気まぐれ猫の徒然の日々

気楽に、時々思いついたことなどを書きつづっていきたいと思います・・・。
諸般の事情で絶賛引きこもり中。

S660 と レヴォーグ

2018-01-27 02:09:14 | 

通勤と近場を一人でうろつく際は S660、家族で動くか遠出をする際はレヴォーグと乗り分けを初めてもうすぐ半年になるが、感じた事などを書いてみようと思う。


S660から乗り換えていつも感じるのは、「ああ、レヴォーグって良い車だなぁ。」って事。
ボディは言うに及ばず、足回りからステアリング周りまで剛性感たっぷりで、路面のギャップを上手くいなしながら路面状況はしっかりと感じ取る事が出来るセッティング。
ロールはするが、奥でしっかり踏ん張る足回り。
多少のラグはあっても余裕たっぷりなトルクを低回転から絞り出し、レブリミットまでストレス無くきっちり回るエンジンとそれをしっかり受け止める駆動系、S660とは違った意味で運転するのが楽しい、ホントに良く出来た車である。
メーカーが設定したこの車のコンセプトはおそらく「ハイスピードツアラー」だと思ってるんだけど、その用途としては文句の付けようも無いくらいだ。
楽に速く、楽しく安全に移動するって言う目的にはぴったりな車である。
STIのパーツで手を加えた事も有り、現状で残ってる不満な部分はタイヤだけかなぁ。
車重に対して横方向のグリップが不足しているのと、サイドウォールが柔らかい為、ステアリングの切り始めでタイヤがたわむ分、反応が遅れ気味な事。
まあ、これは乗り心地とのトレードオフなので、オーナーの好みの問題なんだけどさ。
車重が重いってのもあるけど、これはメリット・デメリットがあって一概に不満とは言えないし、レヴォーグのコンセプトには合ってるのかなって気がしている。


それに対して S660はコンセプトとしては「安く手軽に、スポーツライクな運転を楽しむ」って所だと思うんだけど、こいつもその目的に沿った車だと思う。(軽自動車にしては「安く」は無い気はするけど・・・。)
軽く小型で、ひらりひらりとコーナーをクリアしていける身軽さ。
車重が軽いのと、俺が乗っているのがマニュアルミッションという事もあるが、操作に対する反応が早い。
実際、とても楽しい車だと思っている。

と言っても不満な部分も多いんだけどね。
まあ、以前から言っている様にこいつはスポーツ車たり得ない、と言うかスポーツ車としては足りない部分が多過ぎる。
まず、あちこちの剛性が全く足りてない。
オープンボディなので仕方が無い部分も有るが、ボディはたわんでバタつくし (足回りのセッティングがそれを助長している気がする。)、ステアリング周りの剛性も足りず、伝わってくるインフォメーションはグニャグニャとして、ダイレクト感に乏しい。
ボディ剛性に関しては補強用の後付けパーツも色々出ているが、車重増ってデメリットと引き換えになるで、エンジンのトルク不足も有ってS660の良さをスポイルするかも・・・。(ドライバーの体重の方が影響が大きそうな気もするが・・・。(笑))
三気筒のターボエンジンはガラガラと五月蠅く、バランスもいまいちな回り方をするし、何よりスポーツするにはトルクは全然足りないし、回転でパワーを稼ぐタイプでも無い。
手を加えようにもチューニング耐性は低いみたいだし。
少なくとも「楽しい」エンジンでは無いよね。
更に、超安定指向なセッティング。
トルクが細いエンジンに対して過剰なサイズ、グリップを持つリアタイヤ。
足回りのセッティング、電子制御も含めて絶対に後輪は滑らせないぞって感じなんだよね。
つまり、手軽にスポーツライクな運転を楽しめるが、それ以上は・・・、って感じ。
電子制御の介入って問題もあって、あくまで「お手軽」タイプ、間口が広く奥が浅いタイプの車かなぁ。


うん、S660とレヴォーグって、ほぼ正反対な車の様な気がする。
はっきり言って、総合的な車の出来としては S660とレヴォーグは比較にならないほどの差がある。
でもまあ、これは当然。
車体価格が二倍近く違うのだから当たり前と言えば当たり前の話である。
と言うか、それくらいの差が無ければ泣くぞ。(笑)

特に感じるのは、メーカーの考え方の差。
スバルの車は、電子制御はあくまでドライバーのサポート、出来るだけ介入させない様、介入するにしても自然な感じで介入してくる感じ。 (アイサイトの衝突防止は別。)
基本的にドライバーの技量に任せており、車の限界もつかみやすく、多少限界を超えても超えるタイミング、超えた後の挙動が掴みやすいから何とかなるし、その状態でも割とコントローラブルである。

対して S660は、基本的にドライバーの技量は信用していない。
クラッチはわざとゆっくり繋がる様になっている (クラッチオイルのラインを一部狭めて、急激に繋がらないようなって居る) し、絶対にリヤが出ない様なセッティング、スイッチを OFFにしても実は切れない電子制御、操作に対して機敏 (過激) に反応する等々。
ドライバーの技量を必要とせず、一定の範囲で楽にスポーツライクな走行が楽しめる様になっている。
その為操作に対する反応は過激と言っても良いほどになっている。
例えばブレーキ、初期制動がかなり強いタイプで、車重の軽さも有りすごく効く様に感じるが、その反面細かいコントロールに苦労する。
ステアリングも切ればすぐに (過剰なほど) 曲がってしまい、荷重移動をしようがしまいがあまり挙動は変わらない。(とは言っても、荷重移動をせず、急激に曲げると当然アンダーは出る)
ただ、ステアリング剛性はあまり高くない様で、インフォメーションはマイルドだし、過激に反応する事も有り、狙ったラインに綺麗に乗せようとすると細かい修正舵が必要となる。(スピードレンジが上がるに従ってその傾向は大きくなる)
おまけに、限界が非常に掴みづらい。
「どこまで詰められるか」が感覚的に掴めないのだ。(腕が無いのが原因の殆どだとは分かっているのだが・・・。)
今まで乗ってきた車の中でもダントツに限界が掴めない車なのだ。
電子制御が介入するタイミングが限界点?のような感じ。
おそらくこの車、限界を超えた瞬間にすっ飛んでいくんじゃ無いかと思ってしまう。
なので、俺はこの車では攻める走りは怖くて出来ない。
レヴォーグの方がよほど攻められるし、その領域ではレヴォーグの方が楽しい。
サーキットに持ち込むなら迷わずレヴォーグを選ぶ。
ワークスチューニングサーキットデイもレヴォーグで走ったし・・・。

なので、この車ではドライバーの技量は向上しないと思う。
と言うか、何をしても車側で何とかしちゃうから運転は下手になると思ってる。
実際、レヴォーグを運転してる時、「S660で運転に変な癖が付いちゃってるなぁ。」と思う事が度々ある。
レヴォーグは重く反応が鈍い部分はあるが、操作に対する反応は素直でコントローラブル、各種インフォメーションもしっかり返って来る為、挙動が掴みやすく「車と対話をしながら運転する。」事が出来るので、運転の技量を向上する事が出来ると思う。

ただね、S660ってお手軽に、気楽に楽しむには最適と言って良い車なんだよね。
小さく軽い車体に過激なまでに反応する操作系、簡単には破綻しない安定指向のセッティング、気合いを入れずにちょこちょこっと楽しむにはすごく良い車なんだ。
なんと言ってもうちの S660はマニュアルだしね。(笑)

コメント
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