かいつぶりの日々

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【改正】相続土地国庫帰属制度の創設

2023年02月21日 | 改正
※写真はイメージです。

以前ブログでご紹介しました所有者不明土地の法整備の件ですが、今年の5月に施行されます

ご紹介したときは案の段階でしたので、ようやく形になってきたという感じでしょうか。
これは、土地利用ニーズの低下等により、土地を相続したものの、土地を手放したいと考えている方が増加している現状や、相続を契機として、土地を望まず取得した所有者の負担増により管理の不全化が生じている現状を解決すべく整備された制度です。
 所有者不明土地の発生を抑えるため、相続や遺贈により土地の所有権を取得した方が、法務大臣の承認により土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする制度として創設されました。

①申請者は土地を相続、遺贈により取得した相続人となります。
   土地が共有地である場合には、相続や遺贈によって持分を取得した相続人を含む共有者全員で申請する必要があります。

②なんでもかんでも申請できるわけではなく、ある程度の要件が設けられています。
㈠申請ができない土地は以下の通り

・建物の存する土地→更地でないとダメ
・担保権又は使用及び収益を目的とする権利が設定されている土地
貸していたり、地役権が設定されていたり、担保に出してたりしてたらダメ

・通路その他の他人による使用が予定される土地として、以下の(1)から(4)が含まれる土地
(1)現に通路として使用されている土地
(2)墓地内の土地
(3)境内地(神社・お寺の土地)
(4)現に水道用地・用悪水路・ため池などは他の人が利用している土地

そのほか
・土壌汚染対策法第2条第1項に規定する特定有害物質により汚染されている土地
・境界が明らかでない土地その他の所有権の存否、帰属又は範囲について争いがある土地
🉂承認ができない土地
  ※㈠と異なり、審査の段階で該当すると判断された場合に不承認となる土地を指します。
・崖がある土地のうち、その通常の管理に当たり過分の費用又は労力を有するもの(崖は勾配30度以上であり、かつ高さが5メートル以上のものが該当)
・土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木その他の有体物が地上に存する土地
・除去しなければ土地の通常の管理又は処分をすることができない有体物が地下に存する土地(地下の埋設物がある場合など…)
・隣接する土地の所有者その他の者との争訟によらなければ通常の管理又は処分をすることができない土地
(例)囲繞地なのに民法上の通行権利が妨げられている土地

・そのほか、通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用や労力を要する以下の土地
(例)土地に生息する動物により、土地や土地周辺の人、農産物、樹木に被害を生じさせる土地→イメージとしては獣害がひどい農地など…。

③負担金について
国庫に帰属する承認を得た場合には、負担金として10年分の管理費を納付する必要があります。
いくらになるか、令和4年度中にまとめられるそうですが
法務省のHPに負担金の算出方法が記載されていますね。

これに関連して不動産登記法もだいぶ厳しくなるようですね。
相続して放置ってパターンが減り、土地の流通を促すきっかけになれば良いと思います。