今年の夏は酷い夏でしたね色々な公演が中止になり、告知のtweetを見かけるたびに悲しかったです。
去年より遥かにダメージが大きくて、私のチケットも何枚も消えてしまいました
秋にはもう少し状況が改善しているといいんですけど
それでも最後にもう一度「グレート・ギャツビー」を観られたのはラッキーでした。
しっかり噛みしめて観ました。生で観ることはもうありません。あとは配信かライビュで見られるかな。
ネタバレ少しありますよ。
東京公演が始まるまでには、と思ってたんですけど間に合いませんでした
2作目がギャツビーに決まった時は正直それほど嬉しくなかったです
ショー好きだからというのもありますが、ざっくりした内容と結末を知っていたので気が重くて。
同じイケコ氏の一本物なら「カサブランカ」の方が良かったのに、と思いました。
どちらの主人公もカッコイイし、かなとくん(月城かなと)に似合うと思いましたが、
結ばれないのは同じでも、カサブランカの方が希望のある終わり方なんですよね。
ギャツビーは難しい役です。粘着質でストーカーじみてて狂気すら感じる。人によっては“怖い”と思うでしょうね。
平気で噓をつく、裏で何をやってるか分からない胡散臭い人間。上流階級じゃなくても普通の親なら付き合うのに反対するでしょう
それでもデイジーは彼を信じていたし本気でした。若くて世間知らずだったというのもあるでしょうけど。
ギャツビーにとっても生涯でただ一度の愛でした。
頭が良くて努力家で、それでいて大胆な決断力もある彼が、冷静な判断が出来なくなるくらいに。
理屈とか計算じゃないんですよね。
デイジーを愛している、が全て。そして彼女も自分を信じ愛していたことを知っていたのが大きかったのかな。
だからデイジーの娘を愛せると断言できるし、相応しい人間になろう、変わろうとしたんでしょうね。
そのくらい“ピュアで一途”
最初の「朝日の昇る前に」の歌いだしを聞いた途端、切なくて胸が痛くなりました。
「朝日の昇る前に」は歌われる場面で少しずつ歌詞が違っていて、歌い方も違っていて、ギャツビーの心情が良く伝わってきます。
観る前は何で「朝日の昇る前」なんだろう、と思っていたんですが
朝日が昇って新しい一日が始まるように、二人でやり直して新しい人生を始める、生まれ変わるんだっていう意味を込めていたんですね。
上手くいきそうだったのに、少しずつ不運が重なってしまったのが何とも
トムの愛人がマートルでなければ、マートルの夫がウィルソンでなければ、キャサリンが姉の不実を隠さなければ。
車を運転していたのがデイジーでなければ・・・・。
それでもギャツビーは満足だったんでしょうね。
ウィルソンと対峙する中で、愛する人を守れたと知って安心したんだろうと思います。「俺の勝ちだ」と思ったかも。
あの場面で「容疑者Ⅹの献身」を思い出してしまいました
罪の意識に耐えかねて自白してしまう、なんとしても守りたかった親娘に向かって叫ぶ容疑者Ⅹが可哀相で
冷たいように見えるかもしれませんが、デイジーの取った行動はギャツビーのためにも正しかったと思います。
その後のデイジーの気持ちはわかりませんが
物語の背景には厳然と階級社会と差別が存在していて、それは多分今も続いている
自由の国アメリカ、アメリカンドリームの国アメリカ、なんですけどね。
そういう意味では「ME AND MY GIRL」や「My Fair Lady」は舞台がイギリスですが、おとぎ話なんでしょうね。
(「My Fair Lady」の原作は結末が違うそうですが)
3週間ほど間がありましたが、まるで公演を重ねてきたかのようにお芝居が深くなっていて、素晴らしかったです。
スーツ祭りのこの公演ですが、ギャツビーが大富豪なので素敵なお衣装とっかえひっかえで眼福です
パーティーシーンは黒タキですしトレンチコートも似合いすぎる
一番のお気に入りはアイスキャッスルの場面かな。裏の顔を見せる、かなとくん(月城かなと)にドキドキします
視線が鋭くて貫禄があって、男役全開で階段を降りてくる姿にキャァ~ってなります
白スーツの後ろ姿もカッコイイラストパーティの時より更にパワーアップしてて哀愁もあって、
背中で語れる男役になったよね~
横に逸れますがトレンチコートの、かなとくんが大好きなんですよ(嫌いな衣装はあんまり無いかもしれませんが)
ファーストフォトブックのもカッコ良くてテンション上がりまくりでした
かなとくんで刑事ものか、探偵ものやってくれないかな~絶対似合いますよね見たいな~、よろしくお願いします