていたら、かなり片付きました。後は5月17日と18日に撮った写真だけになりました。これをEXCELに入力するのがまた一苦労です。でも、データベース化しておくと、いつどこで見たのかすぐに調べられるので便利なのと、このデータベースを基にして手作り図鑑を作ろうとしているので、もうひと頑張りです。

接写を持って花と虫を撮りに3

2021-05-21 07:41:20 | 奈良散策
奈良散策 第93弾


5月14日の午後に接写カメラを持って花と虫を撮りに行きました。その続きです。









この間から気になっていたイヌガラシとスカシタゴボウ。花と実を撮っておこうと思って撮りました。「帰化&外来植物 見分け方マニュアル 950種」には見分け方が載っています。絵解きの検索表によると、この両者は果実と果柄の長さの比で見分けられます。果実が長いとイヌガラシ、短いとスカシタゴボウです。正確にはイヌガラシとミチバタガラシが前者の候補になるのですが、ミチバタガラシには花弁がなく、果実が直線的なのですぐに見分けられます。上二枚の写真を見ると、果実の方が果柄よりやや長く、果実は湾曲し、さらに花弁があります。それで、イヌガラシだろうということになりました。一方、果実が果柄より短いかほぼ同じ場合には、キレハイヌガラシ、ミミイヌガラシ、スカシタゴボウが候補になりますが、キレハは葉が切れ込み、ミミは果実が極端に短いのですぐに見分けられます。ということで、下二枚の写真はスカシタゴボウではないかと思っています。この両者は同じところに生えているので、ひょっとしたら交雑しているかもしれません。







この間からコメツブウマゴヤシではないかと思っている植物です。実ができると一発で分かるのですが、先ほどの図鑑によると、花数と托葉で見分けられるようです。花数は20-30個だとコメツブウマゴヤシ、5-15個だとコメツブツメクサだそうです。写真では20-30個はありそうで、コメツブウマゴヤシの方に分があるのですが、托葉は撮るのを忘れました。結論は実ができるまで待とうかなぁ。三枚目の写真に載っている小さな虫はアザミウマの仲間です。写しているときは気が付かなかった・・・。





これはマイマイガの幼虫です。雑食性なので、今頃はあちこちにいっぱいいます。6月になると、これが一斉に羽化するので、ジャノメの仲間かなと思うと、マイマイガだったということがよくあります。毛虫はどうも好きには慣れないのですが、以前、毛虫に生えている毛を調べたことがあります(ヨトウガの仲間オオタバコガヒメシロモンドクガ)。こうやって調べていくと、結構、親しみが湧いてくるものです。









これはハリコウガイゼキショウ。イグサ科です。





これは溝に生えていたカヤツリですが、メリケンガヤツリだと思います。







ほかにも溝に生えていないかなと覗き込んでいたら、イトトンボを見つけました。アオモンイトトンボです。何かを捕まえています。雰囲気、オドリバエの仲間かな。



アオモンイトトンボはほかでも見つけました。探せば結構いるかもしれません。14日に撮った写真はまだあるので、また、次回に回します。

接写を持って花と虫を撮りに2

2021-05-20 20:28:43 | 奈良散策
奈良散策 第92弾


5月14日午後に一眼レフにマクロレンズを取り付け、さらに、NIKON P950を持って、植物を撮影に行った時の写真の続きです。









この日は鳥は撮らないつもりだったのですが、珍しくセッカが電線に止まって鳴いていたので思わず撮影。



金魚の稚魚を放している養魚池に何かいっぱい生えてきていました。





拡大するとこんな感じ。葉の脇に芽のようなものが見えるので、最近、畑でよく見る帰化植物のホソバヒメミソハギかもと思ったのですが、もう少し育たないと何ともいえません。







ウサギアオイは小さな花が咲くのですが、今回は接写カメラを持ってきたので、拡大して撮っておきました。









いつものヨシ原に行くと、相変わらず、オオヨシキリがうるさく鳴いていました。鳥は撮らないつもりだったのですが、先ほど、セッカを撮ったので、不公平になるといけないと思って撮っておきました。





道にはみ出していたカラスムギです。





道沿いにコモチマンネングサが生えていたので、これも接写で撮ろうと思って、道端に座って撮りました。







黄色の花は意外に綺麗です。



写真を撮っていたら、いきなりカエルが飛び出しました。背中に白い線が入っているので、トノサマガエルの幼体ではないかと思います。(追記2021/05/20:uni2さんから、「カエルはヌマガエルと思います。背に筋があるのとないのがいるようですが、私がいる淡路島では筋が入っているのを見たことがありません。」というコメントをいただきました。「日本の両生爬虫類」を見ると、確かに背中線をもつ個体もあると書かれていました。背中線があるのはトノサマガエルとばかり思っていました。「背面はまばらな隆条突起と小さな顆粒状突起で覆われている」という点が見分けるポイントなのでしょうね。ご指摘、どうも有難うございました





