越川芳明のカフェ・ノマド Cafe Nomad, Yoshiaki Koshikawa

世界と日本のボーダー文化

The Border Culture of the World and Japan

ハバナの12月(3)

2012年02月14日 | キューバ紀行

 だが、玄関から入った突きあたりの壁に、死者の霊に捧げる「ボベダ・エスピツアル(精霊ボベダ)」が飾られていた。

 小さなテーブルの奥の方に、赤い服をまとった黒人の人形が鎮座しており、葉巻が添えられている。

 面白いのは、宗教的な混淆をしめすかのように、中央の聖水の入ったコップの中には、磔のイエスの十字架が入っている。

 その他の聖水入りのコップにはバラの花が入っている。

 中央の大きな花瓶には、薄いピンク色のグラジオラス、小さいひまわり、香りのよい白いアスセナ、緑のアルバカ、紅色のバラなど、色とりどりの花が飾られていた。

 壁に飾られたアレカと呼ばれる扇状の葉や、セドルの小枝と葉が鮮やかな緑の森を演出していた。

(つづく)

 




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