かいつぶりの日々

山林関係に強い不動産鑑定士「合同会社鳰不動産鑑定」のブログです
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不動産の鑑定評価・相談・コンサルティング

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【不動産鑑定士の活用法】成年後見制度を利用して不動産を売却する場合

2021年06月14日 | 不動産鑑定士の取り扱い方法

そういや成年後見制度、
この制度が始まって20年くらい経ちますね。
今回は不動産鑑定士が後見制度にどう絡むかご説明します。


成年後見制度の基本内容は置いといて、
ざっくりいうと、財産の処分に関して単独では行えないので、認知症のため、自己の判断能力が低下した方を法廷後見人がサポートする関係となってます。(ざっくりしすぎ)

具体的には、本人の居宅を売却する場合には後見人がサポートして取引を行うわけですが、その取引が適正がどうかについて、家庭裁判所が審査します。このケースの場合には不動産の老朽化や損耗が激しい場合もあり、取引価格が近辺の公示価格等から乖離しているケースもみられます。
その場合に説明資料としての不動産鑑定評価書は有効です。取引価格の合理性を不動産鑑定士に担保してもらい、それを鑑定評価書と合わせて家庭裁判所に報告することで、円滑な財産処分が可能となります。

路線価、固定資産評価も資料にしていただきながらも、一度窓口の法廷後見人の方を通じて不動産鑑定のご相談をされることをお勧めします。


【財産分与】離婚時の財産分与の不動産鑑定評価

2021年06月09日 | 不動産鑑定士の取り扱い方法
離婚に関して不動産鑑定が関与する場合があります。

離婚は、①夫婦の財産関係の清算、②離婚に伴う損害賠償、③離婚後生活に困窮する配偶者の扶養の①~③を目的とした、民法上(民法第768条、第771条)で財産分与請求権が規定されています。結構なケースで不動産(自宅等の土地建物)の価格いかんが問題となることが多いのです。

なぜかといいますと、不動産の価格、さらには不動産の評価をおこなう方法はひとつではないからです。例えば、固定資産税評価、相続税路線価をベースにと考えても、これらはあくまで課税の基礎資料としての価格であり、真の価格を表しているとは言えないです。また、仲介業者様の査定書を基礎にされる方もいらっしゃいますが、査定書は法的な説明責任等がないため、また、売却を目的とした価格であることが多く、仲介業者様の査定によってマチマチなケースもあり、離婚調停や審判において資料としての妥当性に欠ける部分があります。(ただし、これらの評価もすべて誤りではありません、評価を出すベクトルが違うだけです)

こういった場合には不動産の真の価格に向けたベクトルで評価することが必要となり、不動産鑑定士の評価が必要となります。協議されている資産では不動産価格は大きく、それが原因で離婚協議が長引いている場合もありますし、この場合には不動産鑑定を利用することで早期解決にもつながるでしょう。もし、現在お悩みの方は担当の弁護士先生を経由して鑑定評価についてご相談してみてもいかがでしょうか?


【会社合併】会社を合併する場合の不動産鑑定評価

2021年05月16日 | 不動産鑑定士の取り扱い方法

最近、会社の統合とかよく聞きますね。

簡単に言えば、2つの会社を一つにするという話なんですが、

これには、対等合併(持ち分プーリング法)と吸収合併(パーチェス法)というものがあります。

対等合併は昔から簿価で資産を引き継ぐ方法として使われていたのですが、現在はパーチェス法が適用されてます。

すこし話はそれますが、会社にお金(資産)を出す場合(いわゆる増資とか)

株式会社に出資をする場合、基本的には金銭で行うことが多いと思います。

会社法は金銭以外の財産をもってする出資も認めています。これを現物出資といいます。

現物出資による場合、出資目的物の価値の把握が必要です。目的物の過大評価により、不当に多くの株式が割り当てられると、会社財産が社外流出してしまい、会社財産確保という株式会社の目的が達成できなくなります。

