軍内外では、清海部隊で感染者が大量発生したのは、当部隊の初期対応の遅れと国防部・合同参謀の感染症防疫に対する無知などが重なった結果だとみている。

2021-07-21 11:50:26 | 韓国・コロナ対策

韓国の海外派兵部隊、集団感染で史上初の途中帰還…

国防部長官「責任を痛感」

登録:2021-07-21 06:25 修正:2021-07-21 07:35
 
清海部隊の集団感染の責任問う声高まる 
文大統領「安易だったという批判免れない」 
国民の力「大統領は国民に謝罪すべき」
 
 
新型コロナ集団感染で帰国した清海部隊第34陣「文武大王艦」の将兵たちが今月20日午後、京畿道城南市のソウル空港で、空軍多目的空中給油輸送機(KC-330)から医療陣に付き添われながら降りている//ハンギョレ新聞社

 アフリカ海域で任務を遂行する過程で、新型コロナに集団感染した清海部隊第34陣(文武大王艦・4400トン級)の乗組員301人全員が20日夕方、城南(ソンナム)のソウル空港に降り立った。ソ・ウク国防部長官は同日午前、ソウル龍山区(ヨンサング)の国防部庁舎ブリーフィングルームで、「重い責任を痛感し、清海部隊の将兵や家族の皆様、そして国民の皆様に深くお詫び申し上げる」と頭を下げた。今月15日、6人の将兵の感染が確認されてからわずか5日のことだ。ソ長官は「清海部隊将兵に対するワクチン接種が不十分だった」とし、「将兵に対する細かい配慮ができず、多数の新型コロナ感染者が発生した」と謝罪した。しかし、ソ長官の同日の謝罪にもかかわらず、今回の事態の責任を問う声がますます高まっている。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領も同日の国務会議の冒頭発言で「速やかに軍の輸送機を送って全員帰国措置するなど、韓国軍がそれなりに対応した」としながらも、「国民からすると、不十分で安易に対処したという指摘は免れない」と述べた。文大統領は「こうした批判を謙虚に受け止め、治療などの措置に万全を期すとともに、他の海外派兵軍部隊についてももう一度(不備がないか)点検してほしい」と注文した。野党「国民の力」のキム・ギヒョン院内代表は院内対策会議後、記者団に「大統領自ら国民に謝罪する必要がある。国防部長官と合同参謀議長は責任を取って更迭されるのが当然」と声を高めた。国民の力所属の国防委員らは、国会レベルの国政調査を要求した。

 国防部は、空軍の多目的空中給油機(KC-330)2機に分乗して帰国した清海部隊の乗組員301人のうち「入院治療が必要な症状を示している3人を含む14人は、国軍首都病院と国軍大田病院にすぐ入院措置する」と国会に報告した。また国防部は、301人全員を対象にPCR検査を行い、「感染者は軍病院と生活治療センターで隔離・治療し、陰性者は軍隔離施設に収容・管理する」と国会に報告した。帰国前に感染が確認された部隊員は全体の82.1%にのぼる247人。陽性判定を受けていない54人のうち、新たに感染が確認される可能性も排除できない。

 軍内外では、清海部隊で感染者が大量発生したのは、当部隊の初期対応の遅れと国防部・合同参謀の感染症防疫に対する無知などが重なった結果だとみている。また、軍が創設されてからの派兵史上、集団感染で部隊が早期撤退したケースは類例を見ない。海外派兵部隊の作戦指揮は合同参謀議長が責任を担っているが、全体的には国防部長官が指揮を執る。ソ長官は昨年9月の就任後、北朝鮮の亡命者に対する警戒の失敗(2月17日)、軍内での給食や過剰防疫問題(4月28日)、強制わいせつによる空軍副士官死亡事件(6月9日と10日、7月7日)など5回にわたって謝罪したのに続き、同日6回目の国民向け謝罪を行った。

 これに先立ち、清海部隊の乗組員301人は19日、文武大王艦が停泊していたアフリカ海域隣接国の空港で、空軍輸送機2機に分乗して帰国の途についた。乗組員が全員出発した文武大王艦には、空軍輸送機で現地に急派された緊急派遣部隊(復帰チーム)が乗り込み、20日に現地の港を出発して、9月12日に鎮海(チンヘ)港に到着する予定だ。さらに、すでにアデン湾海域に到着し待機していた清海部隊第35陣の忠武公李舜臣艦が、文武大王艦の任務を引き継いだ。

