「はばたけ黄金の翼よ」は、ターコさん(麻実れい)サヨナラ公演の34年ぶり!の再演。
スカステの番組「こだわりアラカルト」とかで、新婚の寝室でヴィットリオに斬りかかるクラリーチェ一路さんを何度も目にしてたので、
一体どんな話でどうなるの?と思ってた作品でした
ネタバレありありですよ。
34年前の作品なので曲とか、音楽の入り方とか、さすがに古っってところもありますが。
超楽しかったです~これぞ宝塚の王道
宝塚×コスチューム物×少女漫画の親和性の高さよ
最近の少女漫画って、こういうドラマチックなコスチューム物少ないみたいなのが残念。
新作を見たいけど、どうしても昔の作品を掘り起こすってことになるのかな。
お稽古場レポートで、あみちゃん(彩海せら)が「(大芝居なので)“間”が怖い」って言ってましたけど
現代物とは違って、ためや振りが大きいのは確かですが、日本物に慣れた雪組なので全然大丈夫でした
ベルばらほどじゃないしね
だいもん(望海風斗)ヴィットリオ様は、鬘の心配をしてましたけど、ちゃんと自分に似合う鬘をチョイスしてました。
さすがだわだいもんが鬘で失敗してるの、見たこと無い気がします。
そして自分でも言ってましたが、珍しく高貴な役
いつも底辺を這いずり回ってるか、苦労して成り上がるかの役が多かったですからね~
上から目線で野心家で自信たっぷり、帝王学を叩き込まれた冷徹な北イタリアの領主。
「ハッハッハッ」って高笑いが最高こんな、だいもん見たかった~と娘が喜んでました
すっかり出来上がってて、これ以上成長する余地はなさそうな立派なご領主様でしたが、
クラリーチェに出会ったことで、変わって行くのが意外でした。
最初は面白がって余裕綽々、手のひらの上で転がしてる感じがアリアリだったんですけどね
自分でも驚いたでしょうし、周りにも狼狽えてた人が何人もいました。
やっぱり愛よね
真彩ちゃん(真彩希帆)クラリーチェは長く紛争の続いている隣国の姫。和平の証に父の敵の嫁に出されます。
可愛かったですよお衣装もどれも似合ってましたし、念願の男役も出来て良かったわね
原作は40年ほど前の作品ですが、気が強くて自分で道を切り開いていこうと行動するヒロインは
今時女子にも共感でき、古臭さを感じ無かったのではと思います。やっぱり原作者が女性だから、っていうのもあるでしょうね。
「宮本武蔵」のお通みたいなヒロインは、男性にはウケがいいみたいですが、女性にはウケないのよ、
っていうのを、いい加減宝塚の演出家も気付くべきです。
客の大半は女性ですし、結構な高年齢の世代でも、苦々しく思ってる人は多いと思います。
あーさ(朝美絢)はヴィットリオの幼馴染みで腹心の部下ファルコ。
敵国の姫を娶って変わっていくヴィットリオに不安感じ、裏切ります。それもヴィットリオのためを考えて、なんですけどね。
バレて殺されそうになったけれどクラリーチェに助けられ追放に。
でもその際一族郎党皆殺しにあったと思うんですが、それはいいのかクラリーチェそれとも私の聞き間違い?
隣国の大臣に拾われ、ヴィットリオを捕らえる企みに加担するファルコ。
異母兄ジュリオ(ひとこくん 永久輝せあ)に騙されたクラリーチェの協力で、ヴィットリオは囚われの身に。
そこでファルコには斬りつけられて片眼を失うは、ジュリオには鞭で痛めつけられるは、散々な目に。
ボロボロのヴィットリオ様に萌えた変態女子も多かったのではないでしょうか
そういうのって、いったいどういう感情なんでしょうね
結局ファルコはヴィットリオを殺すことができず、クラリーチェとヴィットリオの逃亡に手を貸します。
教皇の手を借りたり、援軍を頼みに行ったりクラリーチェ大活躍
そして教皇やヴィットリオもろとも、主のジュリオまで亡き者にしようとした大臣の悪事を暴いて大団円
領国をヴィットリオに渡そうとするジュリオに、領地を預け領民を幸せにするよう命じるヴィットリオ。
逃げるのを助けてくれたのがファルコだったことを知ったり、
ファルコの妹ロドミアが、身代わりに毒入りの飲み物を飲んで死んだこともあって、
考えることが色々あったんじゃないかな、と思います。
もしかしたら遠くない時期に、ファルコの帰国を許すんじゃないかな、という気がしました。
意外にも超俺様なヴィットリオ様の成長物語だったみたいです
っていうかクラリーチェに関わった、多くの登場人物が自身も含め、成長して変わっていく話でした
後味も悪くないし、いい作品だと思います。娘は大絶賛、すっごい好きと観た直後から大興奮でした