そこで、検査役の検査等の厳格な規制が用意されていますが、不動産については、不動産鑑定士による鑑定評価をもとにした弁護士の証明がある時等は、厳格な規制が不要になります。
すなわち不動産鑑定が会社への出資には必須となってきますね

持ち分プーリング法は会社資産を簿価で引き継ぐので改めて鑑定は…って話ですが、現在はパーチェス法が主流。

合併については、原則的には、被合併会社の資産を時価で評価して(パーチェス法)、合併会社の資産と合算します。この時価評価の際に、不動産鑑定士の鑑定評価が有用です。

このように会社を合併する際には、改めて被合併会社の価値を把握する必要があるため、資産を時価で評価することが必要であり不動産鑑定が必要となります。

すこし脱線しますが、例えば材木屋さん、自分たちの資産に会社の土地建物だけでなく、山林や立木もあります。
山林は多くの場合「更地」で評価されてしまうことが多々ありますが、
その山林には棚卸資産である「材木」がのっかっています。

それも含めて鑑定をしなくてはなりません。

住宅会社の自社用の不動産のほか、売却予定の分譲地などのそうです。

会社の社屋だけでなく、どんだけの資産をもっているか、適切に把握するには会計士、弁護士、税理士の先生を通じて、不動産鑑定の相談されることをおすすめします。


【新シリーズ始めます】★事業承継★について【事業承継】

2021年05月12日 | 不動産鑑定士の取り扱い方法
新シリーズ始めます、タイトルずばり

「不動産鑑定士の活用場面」

よく面談の方から
「不動産鑑定士の活用シーンが浮かばない、我々の仕事とどう関係するの?
との質問をいただきましたので、今回は流行りに乗って【事業承継】をベースにご紹介します。



不動産鑑定士は文字通り不動産を鑑定する人なんですが、どのようなシーンで不動産鑑定を使うか、事業承継の各場面で考えてみました。

★事業承継とは自らの事業を後継者に承継するものであり、
この場合以下の二つの側面の承継がある。

A;経営そのものの承継
B;自社株式・事業用資産の承継

上記のうちBで不動産鑑定が必要になるケースとなります。
すなわち、
①自社の株式や資産を後継者に集中的に承継させていく必要があります、

この場合承継資産は適切な評価(不動産も含む)が必要であり、子が複数いる場合には遺留分を侵害しないように自社株や事業用資産以外の持参を後継者以外の子が取得できるようにし、承継において紛争を回避する必要があります。

≪不動産鑑定士のかかわり方その1≫

・事業用資産(不動産)の現況把握と整理を不動産鑑定士が調査の上実行。
・承継する不動産の適正時価の把握
簿価が高い、相続税路線価が実勢と乖離している場合には相続税額の適正算出のための鑑定評価が必要)
・遊休資産の有無、その活用方法の提案(コンサルティング)
・遺留分の把握及び事業用資産以外の資産のうち遺留分を把握するための資産評定→相続紛争の解決に寄与

→これらを譲渡時期や会社の業績を踏まえて税理士と協議し進めていきます。

②後継者には自社株式や事業用資産の相続・贈与が発生するため、相続税が高額となるケースがあります

≪不動産鑑定士のかかわり方その2≫

・不動産鑑定評価により複雑な権利関係にある土地建物や類型に応じた相続不動産の適正価格の把握。これにより適正な納税が可能となる。

③さらに自社株式や事業用資産が後継者に承継されない場合には、他の相続人や子から承継資産を買い取るなどの必要性があります。

≪不動産鑑定士のかかわり方その3≫

・金融機関からの資金調達の際の担保評価について不動産鑑定評価を活用すれば円滑な資金調達が可能。

すなわち、上記のように不動産の真の価値を表示することによりどれだけの資産が承継され、どのように利活用されるべきかの指針が明確となり、社会経済活動の円滑化につながります。