続きです。
木の切り出しのプランの策定については、やはり自分自身で山に登ることが重要です。その際、現地立会に林業関係者に同行してもらうと心強いです(一人で登ると事故等の危険性がありますので…)
高度成長期やバブル期により、山林も「開発してナンボ」という概念が定着していることから、山林本来の価値より、開発素地としての価値の方がウェイトが大きいというのが、今の山林が直面している問題でしょう。
今、水源を確保するためたくさんの外国資本が日本の山林に入りこんでいるというウワサを聞きます。週刊誌等では「日本の山が食い荒らされている」とか「日本の水が無くなる」とかひどく書かれている記事を目にします。
買い占められるのは確かに問題ですが(それが事実であれば)、価値判断としては本来の山林にあるべき姿では?と思う時もあります。
ですので、我々不動産鑑定士が出来ることは、山林の本来の価値を表示すること。開発想定や取引価格(更地の取引価格)だけで判断するのではなく、その上に植林されている立木についても適切に判断し、価値に織り込むことが、本来の山の価値を表示出来るのではと考えます。また、立木に全く価値は無いと、我々が判断するのは日本の林業自体を否定することとなり、その1で説明した悪循環を促す結果にもなりかねません。
確かに材木市場は停滞していますが、何もせず頭ごなしに「立木に価値はない」と判断するのは、価値判断のプロである我々としてはタブーな話ですね。
立木に限らず、一般の土地建物についても、先入観なしで適切な価値を判断することにこれからも尽力したいと思います。