キム副部長が交渉の議題ではないと線を引いた「主権国家の自主権」とは、国連安保理が禁止した核兵器、大陸間弾道ミサイル(ICBM)、軍事偵察衛星などの能力を引き続き強化する意向

2023-12-02 09:47:43 | 朝鮮を知ろう。
 

北朝鮮のキム・ヨジョン副部長

「自主権交渉で米国と向き合うつもりはない」

登録:2023-12-01 06:58 修正:2023-12-01 08:10

 

国連安保理が禁止した核・ミサイル能力の強化を目指すという意味とみられる
 
 
キム・ヨジョン朝鮮労働党中央委副部長は11月30日、「主権国家の自主権はいかなる場合でも交渉の議題にはなれず、そのために米国と向き合うことは起こらないだろう」と述べた。朝鮮中央通信(中通)が報じた/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 キム・ヨジョン朝鮮労働党中央委副部長は11月30日、「主権国家の自主権はいかなる場合でも交渉の議題にはなれず、そのために米国と向き合うことは起こらないだろう」と述べた。「朝鮮中央通信」(中通)が報じた。

 キム・ヨジョン副部長は「中通」を通じて発表した「談話」で、「この機会に、我々に朝米対話再開の時間と議題を決めるよう求めた米国に、もう一度明確にしておく」とし、このように述べた。

 キム副部長は「我が国の主権的権利に属するあらゆるものの伸張に向けた我々の努力は止まらず、朝鮮民主主義人民共和国はすべての国連加盟国が享受する主権的権利を今後も堂々と、制限なく行使していく」と明らかにした。さらに「米国とその追従勢力の強力な要求により、我々の偵察衛星打ち上げと関連して召集された国連安全保障理事会の公開会議」を「断固として排撃する」と述べた。

 キム副部長が交渉の議題ではないと線を引いた「主権国家の自主権」とは、国連安保理が禁止した核兵器、大陸間弾道ミサイル(ICBM)、軍事偵察衛星などの能力を引き続き強化する意向を示した表現とみられる。

 キム副部長は「言葉と行動が全く異なる米国の両面的立場と行動こそが朝鮮半島地域の平和と安定を破壊する悪性因子」だと主張した。さらに「前では対話云々とし、後ろでは軍事力を振るうことが米国の好む『力による平和』ならば、対話にも対決にも準備ができていなければならず、特に対決についてより一層準備を徹底しなければならないというのが我々の一貫した対米立場」だと強調した。キム副部長が「対決」を強調しながらも「対話」を完全に否定しなかった部分に留意する必要がある。キム副部長の談話は対外用の「中通」を通じて発表され、一般人民の読む「労働新聞」には掲載されなかった。

 キム副部長は国連安保理公開会議で「国連駐在米国代表のトーマス・グリーンフィールドが米国をあたかも現状況の『犠牲者』のように描写し、彼らの『意味ある対話』の立場と『平和的解決』の努力をくわしく説明したことに留意した」としながらも、「しかし、米国の兵器が朝鮮民主主義人民共和国を狙ったものではないと断言する前に、平壌(ピョンヤン)からわずか500~600キロメートルの南朝鮮(韓国)の港に時々出没している戦略的目標がどこから来たのかを明確に説明すべきだろう」と指摘した。

 国連安保理は27日(現地時間)、北朝鮮の偵察衛星打ち上げへの対応策について話し合ったが、米国など西側と中国、ロシアの意見の隔たりで具体的な結果は出せなかった。

 キム副部長の「談話」は7月17日の発表以来4カ月ぶり。キム副部長は当時の談話で、「米国は拡大抑止体制をさらに強化すればするほど、また脅威を与える実体の軍事同盟体制を過度に拡張すればするほど、我々を彼らが望む会談のテーブルから遠ざけるだけだ」と主張した。

イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

特に慶州の月城(ウォルソン)原発と近い距離で地震が発生し、原発の安全を心配する声が高まっている。原発のある地域では、老朽化した原発に対する寿命延長推進を中止せよという要求が出ている。

2023-12-02 09:38:11 | 韓国を知ろう
 

慶州地震の震源地からわずか10キロ…

老朽化した月城原発の寿命延長に危険信号

登録:2023-12-01 08:56 修正:2023-12-01 09:58
 
7年前の慶州地震の3倍も近い場所で発生 
原発設計に考慮していない活性断層も5つ
 
 
11月30日午前4時55分頃、慶尚北道慶州市の東南東19キロ(慶州市文武大旺面)でマグニチュード4.0の地震が発生した。同日午前、ソウル銅雀区の気象庁でイ・ウォンギル通報官が地震関連情報を示している/聯合ニュース

 慶尚北道慶州市(キョンジュシ)の東南側地域で30日午前4時55分頃、マグニチュード(M)4.0の地震(震源の深さ12キロ)が発生した。今回の地震は、今年発生した地震のうち、5月15日に江原道東海市(トンヘシ)から北東52キロの海域で発生したM4.5の地震に次いで2番目に大きい。陸上で発生した地震だけでみれば今年最大の規模だ。特に慶州の月城(ウォルソン)原発と近い距離で地震が発生し、原発の安全を心配する声が高まっている。原発のある地域では、老朽化した原発に対する寿命延長推進を中止せよという要求が出ている。

 2016年9月に、慶州で計器観測以来過去最大規模(5.8)となった地震が起きたが、今回の地震は震源地と月城原発との距離が10.1キロメートルとはるかに近く、懸念が高まっている。2016年の地震当時、月城原発と震源地の距離は27キロ程度だった。

 原子力委員会はひとまず、今回の地震が原発の安全性には影響を与えていないと明らかにした。震源地から最も近い月城原発の地震計測値は0.0421Gだった。設計地震値の0.2Gに至らない数値だ。月城原発の設計地震値は重力で生じる加速度の0.2倍に揺れても耐えられるという意味で、M6.5の水準だ。現場の安全点検でも特異事項はないことが確認された。

 しかし、問題は今後、原発周辺で設計地震値を超えるM6.5以上の地震が起きる可能性も排除できないという点だ。行政安全部が今年初めに公開した朝鮮半島東南圏(慶尚南・北道、釜山、蔚山)の断層調査の結果によれば、この圏域にはM6.5以上の地震発生可能性がある活性断層が14個ある。このうち5つは規模と原発との距離などを考慮すると、原発設計に反映しなければならない「設計考慮断層」だ。東南圏の海岸に密集している16の原発のうち、M6.5以上の耐震設計基準値(0.3G)を持つ原発は、比較的最近建てられた新古里原発3~6号機のみ。

 老朽化した原発の寿命延長に反対する住民団体である脱核慶州市民共同行動は声明を発表し、「月城原発はずさんな地質調査に基づいて建設され、耐震設計も非常に不十分で、今日の地震が事故の不安を再び増大させている」とし、「政府は危険な活性断層に囲まれた月城原発2・3・4号機に対する廃炉手続きに着手せよ」と求めた。

 一方、行政安全部は同日午前5時5分、中央災害安全対策本部の非常第1段階を稼動し、地震危機警報「警戒」段階を発令したが、午前11時現在で被害の届け出はないと明らかにした。

キム・ジョンス、ソン・ジミン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする