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尹大統領は26日、キム・ゴンヒ女史の疑惑に対する特検法案に3度目の拒否権を行使し、来月10日に国会の再表決を控えている.

2024-12-02 11:09:19 | 韓国を知ろう
 

ソウル都心で10万人のろうそく…「尹錫悦を拒否する、

民主主義は崩壊の危機」

登録:2024-12-02 06:44 修正:2024-12-02 08:49
 
 
11月30日午後、ソウル光化門に集まった人々が「尹錫悦を拒否する第3回市民行進」を行っている=キム・ガユン記者//ハンギョレ新聞社

 「尹錫悦(ユン・ソクヨル)を拒否する」「キム・ゴンヒ特検法を再議決せよ」

 週末の夕方、肌寒さに雨まで降り始めたソウルの都心で、10万人(主催側推算)にのぼるろうそくの行列が、大きな叫びとともに進み始めた。レインコートを羽織り厚着をした市民たちは、一方の手にはろうそく、他方の手には「尹錫悦を拒否する」と書かれたプラカードを持って、大統領の「拒否権」で蝕まれた民主主義の危機について各々の立場から懸念を示した。

 尹錫悦大統領が(夫人の)キム・ゴンヒ特検法に3度目の再議要求権(拒否権)を行使してから迎えた最初の週末の11月30日夕方、参与連帯や民主社会のための弁護士会、全国民衆行動などの主な市民社会団体が立ち上げた「拒否権を拒否する全国非常行動」は、ソウル光化門(クァンファムン)前で「尹錫悦を拒否する第3回市民行進」を初め、ソウル明洞(ミョンドン)まで行進した。友人と参加した若者たちやベビーカーを押しながら参加した夫婦、ろうそくのヘアバンドと手作りのプラカードを持ってきた家族に至るまで、市民たちは様々な姿で寒さに耐えながら民主主義の回復を願っていた。共に民主党のイ・ジェミョン代表をはじめとする民主党指導部と党員も、先に同じ場所で開かれた「第5回国民行動の日」集会を終え、行進に合流した。

 
 
11月30日夕方、ソウル光化門で開かれた「尹錫悦を拒否する第3回市民行進」に参加した市民が雨宿りしながら景福宮の軒下でプラカードを持っている=キム・ガユン記者//ハンギョレ新聞社

 参加者たちはキム・ゴンヒ特検法に対する相次ぐ尹大統領の拒否権行使で、民主主義が脅かされているという危機感を覚えたと語った。この日集会に参加したチョ・ヨンチャンさん(52)は「政府は民主主義の基本システムを破壊している。これ以上放置すれば回復できないほど壊れると思った」とし、「(大統領)本人の家族と関連した法に対して拒否権を行使し続けるのはありえないこと」だと話した。夫とともに行進に出たKさん(69)も「3度目の拒否権を行使したというニュースを見て、一体どうしたら大統領として自分の家族をかばうことだけを考えていられるのかを考えると、怒りで眠れなかった」と語った。

 尹大統領は26日、キム・ゴンヒ女史の疑惑に対する特検法案に3度目の拒否権を行使し、来月10日に国会の再表決を控えている。同日、演壇に立った市民社会団体連帯会議のイ・スンフン運営委員長は「立法権は国会に属するという条文が国会に関する憲法規定の中でも一番はじめに配置された理由は、立法権は有権者が国会に委任した最も本質的な権限であり、国会の存在理由であり、責任政治の始まりと終わりであるため」としたうえで、「与党議員たちにも要請する。有権者が委任した代表の権限を放棄しないでほしい。 広場で確認されている民意に背を向けないでほしい」と述べた。

 参加者たちはそれぞれの立場からこれまで25回行使された大統領の「拒否権」が招いた不安と危機感について語った。息子が入隊したというイ・ミルさんは、行進前の集会の演壇に上がり「パク・チョンフン大佐が一人で(殉職した海兵隊員)C上等兵の碑文の前で、『あなたの死に無念さが残らないようにする』と誓ったその瞬間、国家はどこにいたのか」とし、「どこにでもある救命胴衣ももらえずに水中に入って両親のもとに帰れなくなったC上等兵の無念を晴らせない国、拒否したい」と語った。尹大統領はC上等兵特検法を5月と7月に2度拒否した。

 巨済・統営(トンヨン)・固城(コソン)造船下請け支会のキム・ヒョンス支会長も、大統領が労働組合法第2・3条改正案(通称「黄色い封筒法」)に拒否権を行使した点を指摘し、「(2022年の大宇造船下請け労働者)闘争が終わってから、大宇造船は5人の下請け労働者に470億ウォン(約50億3400万円)という天文学的な損害賠償を請求し、尹錫悦政権の検察は私に4年6カ月を求刑した」とし、「『このままではだめだ』と叫ぶ下請け労働者に『今のままでいろ』と言うようなものではないか」と批判した。