この間、咲き始めたと思ったキキョウソウがいっぱい咲いていました。まだ、もう少し写真はあるのですが、また、次回に回します。

雑談1)イネ科を勉強しなくてはと思って、ほとんど衝動的に、長田武正、「日本イネ科植物図譜」(平凡社、1989)、桑原義晴、「日本イネ科植物図譜」(全国農村教育協会、2008)の2冊の図鑑を購入しました。両方とも古本だったのですが・・・。共に、手描きの丁寧な絵が描かれていて、イネ科はやはりこういう図鑑でないと分からないだろうなと思いました。ネットの書評にも載っていたのですが、前者は最初にイネ科を12群に分けた絵解き検索表が載っていて、また、本文中にも他種との違いが細かく書かれているので、種を決めるときにかなり役立ちそうです。後者には検索表がなく、また、他種との違いも書かれていないのですが、絵が精密に描かれているので、種の決定のときに役に立つのではと思っています。これからは撮影するときに、写すだけでなく、採取して調べていこうと思っています。(追記2021/05/21:桑原義晴、「日本イネ科植物図譜」でも属によっては検索表が載っていたり、類似種の違いについて書かれていました

雑談2)最近は天気が悪いので、ひたすら過去にブログに出してきた写真のデータベースづくりをしています。今日は昨年の9月分を仕上げました。昨年というと、新「廊下のむし探検」という名前のブログに出していたころです。この頃のブログを見ると、やはり虫が多かったですね。特に、蛾が多かったのが、今では何となく懐かしく思われます。私がこんな虫の写真を撮り始めたのは、大人になっても蛾が怖かったことがきっかけでした。蛾が怖かったのですが、マンションには明かりに惹かれてたくさんの蛾がやってくるので、どんな蛾が来るのだろうと思って、望遠でこわごわ撮り始めたのが最初でした。それが最終的にはたくさんの標本を作ることになったのですから、人生って不思議ですね。

接写を持って花と虫を撮りに

2021-05-20 08:14:59 | 奈良散策
奈良散策 第91弾


5月14日は朝、佐保川と秋篠川の合流点まで歩いた後、午後から今度はいつもの養魚池がたくさんある地区に花と虫を撮りに行きました。この日は、特に花をちゃんと撮ろうと思って、いつもは虫を撮っている一眼レフの接写(Nikon D7100+AF-S Micro Nikkor 85mm)とひょっとして鳥がいたらと思ってNikonのコンデジ(Nikon P950)を持っていきました。Nikon P950はコンデジなのですが、一眼レフ並みの重さを持っています。いつもは花はCanon SX70 HSで撮っているのですが、結果的に花を撮る時もNikon P950の方が鮮明に写ることが分かりました。ただ、一眼レフとこの重いコンデジ(これに一脚を取り付けている)を共に首から下げ、ポケットに双眼鏡を入れて歩いていると、カメラマンみたいにはなるのですが、とにかく重かったです。でも、いずれにしても花をちゃんと撮るときにはこの組み合わせがよさそうです。ただ、Nikon P950で拡大して撮ろうとすると、最短撮影距離が5 mなので、かなり離れないといけないのがちょっとネックです。クローズアップレンズでもつけてみたらよいかな。





最初は畑の縁で咲いていたウラジロチチコグサです。チチコグサの仲間もいろいろあるので、一度、まとめてみたいなと思っています。



タチイヌノフグリの花は小さいので、ぱっと見、咲いているのかどうか分かりません。



接写で撮るとこんなに立派な花が咲いていました。









こちらはいつも撮っているニッポンタチバナですが、今回はニコンのコンデジで撮ってみました。意外に鮮明に撮れます。





これはヤナギハナガサ。今頃はいっぱい咲いています。



セイタカアワダチソウにアブラムシが付いていました。花ばかり撮っていると写真を見ている人にはよいのですが、虫がいるとつい撮りたくなるのが私の性分。







「アブラムシ入門図鑑」によると、セイタカアワダチソウにはこのセイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシという長い名前の種だけが寄生するそうです。アブラムシは寄主が分かると種がだいたい分かるので便利です。ただ、寄主は季節によって変わることがあります。アブラムシの生活史については以前調べたことがあります。アブラムシは普通、冬~春と夏~秋で寄生植物を変えるという寄主転換を行うのですが、セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシの場合は周年セイタカアワダチソウだけにつきます。写していると、一斉に同期して振動する様子が面白いです。何の合図で同期しているのでしょう。視覚情報なのかなぁ。黒いアブラムシが一匹写っているのですが、まったく動かないので死んでいるのかもしれません。これは何だか分かりません。







ユキノシタは民家の塀の外で咲いていました。ユキノシタは花の形が面白いので、写し甲斐があります。



シオカラトンボがいました。この日の撮影でトンボの種類数は増えたのですが、それでも数は少ないです。



栄養の行き届かないひょろひょろっとした草なのですが、花が咲いていたので写しました。



たぶん、マメグンバイナズナではないかと思います。







民家の塀の下からはみ出していました。花は見るからにナス科なのですが、花弁が4枚? でも、たまたま正面で写った花だけが4枚で、ほかは5枚のようです。固い葉を持っていて、たぶん園芸種というのでネットで調べてみると、ナス科のタマサンゴ Solanum pseudocapsicumのようです。夏になると赤い実ができるみたいなので、ちょっと楽しみが増えました。

まだまだたくさん撮ったのですが、長くなるので、一旦、ここで終わります。