電脳くおりあ

Anyone can say anything about anything...by Tim Berners-Lee

「北澤美術館」

2009-11-03 22:46:17 | 生活・文化

 1日に中津川に行った。前回に行ったと同じように、かみさんの運転で、親父の見舞いと中津川の実家の処理について親族会議。今回は、早めに終わったので、その足で諏訪に向かい、諏訪に泊まる。宿泊は、「ルートイン・上諏訪」。中津川を午後4時頃出たのだが、途中で激しい雨になり、中央高速を時速70Km~80Kmくらいで走る。ホテルに着いた時も、激しい雨だった。ホテルは、上諏訪駅のすぐ近くにあるのだが、日曜日だということと、雨のせいで、夕食を食べるところがなかなか見つからなかった。上諏訪駅前の蕎麦屋に入り、冷酒を飲みながら「蕎麦御前」を食べる。

 次の日は、昨日の雨などまるで嘘のようによく晴れた天気だった。しかし、気温はまるで冬のように低い。今日の目的は、諏訪大社で家内安全の祈願をすることと、北澤美術館に寄ることだった。諏訪にはかみさんと何度も来ているが、いつも通り過ぎるか、諏訪大社に寄ってすぐ帰るかで、泊まったことはなかった。もちろん、私は別の機会に、諏訪に泊まったことがあるが、かみさんと一緒に泊まったことはない。折角、泊まるのなら、是非、北澤美術館の寄りたいというのが、前からの望みだった。

 「ルートイン」は、私とかみさんが一緒の場合は、たいてい泊まる。会員になっていて、ポイント制になっていので、5パーセントのバックがある。最近は、温泉宿に泊まるより、こうした一種のビジネス・ホテルに泊まり、夕食は地元の面白いお店に行ったほうが、やすくて美味しいものが食べられる。温泉宿の豪華な宴会料理は、とても食べきれないし、自分ですきなものを選べない。というわけで、最近は「ルートイン」をよく利用している。10月中旬の函館旅行も「ホテルグランティア函館駅前」を利用した。夜の函館の街探訪もまた楽しかった。また、「ルートイン」には、たいてい大浴場がついており、「ルートイン・上諏訪」の大浴場は、なかなかの温泉だった。

 ところで、北澤美術館には、フランス近代ガラス工芸の巨匠、エミール・ガレとドーム兄弟のガラス細工が展示されている。北澤美術館は、株式会社キッツが出資した財団法人北澤美術館が運営している美術館で、諏訪には本館と新館があり、清里に清里北澤美術館がある。新館には、日本最大級のガラスミュージアムショップがある。かみさんは、どちらかというと、箱根仙石原にある箱根ガラスの森美術館が好きらしいが、そこはヴェネチアン・グラスである。

 私たちは、まず、9時少し前に諏訪大社に寄り、9時から始まる祈祷を済ませ、北澤美術館の本館に向かった。本館は、諏訪湖の北側にあり、1階はアール・ヌーヴォーからアール・デコ期のガラス工芸コレクションの常設展示なっている。また、2階は東山魁夷や杉山寧などの現代日本が巨匠のコレクションの常設展示だ。1階も2階もそんなに広くはないが、特に2階では、中央の椅子に腰掛けて、ゆったりと日本画が鑑賞できる。そして、その部屋から出て、喫茶室に入り、紅茶のケーキセットを注文し、諏訪湖を眺める。諏訪湖畔沿いの遊歩道に植わっている落葉樹はすっかり紅葉し、ススキの白い穂が風に揺られている。時々、散歩をしている人がいるが、もうすっかり今日は、冬支度のようだ。

 本館で1時間ほど過ごしてから、ちょうど諏訪湖の反対側にある北澤美術館の新館に向かう。こちらは、2階がガレ、ドーム、ラリックの3大コレクションの企画展示になっていて壮観である。私の個人的好みから言えば、ガレよりもドームの繊細なデザインの方が気に入った。ガレの草花は華やかだが、ドーム兄弟の草花は繊細で可憐である。それらは、私たちに不思議な安らぎを与えてくれる。私は、備え付けの椅子に座って、仄かにライティングされて、薄暗がりの中に浮かぶ、ガラスの花器をしばらく眺めていた。かみさんも、珍しく静かに光の饗宴にしたっているようだった。

 ところで、新館の1階はとても大きなガラスショップになっていて、じっくり見ていると疲れてしまいそうな所だ。かみさんは、ガラスの箸置きのセットとネックレスを買った。それから、新館の中にあるレストランで昼食を食べる。本館と新館と併せて1000円の入館料になっていて、そんなに高いわけではないが、ついついガラスの工芸品を買ってしまうので、思わぬ出費になったりする。新館を昼少し過ぎに出たが、諏訪は少し曇りはじめ、空気はひんやりとしていた。天気予報では夜に雪になるかもしれないと言っていた。

 私たちは、追われるように、諏訪インターから中央自動車道に入ったのだが、そのとき、北澤美術館・新館が「諏訪湖SA」のすぐしたにあったことに気がついた。そんなものなのだ。道路は、空いていて、3時前に飯能に帰り着いた。圏央道の狭山・日高を出た時、1500円と表示された。高速料金は2日もかなり割引されているようだ。ところで、今日は、本当は仕事があったのだが、私は有給を取った。せわしない旅行ではあったが、精神的は今回はとてもゆったりとした旅行だった。多分そう感じたのは、中津川の親父の病気の症状と実家の処理の仕方がそれなりに良かったからだと思われる。ただ、これからは仕事がとても忙しくなり、旅行どころではなくなるのが気になる。

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