この話を聞いて、色々な記事を読んでみたが・・・、正直な感想は「ああ、トヨタもやっちゃったか。」ってなもの。
ソニーのオーディオ用 microSD カードと同じ臭いがする・・・。
このアルミテープ自体は、「空気との摩擦により発生した静電気を逃がし、それによる気流に対する悪影響を抑え、空力性能が上がる。」物らしい。
トヨタの技術者によると、「 開発に至ったきっかけは、同じ仕様の試験車を何日も乗り続けていると、何も仕様変更をしていないのに、なぜか前日と印象が異なるということが何度かあったんです。」との事。
うん、当たり前だよね。
気温、気圧、湿度、風向、風速等、静電気なんかより余程空力的な影響が大きいファクターが毎日同じな訳が無いんだから。
それに、路面状況、タイヤの具合も決してイコールコンディションでは無いはず。
それを何故静電気が原因と思ったのか・・・。
そもそも、自動車程度の速度域で発生する静電気が空力に影響を及ぼすのなら、比較にならないほど更に高い速度域で移動し、空力の影響が顕著に出るはずの飛行機の技術者が何故気が付かない?
確かに飛行機にも「放電索」という物は付いている。
だがこれは、搭載電子機器への静電気の影響を避ける為の物で、空力的な意味は無い。
つまり、電子機器への影響が出るほど静電気がたまっても、空力的には特筆するほど影響は無いって事。
飛行機の場合、コロナ放電を起こす事があるほど静電気がたまる場合もあるのにだ。
俗に言う、「セントエルモの火」ってやつですね。
まあ、静電気が気流に影響を与えると仮定しても、そこまで静電気がたまっているのなら、それなりの物理的な現象を起こすはずである。
例えば、近寄ったら毛が逆立つとか (下敷きを擦ると毛が逆立つって言うアレ) 、埃を吸着するとか (伝導体であるボディより明らかに埃が多くなるはず。) ・・・、生憎と俺はそういった現象に遭遇した事は無い。
高速を長時間走った直後でもね。
あ、車に触ったら放電したって言うアレは違うからね。
あれは衣服やシートとの摩擦で “人間側” にたまった静電気が、ボディを通して放電しているだけだから。
因みに、モータージャーナリスト達の記事を鵜呑みにしちゃダメだよ。
彼らは業界最大手の自動車メーカーであるトヨタの発表に批判的な記事は書けないんだから。
批判的な記事を書いて心証を悪くしたら今後の活動、ひいては生活に影響が出るから批判は出来ないんだよ。
それまで絶賛していた車に新型が出たとたん、今まで1行たりとも書いてなかった旧型の悪い所をいきなり持ち出して、新型を褒め称える記事を書いている人も多いしね。
あるジャーナリストなどは、“空気との摩擦で帯電し、気流に影響をもたらすのを避ける” ってうたい文句の製品なのに、“始動させてからすぐの低速域でのフィーリングに効果が高い” なんて書いている始末。
もう、笑いしか出ないよ。
まあ、一万歩譲って、フロントバンパーはよしとしよう。
けど、フロントガラスの隅にアルミテープを貼っただけで、「前方向からの風を整流化してダウンフォースを適度に受けられるようにし、接地性向上とロール制御の働きを成す。」って言われてもねぇ、絶縁体であるガラスの隅にちょこっとアルミテープを貼っただけで、どうやってフロントガラス全体の静電気を逃がしているのやら・・・。
更に、「コラムカバーは、フロントタイヤの空力的悪影響の軽減により、微操舵の正確性や接地性の向上という威力を発揮する。」って・・・、何をどうやったらコラムカバーに貼ったアルミで、フロントタイヤの静電気を逃がせるのか、小一時間問い詰めたい気分である。
それでも、「あのトヨタが特許まで取ってるんだから。」と思われた方、特許は新規性・進歩性が認められれば、効果は関係無く取れるんだよ。
あのトヨタが言ってるんだから、って考えた時点で思考停止してちゃダメ。
内容を見て、情報を集めて本当にそうなのかを自分で判断しないとね。
「でも、効果が有るって言ってる人が大勢居るから・・・。」って言ってる方も居るかもしれないけど、「あのトヨタが売り出した位だし、みんなが効果有りって言ってるから有効なんだろう。」という思い込みから来るプラシーボ効果も考えに入れておくべき。
効果有り、と判断した人が、何故その判断に至ったかという部分の検証も大事。
まあ、俺が天邪鬼で、すぐに疑って掛かる性格だってのも有るんだろうけどね・・・。