イ・ジェフン、イ・ワン、チャン・ナレ、キム・ジフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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選手村などで新型コロナウイルス感染者が相次いで確認され、不安が高まっている。安全・安心の五輪にしたいと豪語していたものの、開幕してもいないうちから防疫に穴があいてしまった格好だ。

2021-07-20 10:17:54 | これからの日本、外国人の目

泡のように不安な東京五輪の「バブル防疫」

登録:2021-07-20 04:14 修正:2021-07-20 08:08

 

[D-4東京五輪]イ・ジュンヒ記者のドキドキ!東京
 
 
                    中国の五輪選手団が19日、成田空港から日本に入国している/ロイター・聯合ニュース

 東京五輪の開幕が4日後に迫っている中、選手村などで新型コロナウイルス感染者が相次いで確認され、不安が高まっている。安全・安心の五輪にしたいと豪語していたものの、開幕してもいないうちから防疫に穴があいてしまった格好だ。

 東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会は18日、東京五輪選手村で2人の選手がコロナの陽性判定を受けたと発表した。選手村内の選手の初の感染確認だ。前日にも組織委は、選手村内で五輪関係者1人のコロナ感染が確認されたことを発表している。組織委の発表によると、現在、東京五輪関連の感染者は55人。

 日本は不安に包まれている。毎日新聞は17日、全国の有権者1087人(有効回答者数)に対して電話で世論調査を行い、その結果を18日に発表した。これによると、菅義偉首相が主張する「安全・安心な五輪開催」について、「できるとは思わない」と答えた人は65%に達した。「できると思う」と答えた人は19%にとどまった。

 国際オリンピック委員会(IOC)と日本政府は今回の五輪を「バブル方式」の防疫で行うとしている。米国プロバスケットボール(NBA)の「オーランド・バブル」モデルを借用したのだ。NBAは昨年、コロナ拡散により試合を行うことが難しくなり、順位決定戦の参加チームをフロリダ州オーランドのディズニーワールドに集め、外部と断絶したまま試合を行った。現地メディアがこれを泡になぞらえて「バブル」と名付けた。

 組織委はバブル五輪のための様々な対策を打ち出している。例えば、日本に入国する参加者たちは組織委が提供するタクシーに乗ってホテルに移動し、3日間隔離される。2週間は公共交通機関を利用したり、日本の現地の人との不要な接触をしたりすることもできない。管理のために、日本に入国する際に位置追跡機能などのある5つのアプリケーションをインストールするよう要求される。

 
 
五輪反対のデモ隊が18日、IOCのトーマス・バッハ会長の歓迎行事が行われている東京赤坂の迎賓館赤坂離宮前でデモを行っている/共同通信・AP・聯合ニュース

 問題は、組織委が実質的に参加者を統制する方法がないということ。東京五輪は205カ国、約1万5000人が参加する大会だが、選手が宿泊する選手村ですでに感染者が確認されている。取材陣やボランティアなどのその他の関係者を含めれば、関係者の数はさらに増えるが、彼らを集めておく場所がないだけでなく、統制を行う人員も不足している。組織委は指定されたホテルの入り口ごとに警備員を配置しているが、他の宿泊客が混ざっているため識別が難しい。実際に記者の泊まっているホテルでも、警備員に五輪関係者であることを告げてようやく案内を受けることができた。

 米国のオーランド・バブルとは状況が異なる。オーランド・バブルに参加したのはわずか22チームだった。ディズニーワールドという限られた空間だったため、参加者の行動半径が制限できた。リゾートとして作られているディズニーワールドでは、内部で宿泊や食事なども解決可能だった。外部の人間と参加者を完全に切り離すことができた。これこそ、NBAが残りのシーズンを1人の感染者も出さずに終えることができた理由だ。

 組織委は最近、各参加団の防疫問題を担当するCLOあてに電子メールを送り、「最近、日本のメディアによって、東京で夜遅くまで酒を飲む五輪関係者が目撃されている。摘発された場合は強力な措置を取る」と脅した。警告しているように見えて、実は泣訴に近いジェスチャーだ。東京のバブル防疫は安全な枠ではなく、いつでも弾ける可能性がある不安な泡になりつつある。

東京/イ・ジュンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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日々暮らしている私たちも大変な苦労をしている。結局、自分たちの利権のために大会をやるくせに、選手たちを押し立てて正当化しないでほしい」と批判した。

2021-07-19 13:15:25 | コロナ対策:国民の命を守れ!

