9月とはいえ残暑厳しいとある休日、やんたんに行ってきました。
ご存知ない方のために、少しだけ説明。
やんたんという可愛い地名は、京都府の南東部、宇治田原町にある地区名で、湯屋谷と書きます。
緑茶を発明した永谷宗円の生誕地であり、「お茶の京都」の中心地のひとつです。
やんたんにある杉の美林と大滝、周辺の植物たちに惹かれ、通い詰めたのがコロナ禍真っ只中のころ。
自宅から車で40分強という地の利もあり、多いときは3週連続で行っていました。
ところが今年はそんな習慣に異変が。
6,7月は雨で、7、8月は猛暑で足が向かなくなってしまったのです。
ようやく朝夕の気温が下がった9月上旬、4ヵ月強ぶりにやんたんに行ってきたという次第。
いつもの通りやんたん会館の駐車場に車を停め、散策スタート。
集落には小川が流れいつもはキセキレイなどの姿が見られるのですが、この日は生き物の気配がありません。
思ったより暑くなり、人も鳥もどこかに引きこもってしまったようです。
小川の縁に咲くコアカソ
足元に咲いていたのは今年初見、それどころか地元ではとんとご無沙汰のミゾカクシです。
背の高い植物は何?
オトコエシでした。今年も咲いたね~
ここから先、工事現場の横を通るのがちょっと苦手。
休日なので工事は行われていませんでしたが、砂埃が立ち、日陰がないのでひときわ暑い。
ここで見かけるこの草は・・・花が咲いていますね。
ヤブマオにしては背が高すぎ?
こちらはナガバヤブマオ。その名の通り葉が細長く、背がすごく高いです。
ふう、ようやく工事現場を通り抜け、杉林へ。
木陰になり、気温が2,3℃下がったように感じます。
そこに咲いている花の種類もガラッと変わりました。
一番沢山咲いていたのは・・・
白い可愛いこの花は、マツカゼソウ(ミカン科マツカゼソウ属)。
へえ!今更ですがミカン科なんですね。今度見かけたら、葉の香りをかいでみましょうか。
いつもは暗いし、風で揺れるしで写真が撮りにくいのですが、この日は無風。
花の中までしっかりと覗き込むことができました。
雄蕊には長短があり、中央の花柱の根元に4つに分かれた子房があります。
足元に咲いていたこちらは、お久しぶりのハグロソウ。
キツネノマゴ科ハグロソウ属。
林内ではそれほど珍しい花ではありませんが、出会うと嬉しいです。
お地蔵様にご挨拶して先に進みます。
水の流れは変わらず涼し気です。
一瞬キノコかと勘違いしかけたこちらは・・・
葉を見て気づきました。ヤマジノホトトギスの蕾のようです。
惜しい!もう少ししたら花が見られそうですね。
こちらも蕾・・・
ミカエリソウ(シソ科ミカエリソウ属)です。
咲くのはあと1ヵ月くらい後でしょうか。
それにしても、入り口から滝まで当たり前ですがずっと登りだったのを忘れていました。
ふうふう言いながら滝に到着。しばし休憩をとりました。
この前の週、大瀧大明神のおまつりである大瀧祭が行われたため、周辺は徹底的に草刈り。
見ての通り、草一本ありませんでした。
なので、水分補給の後早々に退散。
帰る途中に見たこの虫、エダシャクの仲間のようです。
羽が半分重なっているので確実ではないですが、スギタニシロエダシャクに似てる?
杉林だけにぴったり。
行きは気づかなかったアザミの花を見つけました。
毎年見つけるのですが、名前が分かりません・・・
センニンソウも沢山咲いていました。
砂防ダムから集落を眺めたところです。
いつまでも守りたい日本の光景です。
ということで、今回のやんたん散歩はこれだけ。
他には実の写真を沢山撮りましたが、そちらはネタのないときに出しますね。
【撮影:2023/9/9 宇治田原町】