越川芳明のカフェ・ノマド Cafe Nomad, Yoshiaki Koshikawa

世界と日本のボーダー文化

The Border Culture of the World and Japan

「世界政府(その1)」第六回目

2011年01月18日 | 翻訳
(訳注:ひきつづきエスチューリンの著書『ビルダーバーグ倶楽部』からの引用です)

 アン・カプランはこう言う。

「MTVは、心理操作の方法論をめぐって絶えず増大する知識により構想された」

 テレビの平均視聴時間は、テレビが出現して以来、絶えず上昇した。

 1970年代半ばまでには、それが毎日の行事になり、睡眠と労働をのぞくほとんどすべての時間、一日につきほぼ6時間が費やされるようになった。

 それ以来、ビデオデッキの出現と共に、視聴時間はうなぎ昇りである。就学児童がテレビの視聴に費やしている時間は、睡眠時間とほぼ同じである。

 エメリーはこう述べる。

 「フロイト心理学の洗脳用語によれば、ミュージック・ビデオの視聴者は睡眠状態に似た誘発された状態に置かれているという。

 視聴者は、みずからの目を圧倒する鮮やかな色彩やイメージの繰り返しに助けられて、あるいは誘導されてそうした状態に置かれる。

 一方、ロックンロールの脈打つ激しいリズムが耳に対して似たような効果をもたらす」

 私たちはテレビの時代に生きているだけでなく、テレビによって条件付けられる時代に生きている。

 しかも、テレビが神のごとく偏在する環境では当たり前のことであるように、それはどこにも向けようのない、あるいは一度にそこら中に向けられる不平不満やフラストレーションの蓄積した時代である。

 邪悪な集団ビルダーバーグのロビイストによる密かな感性と意識の領域、規律化された習慣の知的操作は、自ら以外にはなんら説明責任がなく、際限ない世界政府を導入するために徹底的に操作された最新のキャンペーンである。

 (中略)主たるヒット曲は、誰に対しても応じる必要のない、絶対的な権力を求める一握りの人たちの原理主義的な熱狂のために、混乱した国民に意図的に売られる。

 ビルダーバーグ+外交問題評議会+タヴィストック研究所や、それらに属して新たなローマ帝国を建国しようと決心した科学者や心理学者、社会学者、ニューサイエンス(ニューエイジ、神秘主義など)の学者、文化人類学者、ファシストからなるチームの操作装置や洗脳によって、現代人は名誉を汚され、屈辱を与えられ、軽蔑されて・・・。

 まず、エドワード・バーネイズとウォルター・リップマンが始めた。

 それから、ギャラップ[世論調査会社]とヤンケロヴィッチ研究所[1958年より消費者の動向を調査]が登場する。

 さらに、 [ジョン・ローリングズ・]リーズ[タヴィストックの重要人物]とアドルノ、オルダス・ハックスリーとH・G・ウェルズ、[フレデリック・エドマンド・]エメリー[オーストラリアの心理学者。タヴィストックに所属]と[エリック・]トリスト[タヴィストックの創設者の一人]がつづき、ドラッグ文化と「水瓶座の陰謀」が後を追いかけ、本物の自由の代わりにひと欠らの自由をまぶした、古い文化のための一見「人道主義的な」理想が掲げられた。

 それは、人々をただの農場動物に変え、人間意識のオリジナリティを否定することで人々を堕落させる知的な方法である。人々がわざわざ解説する必要もなく、どこでも直ちに理解される可能性を持つ。

 ニューエイジは、新たな暗黒時代になるだろう。

 それは、人口の半数以上の早すぎる死や、人類の最も偉大な成果の意図的な忘却を意味する。

 これは、たとえそれが私たちの死体の上を覆うことになったとしても、世界を支配することを決意した新世界秩序を唱道する、全体主義的イデオロギーである。

 (中略)なぜ私たちの文明を守ることに価値があるのか? 

 なぜ自由に基づく体制のほうが、現在、人類の大半を抑圧している独裁政治よりも良いのか? 

 少数のある者にとって、こうした疑問に対する答えは自明のことであるが、多くの者にとってはそうでない。