「誰のための復興? 誰のための五輪?」…日本、怒りふつふつ

登録:2021-07-19 02:28 修正:2021-07-19 09:15
 
[D-5東京五輪]イ・ジュンヒ記者のドキドキ!東京
 
 
17日、トーマス・バッハ会長が宿泊する東京のホテルに向かおうとしている東京五輪反対のデモ隊。警察が阻止している=東京/AFP・聯合ニュース

 

「嘘です。国民の気持ちを悪用しているんです。そのお金は災害で被害を受けた方たちのために使うべきだったんです」

 タカセユリさん(27)は、安倍晋三前首相をはじめとする日本政府が掲げた「復興五輪」という名称をどう思うか、との問いにきっぱりと答えた。東京で小学校の教師をしているサトウミワコさん(仮名、24)も「問題を収拾してから五輪を開催してこそ復興五輪になるのであって、目の前に問題があふれているのに五輪を開催すること自体がミステリー」と述べた。このように本紙が現地でインタビューした日本人は、おおむね五輪に対して否定的な反応を示した。

 最大の懸念は新型コロナウイルスの拡散問題だ。日本の「毎日新聞」と社会調査研究センターが先月19日に日本の有権者に対して実施した世論調査によると、東京五輪は「安全・安心」の形で開催できるかとの問いに対し、回答者の64%が「できるとは思わない」と回答した。日本は今月14日以降、4日連続で新規感染者が3000人を上回っている。

 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は8日、東京に到着後、「これまでで最も準備の整った五輪」と自信を示したが、16日に選手村で感染者が初確認され、懸念が生じた。2人のコロナ感染者が確認されたウガンダ代表選手団の1人が大阪で姿をくらましたことが伝えられ、不安が高まっている。防疫に穴があいたというシグナルとして受け取られかねないからだ。現在、東京五輪関連の累計感染者は45人。

 人口100万人あたりの平均感染者数を見ると、日本(約6600人)は世界平均(約2万4000人)と比べてましな方だ。日本より状況が悪い国は140カ国を超える。しかし拡散が収まらないため、日本の国内では「この状況で世界中の人々を集めて大会を行う必要があるのか」という不満の声があがっている。

 
 
IOCのトーマス・バッハ会長が17日、東京都江東区のメインプレスセンター(MPC)で記者会見を行っている=東京/共同通信・AP・聯合ニュース

 こうした状況を意識したかのように、バッハ会長は17日、東京江東区のメインプレスセンター(MPC)を訪れ、「日本国民には、東京五輪に参加する選手を歓迎し、支援してほしいと謙虚に要請する」と低姿勢を示した。しかし日本列島の不満は収まっていない。菅義偉内閣の支持率も連日最低値を更新している。大学生のスズキレンさん(仮名、21)は「東京でも五輪の雰囲気はほとんど感じられない」との指摘に対し「表面上は静かに見えるが、下では煮えくり返っている」と説明した。

 バッハ会長が選手たちを前面に押し立てていることも、日本人たちの気を悪くさせている。大学で情報学を専攻するキタタニセイコさん(21)は「IOCと政府は選手のために最善を尽くしていると言っているが、日々暮らしている私たちも大変な苦労をしている。結局、自分たちの利権のために大会をやるくせに、選手たちを押し立てて正当化しないでほしい」と批判した。

 国民経済を押し立てる政府に対する苦言も飛び出した。五輪のサッカー競技が開催される東京の隣の埼玉県のビジネスホテルで働くタカハシクミコさん(仮名、57)は「宿泊客が増えなくてもいい。五輪開催は望まない。ほとんどの日本人はコロナを終息させることこそ急務だと思っている。日本で感染者が増えるのはもちろん、旅行の過程で他国の人たちも感染する危険性がある」と厳しく批判した。

 日本人は今や、五輪に対する根本的な問いを投げかけている。「最近の五輪のニュースを見ると、いったい誰のための大会なのか考えてしまいます。私は幸い職を失ってはいませんが、周りには職を失った人や、毎日のように廃業に対する不安を抱えて生きている人がいます。誰のための復興で、誰のための利権なんでしょうか」。現在の東京の民意の込もったモリサチコさん(仮名、42)の問いかけだった。

東京/イ・ジュンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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空想映画でしか見られない氷河のない地球が現実化するのではないかと心配される。