 
 
11月30日夕方、ソウル光化門で開かれた「尹錫悦を拒否する第3回市民行進」に参加した市民が厚着をしてろうそくとプラカードを持っている=キム・ガユン記者//ハンギョレ新聞社

 大統領周辺問題で経済や社会政策など暮らしに密着した政策全般が止まっている状況に対する懸念の声もあがった。就活中のイ・ジェヒョクさん(30)は「若者の雇用問題が過去最高に深刻だと言われているのに、尹錫悦政権は企業寄りの政策ばかり展開し、若者を無視しているような状況に怒りを覚える」と語った。大田(テジョン)から来たKさん(39)は「最大の問題は生活経済の問題」だとし、「他の正義や道徳の問題も重要だが、生活経済の悪化は生存に関わる問題なのに、大統領は国民の生存に本当に無関心だと思う」と話した。

 同日のろうそく行進は大きな衝突なく行われた。街頭に立ってろうそくの行列を応援する市民と、声援に手を振って応える行進の参加者たちが一つになる場面もあった。ろうそく行進に参加したCさん(62)は、「集会参加の熱気がますます高まっていることを肌で感じる。これからだんだん寒くなるだろうが、構わない。国のことが優先だ」と述べた。

キム・ガユン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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ウクライナ特使団が兵器供与を要請したという報道が相次いだが、韓国大統領室と国防部は具体的な面談内容を明らかにしなかった。

2024-12-02 08:31:10 | 韓国を知ろう
 

韓国がなぜウクライナに兵器を供与しなければならないのか

登録:2024-11-30 06:18 修正:2024-11-30 08:03
 
クォン・ヒョクチョルの「見えない安保」
 
 
2023年7月15日、ウクライナのキーウで開かれた韓国とウクライナの首脳会談で、メディア発表に出た尹錫悦大統領とウォロディミル・ゼレンスキー大統領//ハンギョレ新聞社

 ウクライナのルステム・ウメロフ国防相を代表とするウクライナ特使団が27日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領、シン・ウォンシク国家安保室長、キム・ヨンヒョン国防長官に会った。ウクライナ特使団が兵器供与を要請したという報道が相次いだが、韓国大統領室と国防部は具体的な面談内容を明らかにしなかった。

 ウクライナは、北朝鮮のロシア派兵を韓国とウクライナにとって安全保障上の共同の脅威とし、韓国に兵器供与を要請している。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は先月31日(現地時間)、ソーシャルメディアへの投稿で、「我が国の代表団がまもなく韓国を訪れ、兵器について話し合う」とし、「砲兵、防空システムなどを(要求事項として)念頭に置いている」と述べた。

 ウクライナは韓国の同盟国でもないのに、なぜ当然の権利を行使するかのように兵器の請求書を突きつけるのだろうか。韓国国内でウクライナへの兵器供与に賛成する側は「韓国は朝鮮戦争当時、自由世界の支援で生き残った。韓国が困難な状況に置かれているウクライナを積極的に支援してこそ、朝鮮半島有事の際にも自由世界が韓国を再び助けるだろう」と主張する。

 冷戦当時にソビエト連邦の一員だったウクライナは、朝鮮戦争の時、共産勢力の侵略に対抗して戦ったのではなく、共産侵略勢力の一員だった。ウクライナ戦争前まで、韓国で見られる旅行ブログなどにはウクライナのキーウにある戦争博物館の対外戦争室に展示されたウクライナ人の朝鮮戦争参戦記録写真が掲載されていた。

 朝鮮戦争当時、ウクライナ軍のパイロットたちはソ連空軍所属でミグ戦闘機を操縦し、米空軍などと戦闘を繰り広げた。キーウの戦争博物館には、当時ソ連軍として参戦したミグ戦闘機のパイロットたちの写真とハングルで書かれた北朝鮮政府の表彰決議書、北朝鮮の国旗と北朝鮮住民の写真が展示されている。展示物の中には1985年8月10日に「朝鮮民主主義人民共和国主席金日成(キム・イルソン)」が「朝鮮解放40周年記念メダル」をウクライナ出身のソ連軍パイロットのクラマレンコ氏に与えた「朝鮮民主主義人民共和国メダル証」もあった。

 
 
朝鮮戦争当時、ソ連軍として参戦したウクライナ出身の軍人に与えられた北朝鮮最高人民会議常任委員会の公的確認決議書が、キーウの戦争博物館に展示されている=国防日報よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 ソ連が崩壊し、1991年にウクライナが独立した後、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)技術がウクライナの兵器工場から流出したという主張が出た。2017年8月14日、ニューヨーク・タイムズは国際戦略問題研究所(IISS)の報告書と米国情報機関の情報分析を引用し、このように報道した。北朝鮮がウクライナのドニプロにある軍需工場で生産されたロケットエンジン(RD-250系列)を闇市場で購入し、これを改良して2017年5月と7月にそれぞれ発射した中長距離ミサイル「火星-12型」と「火星-14型」に装着したということだ。

 ウクライナはロシアの侵略戦争を批判し、韓国に兵器支援を要請しながらも、韓国が被害を受けた日本の侵略戦争には無神経な歴史認識を示した。9月3日、駐日ウクライナ大使館はXに「セルギー・コルスンスキー大使が靖国神社に参拝し、祖国のために命を失った方々を追悼した」という文と写真を投稿した。靖国神社の参拝が日本の戦争犯罪を擁護する行為という批判が高まったことを受け、駐日ウクライナ大使館は翌日、この投稿を削除した。

 
 
9月3日、コルスンスキー駐日ウクライナ大使が靖国神社に参拝し、写真と文をソーシャルメディアに投稿した後に削除した=駐日ウクライナ大使館のXより//ハンギョレ新聞社

 韓国の安全保障に全く貢献したことのないウクライナと違って、ロシアは1990年代、韓国が「新弓(シングン)」(携帯用地対空ミサイル)や「天弓(チョングン)」(中距離地対空ミサイル)のような誘導兵器を作るのに手を貸した。1991年にソ連が崩壊した後、ロシアの先端兵器の研究開発に関わる人々は深刻な生活苦に苦しんだ。彼らは給料が100ドルほどで、しかも数年間もらえなかったというという。当時、資金が必要なロシアと先端軍事技術が切実な韓国の利害関係が合致し、「天弓」と「新弓」の開発過程で韓ロの軍事技術協力が実現した。特に天弓の「コールドランチ」発射方式の開発にはロシアの技術力が大きく貢献したという。

 コールドランチは、ミサイルが発射された後、一定高度まで圧力で押し上げられてから点火する方式で、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)にも適用される。

 その「天弓」と「新弓」こそがウクライナの望んでいる防空兵器だ。ロシアの技術が入っており、韓ロ技術協力で開発された兵器システムであるため、韓国がウクライナにこれらの兵器を供与した場合、ロシアがさらに強く反発する可能性がある。

 
 
「天弓」は空中攻撃から国の主要施設と産業施設を守る韓国型中距離地対空誘導兵器システム=国防科学研究所ホームページ//ハンギョレ新聞社
 
 
「新弓」は空中に浸透する敵の航空機および小型ヘリコプターに対する対空防御任務を遂行する携帯用地対空ミサイル=LIGネックスワンホームページより//ハンギョレ新聞社

 韓国がウクライナに安保上の借りがないにもかかわらず、ウクライナがまるで借金取りのように韓国に兵器請求書を突きつける自信を示しているのは、尹錫悦政権の誤った判断に起因する。

 ウクライナは、北朝鮮のロシア派兵を韓国とウクライナにとって共同の安保脅威としたが、両国が直面している安保脅威の性格は全く違う。ウクライナにとっては、北朝鮮のロシア派兵が直接的な軍事脅威だが、韓国にとっては、派兵後に見返りとして進められる北朝鮮とロシアの密着が大きな脅威だ。具体的には、朝鮮半島有事の際のロシアの介入、ロシアから北朝鮮への先端兵器と軍事技術の移転を阻止するのが韓国の課題だ。ウクライナにとっては北朝鮮がロシアを助けるのが問題だが、韓国にとってはロシアが北朝鮮を助けるのが問題だ。

 韓国はロシアに派遣された北朝鮮軍の動向を綿密に把握し、以後ロシアが北朝鮮に与える見返りが具体的に何かを追跡監視し、朝ロ密着を遮断することに外交的努力を集中するのが賢明だ。ところが、国家情報院が先月、北朝鮮軍のロシア派兵を既成事実化したことで、大統領室は急いでウクライナへの兵器供与を検討する方針を明らかにした。これは、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が北朝鮮軍のロシア派兵の本質を「北朝鮮のロシア支援」と取り違えたためだ。ウクライナはこれを逃さず、北朝鮮のロシア派兵を韓国とウクライナの共同の安保脅威とし、韓国に兵器供与を求めている。

 主要国の大使を務めた元外交官は「ウクライナへの兵器供与は朝ロ密着を防ぐ韓国外交の対ロシア交渉のテコを自ら捨てる敗着」だと指摘した。さらに、「韓国がウクライナに兵器を供与すれば、ロシアはこれ以上韓国を気にしたり意識せずに朝ロ軍事協力を一層加速化させるかもしれない。ウクライナへの兵器供与は、朝ロ密着を牽制・遮断する効果は期待できない一方、朝ロ軍事協力を阻む堤防が崩れる副作用は明らかだ」と語った。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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