新型コロナウイルスの感染者は世界で150万人を超え、特にアメリカは43万人と突出して多くなっています。
それもそうだろうなあ、というのも、マイケル・ムーア監督のドキュメンタリ―映画
「シッコ SiCKO」(2007年公開)
を思い出したからです。
この映画で描かれるのは、アメリカの医療保険制度。
当時、アメリカの人口約3億人の中で約5千万人の人が無保険でした。たとえ病気になっても保険がないと病院から路上に放り出される。
事故で手の指を2本切り落としてしまった人の話では、治療費が、中指だと600万円、薬指だと120万円なので、中指はあきらめて薬指だけ治療した。
ドラマなどでもたびたび描かれていますが、アメリカではガンになったら家を売らないと治療費が払えない。
そういうクレージーな医療制度を今も続けているのがアメリカです。
オバマ大統領の時代にオバマケアの導入で無保険の人の数は減ったそうですが、今再び増え始めているようです。
貧しい移民の人たちは医療保険に入るどころではない。そういう人たちが新型コロナにかかったらどうなるか、火を見るよりも明らかです。
現に黒人とヒスパニックの人たちの死者が多いといいます。
たとえば17歳の少年が無保険だったため医療を受けられずに死んでしまったというこの記事。
健康保険未加入で病院から門前払い…新型コロナ感染で米国の17歳少年が死亡とNY紙が報じる
米国のロサンゼルスで新型コロナウイルスに感染し、死亡した17歳の少年が健康保険に加入していなかったために、緊急医療センターから門前払いとなっ...
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資本主義は命よりお金を優先させる。
お金が何より大事。命よりもお金。
その結果として、現在のアメリカがあるわけです。
これって、考えてみればゾンビ映画そのものじゃないですか。
ハリウッドが散々描いてきた「ゾンビ」が今や世界を席巻しているわけです。
それでも、人類はいずれこの危機を乗り超えるでしょう。
その時、生き残るのはゾンビたちか、あるいは世界の富を独占する1%の富裕層か。
コロナウイルスは悪しき資本主義に終止符を打つことができるのか、あるいは、
結局金持ちが生き残るのか。
そういう岐路に立っているのだと思います。
ここ数か月で失われたものは、この先さらに拡大して世界中に危機的状況を生み出していくでしょう。それはあまりに大きい人類の損失になるかもしれない。
でも、あるいは、もしかすると、新しい時代の幕開けとなるかもしれない。
たとえば、
14世紀にヨーロッパで流行したペストは人口の3分の1から4分の1を死滅させたけれど、世界のありようを大きく変えたのも事実です。
以下の記事は西日本新聞の文化面からの引用ですが、
(ここから)
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ペストがヨーロッパ社会に与えた影響は、少なくとも三つあった。
第一に、労働力の急激な減少とそれに伴う賃金の上昇。農民は流動的になり、農奴に依存した荘園制の崩壊が加速した。
第二は、教会の権威の失墜。ペストの脅威(きょうい)を防ぐことのできなかった教会はその権威を失った。
第三は、人材の払底。それはそれまで登用されることのなかった人材の登用をもたらした。結果として、封建的身分制度は実質的に解体へと向かった。同時にそれは、新しい価値観の創造へと繋(つな)がった。
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(ここまで)
その後、ヨーロッパはルネサンスを迎えます。
パンデミックは世界を劇的に変化させるようです。
私たちは今、その歴史的転換点に立っているのだと思います。
さて、新型コロナ後の世界はどうなっているだろうか。
「アイ・アム・レジェンド」「12モンキーズ」「ザ・ロード」などの映画のような世界になるのか、それとも新しい世界がやってくるのか・・
新しい希望に満ちた公平な社会の到来を夢みて、今しばらく辛抱の時を過ごすことが、この時代に生きている私たちの務めなのかもしれません。
次の世代によりよい社会を手渡すために。
そのためにも、できるだけ(外出は自粛しつつも)普段通りに暮らし、楽しいことを見たり考えたりして、恐怖や不安に囚われないようにする、
というのが、コロナウイルスに対する一番強力な戦略なのかもしれません。
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