2021-07-18 16:32:16 | 温暖化現象が原因、脱炭素目指して
 

猛暑、台風、豪雨の「トリプル異常気象」…今後は毎夏やって来る

登録:2021-07-17 03:04 修正:2021-07-17 08:24
 
これまで経験したことのないこの暑さ、程度が異なるだけで、すでに経験 
「一方ではヒートドーム、もう一方では集中豪雨」など、今後は日常化 
朝鮮半島でこの100年間、階段式の「気温上昇」持続…「カーボンニュートラルは必然」
 
 
梅雨の影響で集中豪雨に襲われた3日、三陟市の臨院港の一部が浸水した=三陟市提供//ハンギョレ新聞社

 数万年前の氷河期は、46億年の地球の歴史上、最も寒かった時期に属するという。人類が地球の支配者となった今はその時代よりずっと暖かいが、それでも寒い時期に属するというのは同じだ。2021年6月からロシアのモスクワでは摂氏30度を超える高温が、カナダ西部のブリティッシュコロンビアでは摂氏50度近い猛暑が続き、まるで地球に火がついたように水銀柱が上がっているが、いったいどうなっているのかと問う人がいることだろう。真夏でもエアコンをつけずに暮らせる地域で熱の爆弾が爆発したのだから、そのような疑問がわいてもおかしくはない。しかし、気象観測データは嘘をつかない。

気象観測データは嘘をつかない

 産業革命後、二酸化炭素などの温室効果ガスが大気中に多く排出され、その結果、温暖化が進んでいる。地球温暖化は、従来とは異なるかたちの緯度間のエネルギー不均衡を生むため、大気における熱の流れのあり方と強さを変え、必然的に気候変動を引き起こす。川に積もった大きな石の塊によって水流やそ速さが変わり、水流の弱まった所に砂や土が積もって流れをさらに遅くするように、温室効果ガスが増加することで、地球大気にも同じ現象が引き起こされる。大気の流れが弱まった地域では、現在の北米の西の地域で見られるように、ブロッキング(大気の停滞)による「ヒートドーム現象」が引き起こされる。ブロッキングの一方では、集中豪雨が引き起こされたり、台風が強く発達したりする可能性がある。

 ここ数年の韓国の夏の気候を思い出してみよう。2018年には大気の停滞によりヒートドーム現象が起きた。夏の平均気温、猛暑の日数、熱帯夜の日数は1994年の記録を更新し、過去最高となった。夏に涼しい場所として知られる江原道洪川(ホンチョン)の気温は41度に達した。2019年には1904年の気象観測開始以来もっとも多い7つの台風が韓国に影響を及ぼした。多くの場合、韓国に接近する台風は5つ、上陸するのは2つであることを考えると異例の多さだった。

 2020年の梅雨は8月15日に終わり、史上最も遅い梅雨明けと記録される。気候的に梅雨が明ける時期である7月25日頃に始まった集中豪雨は、梅雨が明けるまでの約20日間、全国に水爆弾をもたらした。蟾津江(ソムジンガン)が氾濫し、全羅南道求礼(クレ)が水に浸かり、隣の慶尚南道河東(ハドン)でも似たような洪水が発生した。

 しかし、この災害は異常気象だけでなく、管理ミスという要因も大きく作用したようだ。2020年の夏に見られた集中豪雨のあり方が例年と大きく変わっているわけではないからだ。韓国の梅雨の降水分布を時間ごとに見てみると、早朝と夕方に集中するようだ。午前にのみ雨が集中する年がある一方、午前と午後の両方で雨が集中する年もある。洪水被害の大半は、午前と午後に集中豪雨が発生する年に引き起こされる。2020年がまさにそのようなケースだった。単に降水量が多く、地方自治体と治水担当機関による効率的な水管理が行われなかったため、被害が大きくなったのだ。

 
 
ソウルの夏の気温。青の実線は観測データ。オレンジの点線は気候モデルによる予測(縦軸:温度、横軸:年度)//ハンギョレ新聞社

2100年の地球の平均温度は18度?

