「エスクァイア日本版」休刊宣言に一言
今年22周年を迎える『エスクァイア日本版』が今年5月の刊行分をもって、休刊するという。http://www.esquire.co.jp/
聞くところによれば、プライムローンの破綻に端を発した米国の不況や、広告の減少がおもな理由ではないようだ。
いまでも、ファッション界をはじめとす る広告は数多く載っており、採算ベースはそこまで不調ではないようだ。それなのに、なぜだろう?
文芸春秋が『諸君』を休刊し、集英社が『月刊プレイボーイ』を休刊するのは、広告収入の減った大会社がリストラクチャーするための窮余の策だろうが、 『エスクァイア日本版』の版元は、TSUTAYAであり、そういった大出版社の事情とはちがうようだ。
思えば、10年前にスティーヴ・エリクソンの来日をプロヂュースしたときは、『エスクァイア日本版』に頼んで、小林恭二さんとの対談をセットしてもらったのだった。
数年前の「アフリカ特集」では、アメリカ作家とモロッコという切り口でウィリアム・バロウズやポール・ボウルズの文章を書いたことがあった。
近年のヒット作(と思える)のは、ピアノ特集号で、あるテレビ番組のヒットにあやかったものとはいえ、その号を会議の始まる前に見ていると、数名の同僚がほしがったものだった。
最近の『エスクァイア日本版』は、最新の映画やアートや書物を扱う文化欄の充実には、目をみはるものがあった。
とりわけ映画コーナーは3種類もある。
1作を二人が論じるクロスレビュー、柳下毅一郎による映画評(毎回刺激的な作品をとりあげ、信頼のおける評価をくだすので楽しみにしていた)、さらに映 画監督インタビュ-(カラー写真と相まって、中身の濃いページ)がくる。
最新本紹介のコーナーも充実していて、毎回、話題作家のインタビュ-があるだけ なく、本1冊を丁寧に紹介するコーナーもある。
もちろん、書評欄があり、文学(日本と外国)を中心に据えて、大人の男のファッションの内側に迫る。それ はヘミングウウェイやフィッツジェラルドなど、ロストジェネレーションのアメリカ作家たちが発表の場としてきた『エスクァイア』本誌の伝統につらなるも のである。
私は、年に何度か書評を書かせてもらったが、活字中心の新聞とも文芸誌ともちがう、オシャレにデザインされた本の写真と共に書く喜びがあっ た。
私がそう感じるのも、たぶん私が付き合ったエスクァイアの編集者の人たちに負うところが大きいのだろう。
アメリカのファッションの流行を追うだ けでなく、かといって、日本の伝統文化にあぐらをかくわけでなく、日本文化を日々更新するような斬新なセンスを編集者に感じることができたから だろう。
そんなわけで、私は『エスクァイア日本版』の続刊をつよく望む。
今年22周年を迎える『エスクァイア日本版』が今年5月の刊行分をもって、休刊するという。http://www.esquire.co.jp/
聞くところによれば、プライムローンの破綻に端を発した米国の不況や、広告の減少がおもな理由ではないようだ。
いまでも、ファッション界をはじめとす る広告は数多く載っており、採算ベースはそこまで不調ではないようだ。それなのに、なぜだろう?
文芸春秋が『諸君』を休刊し、集英社が『月刊プレイボーイ』を休刊するのは、広告収入の減った大会社がリストラクチャーするための窮余の策だろうが、 『エスクァイア日本版』の版元は、TSUTAYAであり、そういった大出版社の事情とはちがうようだ。
思えば、10年前にスティーヴ・エリクソンの来日をプロヂュースしたときは、『エスクァイア日本版』に頼んで、小林恭二さんとの対談をセットしてもらったのだった。
数年前の「アフリカ特集」では、アメリカ作家とモロッコという切り口でウィリアム・バロウズやポール・ボウルズの文章を書いたことがあった。
近年のヒット作(と思える)のは、ピアノ特集号で、あるテレビ番組のヒットにあやかったものとはいえ、その号を会議の始まる前に見ていると、数名の同僚がほしがったものだった。
最近の『エスクァイア日本版』は、最新の映画やアートや書物を扱う文化欄の充実には、目をみはるものがあった。
とりわけ映画コーナーは3種類もある。
1作を二人が論じるクロスレビュー、柳下毅一郎による映画評(毎回刺激的な作品をとりあげ、信頼のおける評価をくだすので楽しみにしていた)、さらに映 画監督インタビュ-(カラー写真と相まって、中身の濃いページ)がくる。
最新本紹介のコーナーも充実していて、毎回、話題作家のインタビュ-があるだけ なく、本1冊を丁寧に紹介するコーナーもある。
もちろん、書評欄があり、文学(日本と外国)を中心に据えて、大人の男のファッションの内側に迫る。それ はヘミングウウェイやフィッツジェラルドなど、ロストジェネレーションのアメリカ作家たちが発表の場としてきた『エスクァイア』本誌の伝統につらなるも のである。
私は、年に何度か書評を書かせてもらったが、活字中心の新聞とも文芸誌ともちがう、オシャレにデザインされた本の写真と共に書く喜びがあっ た。
私がそう感じるのも、たぶん私が付き合ったエスクァイアの編集者の人たちに負うところが大きいのだろう。
アメリカのファッションの流行を追うだ けでなく、かといって、日本の伝統文化にあぐらをかくわけでなく、日本文化を日々更新するような斬新なセンスを編集者に感じることができたから だろう。
そんなわけで、私は『エスクァイア日本版』の続刊をつよく望む。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます