越川芳明のカフェ・ノマド Cafe Nomad, Yoshiaki Koshikawa

世界と日本のボーダー文化

The Border Culture of the World and Japan

「世界政府(その1)」第四回目

2011年01月02日 | シンポジウム・講義・講演
(訳注:ひきつづきエスチューリンの著書『ビルダーバーグ倶楽部』からの引用です)

水瓶座の陰謀

 リンドン・ラリュチェが『ドープ株式会社』の中で書いている。

 「1980年の春、『アクエリアン陰謀』というタイトルの本(100万部以上売れ、十ヵ国語に翻訳された)は、カウンターカルチャーのマニフェストとして、一夜にして有名になった」。

 (中略)『アクエリアン陰謀』は、一千五百万人のカウンターカルチャーのメンバーが合衆国に根源的な変革をもたらすために一堂に会するときがきた、と述べた。

 事実、この本は、チームワークというコンセプトを後押しする社会に向けて最初に刊行された出版物だった。

 このコンセプトは、非常に高潔と見なされ、経営者「導師たち」によってすばやく採用された。
 
 著者マリリン・ファーグソンは述べる。

「まだタイトルは未定ですが、新たに現れつつある社会的価値観をまとめながら、私はその運動の特徴について、特殊な指導者について、その追従者の忍耐強い熱心さについて、ありえそうもない成功について考えた・・・」

 1961年の学会で、オルダス・ハックスリーはこうした警察国家を「最終革命」と描写した。

 言い換えるならば、それは人々が「みずからの隷属を愛する」「冷血な独裁政治」である。
 
 カーター大統領時代の国家安全保障アドバイザー、ズビグニュー・ブレジンスキー[アドバイザーは1977年~1981年]は、日米欧三極委員会(1973年、デイヴィッド・ロックフェラーの提言で設立された民間の政治団体)の創設メンバーの一人であり、ビルダーバーグと外交問題評議会のメンバーであるが、彼も似たような思想を情熱的な本『二つの時代の間で テクネトロニック時代のアメリカ合衆国の役割』の中で表明している。

 その本は、コロンビア大学共産主義研究所の肝いりで書かれ、1970年にヴァイキング社によって出版された。
 
 暴力的な圧力を用いることなく、彼らは新しい世界秩序のための「平和な市民」を確保するために、複雑な行為の組み合わせを計画した。

 (中略)彼らは、同様に、自分自身を愛し、他人と適切な関係を築く能力を指す「感情的知性」のような新しいコンセプトを支持した。

 (中略)「勤勉な市民」を「平和な市民」へと変えるもう一つの方法は、私が『ビルダーバーグ・グループの真実の物語』という著書で説明したように、NGO(非政府組織)への協力者に対する大きな社会的認識を促すような大々的な市場キャンペーンである。
 
 ハーマンによれば

  「合衆国が柔軟な態度をとるやいなや、ドラッグ(とりわけ、コカイン、クラック、ヘロイン)の導入に熟した時がやってきた。巨額の金が動く、禁酒法時代に匹敵する時代の到来だった」。
 
 1981年1月、外交問題評議会によって、大統領に選ばれたばかりのロナルド・レーガンに提供された3000ページにわたる「提言」の断章は、ウィリス・ハーマンによる『変容する人間のイメージ』という報告書に基づくものだった。

 その点は、指摘しておくだけの価値はある。
 
 1980年12月8日の満月の下で、ジョン・レノンがマーク・チャップマンという名の男によって殺された。

 これは一見ありそうにないことだが、ある日私たちが知ることになるのはマーク・チャップマンが人工的に誘導された「精神異常」モデルの犠牲者であり、ますます体制的に厄介な存在になってゆくレノンのような人物を沈黙させるために、タヴィストック研究所、CIA(米中央情報局)、MI6(英対外情報部)によって送り込まれた「影なき狙撃者」[リチャード・コンドンの推理小説]風の殺人者ではなかったかということだ。