前回は競売物件の購入についてメリット、デメリットをお話しました。
今回は手続き的なお話。
一般に競売物件とは裁判所主導のオークションみたいなもの。
物件情報は前回お話した不動産競売物件情報サイト「BIT」に掲載されています。
欲しい物件を見つけたら購入(入札)手続きに入るわけですが、
上記サイトから三点セット(物件明細書 現況調査報告書 評価書)をダウンロードして、物件の詳細を確認してください。
(入札)
めぼしをつけた物件については入札期間中に入札用紙を入手し、それに必要事項を記入して裁判所に提出します。
物件には売却基準価額と 買受可能額が記載されていますが、最低価格としては買受可能額以上の入札をしなくてはいけません。
また売却基準価格の20%が保証金 として取り扱われ、入札時に納付しなくてはいけません。
これは買受申出保証金と記載されている項目ですね。
ちなみに売却基準価額とは、裁判所の評価額であり、買受可能額は売却基準額の80%(前述の買受申出保証金を控除した額)の金額を表してます。
(落札、代金納付)
この入札で一番高い値段を提示した方が落札するわけですが、落札後もいろいろあるわけで…。
売却許可の決定の通知を裁判所からもらったら、期日までに代金を納付します。
(交渉、その他)
移転登記などは裁判所のほうで行うのですが、一番の問題は引き渡し。
この作業は落札者が行います。
空き家ならまだしも居住中の物件ももちろんあるので、居住者がスムーズに立ち退きしない場合もあります。
立ち退きの交渉のほか、残置物の処理、鍵の解錠、付け替えなどのなかなか大変な作業がありますが、一番大変なのはこの交渉。
スムーズに進まない場合は、裁判所に引き渡し命令を申し立てることとなります。
(引き渡し命令、強制執行)
この申し立ては代金納付から6か月と決まっておりますので、この期間に留意して作業をすすめることが大事です。
また、裁判所の命令がでてすぐに退去してもらえるならまだしも、居住者が不服申し出を行った場合にはその申し出について審査があるので、さらに引き渡しが先になります(;'∀')、また、残置物がある場合には勝手に処分してはならず、必ず居住者等に連絡して確認する作業が必要です、上記の通り拗れている場合でも確認の作業は必要で、まったく話にならない場合は強制執行の段取りということになりますね、ちなみにこれらの費用は落札者負担、さらに取得できるまで長くなります。
(このあたりは管轄の裁判所に聞いていただければと思います)
これらの手続きを経て入手できれば、普通に使っていただいてもOKな形となります
しかし「市場価値より安い」とは言え、なかなか手続きが煩雑なので一言で安いとは片づけられませんね。空き家か居住中か、残置物あるかないかとのチェックなど物件選びは慎重に。