「年越しのニューヨーク」に新入社員の時、同期と二人で行った。タイムズ・スクエアーに程近い「文豪」も泊まった事があるという二人で25000円位のホテルに泊まった。
「年越し」の夜、つまり、大晦日の夜、タイムズ・スクエアーは、広場のセンターを中心に十字架の形に、人が入れず、騎馬警官が巡視するスペースが設けられる。
人は12時に向かってどんどん増え、やがて、同期の友達も見失い、自分の体を動かす事もままならない状態になる。
そして、カウント・ダウン。「年越しの瞬間」には、あちらこちらでキスをしているし、タクシーの屋根の上、信号の上で飛び跳ねている奴はいるし・・・まあ、100万人集まれば、そうもなるだろうという状態。シャンパンの瓶が空を飛び交い、凄い大騒ぎである。
僕はいち早く、ホテルに退散。日本より遅れて放送している「CM入りの紅白歌合戦」を見ていると、友達がヘトヘトになって帰ってきた。
あれから22年。当時のニューヨークは治安が悪く、いわゆる「ボトラー」と呼ばれる人達もたくさんいた。何をするかといえば、紙袋の中に飲み物の瓶を入れて、歩いていて、これはという「獲物」を見つけると、「自然と、歩きながらぶつかって、紙袋を落とし、中に入っていた酒を弁償しろ」という手口。今のニューヨークはその頃より、ずっと治安が良くなったと聞いているが。
同期の友達が音楽好きで、四日連続、夜、「ミュージカル」を見に行った。「キャッツ」「42nd street」「ラ・カージュオフォーレ」「コーラスライン」。
僕はどれも熟睡していた。昼間、「メトロポリタン美術館」とか、散々何時間も歩き、音楽にそれほど興味も無かったので、寝て当たり前。
ジャズを聴きに「ビレッジバンガード」という超有名な店に行った時も、動けない位、客が入っているのに、首を縦に振り出し、やはり寝てしまった。
その同期には、金輪際、一緒に旅行には行かん!と宣言されてしまったが、眠いものは仕方が無い。
この旅行で、「ワールド・トレード・センター」にも上った。下から見上げると、ビルの途中に雲がかかっていて、すげえ!と本当に感動した。だから、9.11.のテロの時は凄いショックだった。自分が自分の足で上ったビルが崩れる瞬間を見てしまったから。
あれから、その同期とは旅行に行っていない。




