(これは2018年の記事です)
久しぶりに日本映画を見ました。
阿部寛、けっこう好きなので。
「トリック」「テルマエ・ロマエ」「カラスの親指」「麒麟の翼」・・
今回は「麒麟の翼」と同じく、TVドラマ「新参者」の刑事、加賀恭一郎シリーズの完結編のようです。
今回は、加賀恭一郎のきわめて個人的な歴史がからんできて、彼がなぜ日本橋署に長年勤め続けてきたのかがわかるというもの。
で、率直な感想ですが、
「砂の器」と一緒じゃん!
途中で興ざめというか、大体、私「砂の器」が好きじゃないので、同じ路線だとしたら、やだなあ・・という感じでいたら、案の定・・でした。
ネット評などでは大方大絶賛! なので、
私の感想など無視してご覧になるといいかと思いますが。
日本的な悲壮感に満ちた悲劇にイマイチ共感を感じないタイプなのですね。
「砂の器」のあの悲劇的な音楽とかね。好きじゃない。
この作品は、松本清張の「砂の器」へのオマージュではないかという映画評がたくさんあって、さもありなんという感じですが。
それって、言ってみれば、松本清張が描いた昭和30年代の日本の悲惨な状況、ハンセン病への差別、貧困など、実は現代もさほど変わっていないのだ、という事を言いたかったのかしら。
でも、それにしては、親子の愛情がメインで、社会的な背景はイマイチ薄い気がします。
大体、簡単に人を殺しすぎるし(あの二人、一体何人殺した?)それでいて自分たちが被害者だと思いこんでいるその勘違い。
それを日本的な悲劇に仕立てあげるストーリー構成も好きじゃないです。
というわけで、私的にはイマイチな作品ではありましたが、阿部寛、好きなので、まあいっか。
久しぶりに日本の映画を見て、日本の映画ってわかりやすくていいなあ、と思った。
これって翻訳小説を読んだ後に、日本の小説を読むときに感じるわかりやすさに近いものがある。
日本語で書かれたもの、作られた映画は、やはりダイレクトに響きます。
翻訳モノ、英語字幕で見た映画は、どこか一枚薄いヴェールを通して観ているのかもしれない。ということにも気づきました。
もっと日本の映画観なくちゃって思った。
阿部寛が好きな方はどうぞ。