チェジュ航空惨事、
死亡179人…韓国で発生した旅客機事故で最大の被害
務安(ムアン)国際空港で乗客181人を乗せたチェジュ航空の旅客機が着陸中に滑走路「ローカライザー」(着陸誘導安全施設)と外壁に衝突、火災が発生し、乗務員2人を除いた179人が死亡する大惨事が発生した。今回の惨事は、韓国国内で発生した航空機事故のうち最も多くの人命被害を出した事故として記録されることになった。
29日の国土交通部と消防庁などの説明を総合すると、この日の事故は午前9時3分頃、務安空港に着陸途中、チェジュ航空7C2216便の航空機が滑走路を離脱した後、ローカライザーと衝突して火災が発生。この旅客機はタイのバンコクから出発して務安に入国した旅客機で、乗客175人と乗務員6人の計181人が乗っていた。
今回の事故は航空機のエンジンや胴体に鳥の群れが衝突する「バードストライク」で発生した可能性が提起されている。務安空港の管制塔がチェジュ航空の旅客機に着陸直前の午前8時57分頃、バードストライクに注意するよう警告信号を送り、そのわずか2分後に機長が緊急遭難信号の「メーデー」を要請をしたと国土交通部は明らかにした。事故機は当初着陸予定だった1番滑走路から方向を逆に変え、19番滑走路の方向で着陸を試み、わずか3分後の9時3分頃にランディングギアなしで着陸途中に衝突した。
務安空港は、滑走路を拡張する工事の環境アセスメント(環境影響評価)の協議過程で、バードストライクの懸念が提起されていた。全羅南道は大型旅客機も離着陸できるよう、従来の滑走路2800メートルをさらに360メートル増設し、3160メートルに拡張する工事を2023年1月に着工、来年12月末の完工を目標に進めている。滑走路の拡張工事に関する環境部の環境アセスメントの協議で「絶滅危惧種(ヒシクイ・コウノトリ)など多様な鳥類が確認されており、航空機のバードストライクおよび鳥類の棲息地低減への対策を樹立、履行しなければならない」と摘示されている。
しかし、ランディングギアがまともに作動しなかったという点で、機器の故障と運行の不備などの可能性も排除できない。国土交通部傘下の航空鉄道事故調査委員会(航鉄委)は、飛行記録装置を回収して分析するなど、正確な事故原因を把握している。
胴体着陸をした事故機は機尾を除いて全焼した。搭乗者181人のうち、30代の男性乗務員と20代の女性乗務員の2人を除いた179人が死亡。生存した乗務員は「(飛行機の機尾にある)片方のエンジンから煙が出て爆発した」と政府当局に供述した。
チェジュ航空は、8日に務安空港からタイのバンコクを行き来する定期国際線の運航を開始してから21日で大型事故が起きた。2007年に開港した務安空港には17年ぶりに定期国際線が復活し、今月に入って格安航空会社のジンエアーとチェジュ航空の2社が9カ国に18本の国際線を運航している。
当局は事故への対応に乗り出した。チェ・サンモク大統領権限代行副首相兼企画財政部長官は、全羅南道務安郡を特別災害地域に指定した。国土部は政府世宗庁舎6階に中央事故収拾対策本部を設置し、全羅南道も災害安全対策本部を稼動している。
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