軍艦島と呼ばれる端島をはじめ、多くの場所が日帝強占期に朝鮮人が強制動員されて働かされた場所であるため、登録の過程で韓国などの周辺国の反発を受けた。

2025-02-01 12:16:41 | 韓国文化
 

韓国の要請無視し「強制動員」

またも隠した日本の軍艦島後続措置報告書

登録:2025-02-01 08:56 修正:2025-02-01 09:24
 
 
                                     日帝強占期の朝鮮人強制労役の現場、軍艦島/聯合ニュース

 日本が朝鮮人強制労役の現場である端島(軍艦島)炭鉱を含む「明治日本の産業革命遺産」を2015年に世界文化遺産に登録した際におこなった約束の履行について、依然として誠意を示していないことが、またも確認された。

 ユネスコ世界遺産委員会(以下、委員会)は31日(現地時間)、日本が提出した明治日本の産業革命遺産に関する後続措置報告書をウェブサイトに公開した。それによると、日本は強制動員された朝鮮人の証言などを展示してほしいなどの韓国の要求事項を無視し、むしろ韓日強制併合は合法だと主張する展示をおこなっていた。

 明治日本の産業革命遺産は日本国内の8つの県に散らばる明治時代の鉄鋼、造船、炭鉱産業の現場で、2015年にユネスコ世界遺産に登録された。軍艦島と呼ばれる端島をはじめ、多くの場所が日帝強占期に朝鮮人が強制動員されて働かされた場所であるため、登録の過程で韓国などの周辺国の反発を受けた。日本はこれを考慮し、犠牲者を追悼する情報センターを設置することを約束した。しかし産業遺産情報センターは遺産の現場ではなく東京に建てられたうえ、展示で朝鮮人に対する差別や人権侵害があったことを示していないため、歴史を歪曲しており、約束も守っていないという批判を浴びてきた。

 韓国をはじめとする加盟国は、一貫して日本の約束不履行を批判しつつ、後続措置を要求してきた。昨年9月にサウジアラビアのリヤドで開かれた第45回世界遺産委員会で韓国政府は、韓国人強制動員被害者の証言の展示▽「多数の韓国人らが本人の意思に反して動員され、過酷な条件の下で強制的に労役」させられた全体の歴史の説明▽日本が昨年9月に一方的に東京のセンターに設置した韓日強制併合が合法であることを主張する展示の即時撤去▽韓国人強制動員被害者の証言の展示および真の追悼▽ナチスによる強制動員の事実を加減なく明らかにしたドイツのツォルフェアアイン炭鉱の展示のような国際的な模範事例を参考にすること、などを反映するよう日本に要請した。委員会はこの時、遺産登録の後続措置について関連国と対話したうえで、約束の履行が重要だとする決定を採択したほか、日本に追加措置の進展について報告するよう要請した。今回の報告書はそれを受けてのものだったにもかかわらず、韓国の要求事項がまったく反映されていないことが確認されたのだ。

 逆に日本は、2020年6月に東京都の新宿にオープンした「産業遺産情報センター」に、「『韓国併合再検討国際会議』において、国際法の権威である欧米の法学者から、日韓併合条約は当時の国際法慣行に照らして『無効』だったとは言えないという見解が示された」という韓日併合の合法性を主張する展示を設置し、運営してきたことが明らかになった。「朝鮮人強制動員被害者の証言」についても、公開展示せずに、韓国語の資料集の本棚に参考資料としてしまっていたことが明らかになった。

 さらに日本は、遺産の卓越した普遍的価値(OUV)に関する共通解釈の説明▽解説者の力量を高めるための訓練▽東京のセンターの開館日の拡大などを「後続措置」として打ち出している。そして、第2次大戦時と戦後の苛酷な労働環境を示す一次史料の収集のための地域の博物館や政府機関などとの協業▽日本政府の徴用政策に関する一次史料の展示▽韓国人ら鉱山労働者の給料や福祉の比較研究の支援、などの間接的措置を取るにとどまっている。日本は「意味のある対話」をしようという韓国側の要請に対しては、報告書で「第45回世界遺産委以降、韓国政府と対話を続けてきており、韓国政府と当該報告書の解釈政策の説明を含む対話を続けていく意志がある」という趣旨の回答をおこなっている。

 韓国外交部は報道官の論評で、「世界遺産委員会の度重なる決定と日本が自ら約束した後続措置が、忠実に履行されていないことに対し、改めて遺憾を表明する」として、「政府は、日本が国際社会に自らおこなった約束に沿って、関連する後続措置を速やかに誠実に履行するよう再度求める」と述べた。外交部の当局者は「日本には誠実に(韓国との)対話に臨むことを求めるつもりであり、政府レベルで今後、韓日両国だけでなくユネスコの枠組みの中でも日本の約束不履行について問題を提起していく」と述べた。

 しかし、佐渡鉱山に続いて軍艦島でも日本の「強制動員」隠ぺいが行われたことで、日本に歴史を反省する誠意がないことが再確認されたと評する声があがっている。とりわけ、軍艦島の展示施設について日本の後続措置がない中で、昨年、韓国政府が日本政府による佐渡鉱山の世界文化遺産登録に同意したことは、自らテコを放棄する行為だったと指摘されている。韓国の外交当局には、日本の決定に同意したうえで善意を望むのではなく、今後は日本の近代遺産がユネスコに登録される際、反対の立場を明確にする、すでに登録されている世界遺産の廃止を主張する、などのより強い対応が必要だという声もあがっている。外交部の当局者は「登録取り消し提案」も考慮するのかという取材陣の質問に対し、「強力に対応しうる様々な措置をすべて検討しなければならないだろうが、今の状況で具体的に何をすると述べるのは難しい」と答えるにとどまった。世界遺産委員会の規定上、登録の取り消しは、遺産そのものが傷つけられるか、保全がきちんと行われていない場合にのみ可能となっている。

 外交部の当局者は「日本が今後も合意事項を誠実に履行しないなら、韓国人強制動員の歴史をもつ遺産のさらなる登録は難しいということをわかるべきだ」と述べた。日本はまた、やはり朝鮮人強制労役の現場である足尾鉱山と黒部ダムについても、世界遺産への登録を推進していることが知られている。

シン・ヒョンチョル記者、パク・ミンヒ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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