電脳くおりあ

Anyone can say anything about anything...by Tim Berners-Lee

東日本大震災から1ヶ月

2011-04-11 22:01:54 | 生活・文化
 3月11日から今日でちょうど1ヶ月が経過した。余震が続き、原発がまだ予断を許るされない状況で、私たちは、復興への希望を語るよりも、どちらかというと不安な日本の未来を想像してしまいそうだ。大前研一さんの言葉を使えば、日本経済が今まさにメルトダウン寸前のところに、大震災がやってきた。地震と津波と原子炉溶解という非常事態の中で、私たちは、ほとんど第三者であることを許されず、当事者として巻き込まれつつある。この先、我が日本がどのような未来を作り上げていくことができるのかは、私たち1人1人の在り方に左右されていくに違いない。
 東日本大震災について語ることは、今の私にはまだできない。被災者に向けて、管総理大臣のように「頑張れ!」というような言葉を私は使いたくない。私たちは、ただ、黙々と働く以外に方法はない。そして、今こそ、「働く」と言うことの意味を、考え直してみるべきかもしれない。私たちは、すぐ、ボランティアという言葉を使うが、「働く」というのは、本来、自分の為にではなく、誰か他人の為に身体を使うというということを意味している。資本主義社会では、労働は、賃金をもらうための活動になっているが、本来は、ある意味では奉仕である。私たちは、社会的にいろいろな組織的活動(公的な組織であったり、民間の企業活動であったりするが)をしているが、それらは、自分の為ではなく、誰か他の人のために活動しているのであり、たまたま、それが、資本主義社会の中では、労働という形になっているだけだ。

 勿論、被災した人たちが、今必要としているものは、できるだけ早く供給されなければならない。しかし、そのほかのことについて言えば、私たちは、自分の仕事を通じて行う以外、本質的な支援はありえない。もしそれが、不可能と言うことであれば(支援になっていないということであれば)、それは、私たちの社会の欠陥であり早急に是正されなければならない。そして、この大震災は、いろいろなシステムの欠陥や、人的な欠陥を露呈させてきたことも事実である。例えば、原発事故により、東京電力の電気の供給量が減少し、結局計画停電が行われた。そのときに、東京23区は基本的に計画停電の地域から外された。これは、何を意味しているかというと、原発は、ある意味では、東京への電気の共有のために存在していたと言うだけではなく、東京は周辺の地域の犠牲の上に成り立っていることの現れでもある。

 東京には、国家の中心的な機能が集中しており、それを止めるわけにはいかないということで、計画停電の地域から外されているが、本当は、東京の首都機能を維持するために周辺地域は犠牲になれと言っているのだということは覚えておいた方がよい。そこには、もし、あの東北を襲った大津波が、東京を襲ったらどうなるかということなど想定されていないのだ。東京電力は、本当は、どこも平等に計画停電にすべきだったのだ。そうでなければ、たぶん、必要な改革はなされることはない。管総理大臣のもと「復興計画」が有識者によって検討されるそうだが、それは、東北と関東の被害地域だけの復興だけではなく、それ以外の地域のいびつな構造事態も変えていくものでなければ中途半端なものになってしまうだろうと思われる。

 このことについては、もう少し時間をかけて改めに考えたい。この1ヶ月の間、私は、いろいろなメディアを等して情報を収集してきたが、私が自分の行動の指針に役立ったのは、ツイッターを窓口としたことだ。私は、自分が信頼している人たちのツイッターをフォローすることにより、そのときに必要な、情報や考え方を知ることができた。テレビや、新聞や雑誌は、ほとんど、役に立たなかった。そういう意味でも、3月11日以降は、私の情報収集の仕方が、まったく変わってしまった。というより、それ以前からネットを通じて、情報を得ていたが、この大震災以降、単なる情報だけではなく、考え方もまた、ネットに依存していくようになったということだ。

 大震災に対する基本的なスタンスは、内田樹さんのブログに教えられたし、大震災と原発に対する考え方については、大前研一さんの動画や論文から教えられた。そして、いろいろな情報については、佐々木俊尚さんのツイート(facebook毎日まとめて配信されている)から学んだ。今でも、彼らから、教えられながら、自分の考え方や行動の指針としている。それが、間違っているかどうかは、これからが証明してくれるはずだが、内田さんの言葉を借りれば、彼らからの情報により、私は私なりの物語(仮説)を紡ぐことになる。従って、私の考え方は、ほとんど、借り物だが、借り物だけでできあがっていることを知っていることだけが私の取り柄だと言えば取り柄かもしれない。
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