[ルポ] 「新型コロナで初の死者」ニュースで人影消えた清道の町…
住民は不安、憤り
住民より取材陣が多い
イ・マンヒ教祖の故郷
普段から新天地信者の巡礼・奉仕が頻繁
葬儀関連業に携わる住民「弔問客は多くなかった」
町でやっと出会った住民「新天地がCOVID-19広めた」憤り
清道(チョンド)の通りには人影がなかった。
21日に訪れた清道デナム病院は、慶尚北道清道郡の中心部にあった。先月31日から今月2日まで、新天地のイ・マンヒ教祖の実兄の葬式が行われた清道農協葬儀場は、デナム病院と同じ建物にあった。当時新天地の信者が参加し、中国の新天地支部からも葬儀への参加があったものと保健当局は推定している。地域で葬儀に関する仕事をしているAさん(60)は「葬儀は102号でやっていたが、葬儀場に弔問客が大勢集まってはいなかったと記憶している」と話した。葬儀場のドアは閉まっていた。
デナム病院ではこの日までに新型コロナウイルス(COVID-19)で入院患者1人が死亡しており、感染者も16人と大量に出た。看護士など5人の職員が感染の判定を受けるなど、病院内の感染が発生した。閉鎖された病院の建物から相次いで感染者が出たため、保健当局は様々な可能性を念頭に疫学調査を行っている。
イ・マンヒ教祖の故郷である清道を新天地の信者たちは3大聖地と考えている。平日はもちろん、週末も全国の信者たちが三々五々清道を巡礼していることが確認された。新天地の信者たちが清道で活発なボランティア活動や様々な行事を行うのもそのためだ。11日にも新天地奉仕団は豊角面(プンガクミョン)ヒョンリ里を訪れ、髪の手入れをしてくれたという。街で会ったある住民は「彼らと接触した住民たちが不安に思っているという話を聞いた」と話した。
デナム病院近くの通りには取材陣と見られる人だけが時々目についた。やっと出会えた住民のPさん(66)は「新天地が問題だ。彼らがこの町にCOVID-19を広めた」と怒りをぶちまけた。病院の近くの一部の店は閉店し、病院の近くの子ども図書館は2週間休館に入った。病院近くのA薬局の薬剤師は「普段は50~60人来ていたが、今日は午前までに3人しか立ち寄っていない。当分の間は営業時間を短縮する」と述べた。B医院を訪れたある患者は「少し体調が悪いくらいなら我慢して、とてもつらかったら近くの慶山市(キョンサンシ)に診療を受けに行く予定」と言った。
白い防護服や保護眼鏡、マスクを着用した疾病管理本部の職員らは、病院の駐車場や花壇、道路など、いたるところを歩き回りながら消毒薬を撒いた。防疫車両も病院を回りながら消毒薬を噴射するなど防疫作業を行った。郡民のKさん(64)は「31人目の患者が清道のあるサウナに立ち寄ったというニュースも見た。なるべく外出せずに感染に気をつけるしか方法がないようだ。PM2.5(超微細粒子状物質)が猛威を振るっていた時も空気がきれいでマスクをつけなかったのに」と舌打ちした。慶尚北道はこの日、感染者が3人追加されて26人に増えた。