 2018年の夏の暑さは、大気の停滞や北太平洋高気圧の張り出しなどの面で1994年と似ていた。台風の多数上陸も、1959年と1991年にすでに経験している。このようにこの3年間に起きた夏の異常気象は厳しかったものの、かつてなかったことが起きていたわけではない。猛暑、台風、そして集中豪雨が連続して発生したため特異に感じられるのだ。

 世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)が1988年に設立した「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、過去30年あまりの間に気候変動に関する報告書を5回出版している。これらの報告書で大気科学者たちは一貫して、温室効果ガスを大きく減らさなければ、今世紀中に深刻な地球温暖化が引き起こされ、人類の生存に致命的な影響を及ぼす気候変動は避けられなくなると警告している。米国のスミソニアン博物館に記録されている最近5億年の地球の気温の変化を示すデータによると、北極と南極の氷河の存在の有無の基準点となる温度は摂氏18度ほど。現在の地球の平均気温は15度だから、まだ3度の余裕があるわけだ。しかし、子孫が生きるべき2100年の気温は? 今の趨勢が続いて気温が高まれば18度に達すると予想される。空想映画でしか見られない氷河のない地球が現実化するのではないかと心配される。

 韓国で旧韓末から観測されている気象データを眺めていると、面白い現象が発見できる。夏と冬の気温が線形的には高まっておらず、階段を上るように急に高まり、その状態がしばらく続くのだ(図参照)。季節や地域によって差はあるが、ここ100年あまりの間に1段または2段の階段を上がってきたようだ。階段を上がるたびに、以前の時期には高いとされていた気温が平均となった。そのため階段を2段上がると、最高気温が平均となった。IPCCの気候モデル展望によると、今から20年後の2040年頃にはソウルの気温が一段上がるという。2018年に経験した夏の蒸し暑さが日常化するのだ。

 地球温暖化とこれに伴う気候変動を防ぐ方法はあるのだろうか。このところ政府が野心的に推進している2050年のカーボンニュートラル達成、すなわち炭素排出ゼロを実現すれば可能なのではないか?米国や中国などの温室効果ガス排出の主要国もカーボンニュートラルプログラムに積極的に参加し、現実化すれば可能なのではないか? 全国民の希望に冷水を浴びせる話だが、それでも気候変動は止まらない。現在、大気中に排出されている二酸化炭素が2100年以降も大気中に残るからだ。さらに衝撃的なことは、世界で最も強い偏西風帯にある韓国には気候変動の影響が強く現れるとの見通しだ。

最善は、うまく予測して被害を最小化すること

 産業革命当時、大気中の二酸化炭素量は280ppmv(空気を構成する分子100万個当たりの二酸化炭素分子の個数が280個)だった。現在は420ppmvで、この250年で50%も増加している。化石燃料の使用を大きく減らさない限り、二酸化炭素は毎年1%ずつ増加し、2050年には550ppmvを超えるだろう。2050年にカーボンニュートラルを達成しても、これまでに積もり、今後の約30年間でさらに積もる温室効果ガスの影響で、気候変動は必然的に起こらざるを得ない。

 では、私たちには何ができるのだろうか。夏になると繰り返される猛暑と台風、そして集中豪雨の発生をうまく予測し、その被害を最小限に抑えるために備えることが最善ではないかと思う。

ホ・チャンフェ|ソウル大学地球環境科学部教授 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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国民民主党の玉木雄一郎代表が、連合と「左右の全体主義を排し」との文言が入った政策協定を締結し、・・・

2021-07-17 09:51:30 | 批判中傷するときほど相手のことをよく研究すべきだ!反共は戦争前夜の声だ!

日本共産党は全体主義と無縁 

玉木氏発言は事実と違う

田村政策委員長が指摘

写真

(写真)記者会見する田村智子政策委員長=16日、国会内

 日本共産党の田村智子政策委員長は16日、国会内で記者会見し、国民民主党の玉木雄一郎代表が、連合と「左右の全体主義を排し」との文言が入った政策協定を締結し、記者会見で「『左右の全体主義』とは共産主義、共産党のことだと認識している」と述べたと報じられたことについて、「事実と違う発言だ」と指摘しました。

 田村氏は、「日本共産党は、一貫して自由と民主主義を求め続け、守り発展させようという立場を貫いてきた政党だ」と強調。戦前、党の創立以来、絶対主義的天皇制という全体主義のもとで、男女・18歳普通選挙権の実現を掲げ、政党政治と、異なる意見が反映される議会を求め、戦後もその立場を貫いてきたと紹介。「とりわけ2014年に、安倍政権が一夜にして集団的自衛権の解釈を変え、15年には安保法制を強行する、まさに民主主義の危機のもとで立場の違いをこえた市民と野党の共闘を大きく呼びかけた」と強調しました。

 その上で「一連のことをみてもらっても、日本共産党が全体主義とは無縁であり、正反対の立場から日本の中でも、世界の中でも自由と民主主義のために日々努力をしている政党だと改めて述べたい。そのことは日本共産党の綱領を読んでいただければ、誰もが理解できることだ」と語りました。

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